2025年1月10日 (金)

MEMS協議会 2024年度MEMS懇話会開催(2024年12月26日)

MEMS懇話会は、MEMS協議会正メンバーの委員と経済産業省など行政側との意見交換を行う、年に一度の貴重な行事となっております。今年度のMEMS懇話会は、年の瀬の12月26日に、マイクロマシン・MEMS分野に係る現状及び各企業の取組みとMEMS産業復興に向けた行政側への要望等について、オンラインで意見交換を行いました(写真1)。


最初に西澤格MEMS協議会会長(マイクロマシンセンター理事長)による主催者挨拶があり(写真2)、2023年度に立ち上げたMEMS事業者連携委員会及びNEDOから受託した「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM)」事業において、今後のMEMS研究開発戦略の議論を深めていることなどが紹介されました。

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写真1 オンライン会議の様子 写真2 西澤MEMS協議会会長 挨拶

続いて、経済産業省 情報産業課 企画官の小林健氏から、最近の政策動向として、「半導体戦略の現状と今後」について紹介され(写真3)、12月23日に情報がアップデートされたばかりの国の半導体・デジタル戦略に基づき、半導体デバイスに関する部分を中心に、先端半導体製造基盤の確保、サプライチェーンの強靭化、後工程の技術開発、人材育成、「AI・半導体産業基盤強化フレーム」の策定方針、経済安全保障の観点からの支援の在り方などを説明いただきました。

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写真3 「半導体戦略の現状と今後」最新の政策紹介

次に、長谷川英一MEMS協議会事務局長(マイクロマシンセンター副理事長・専務理事)から、MEMS事業者連携委員会の活動報告とMEMS産業の動向、昨年度に取りまとめた我が国MEMS事業者の動向に関する調査報告に基づく今年度のMEMS事業者連携委員会での議論の状況、特に経済安全保障推進法上の特定重要物資へのMEMSの指定を強く要望していることなどについて報告しました。

これらの2つの話題提供の後、経済産業省、NEDO、産総研との意見交換が始まりました。今年度のテーマは「MEMSに関する自社の取組みと、MEMS産業再興のための行政への要望について」についてです。
この中では、

  • 産官学各機関の技術力底上げと海外に対する競争力強化のため、技術開発と製品量産における投資、MEMSプロセス標準化の推進、技術者の人材育成への政府からの支援が必要。
  • 海外のデバイスメーカーやファウンドリへの過剰な依存を回避するため、産学一体となって取り組む開発拠点や体制構築について、最先端ロジック/メモリやアナログ等従来型半導体に加え、MEMS分野においても支援が必要。
  • 様々なMEMSデバイスに対応可能なプラットフォーム的なMEMS工場の立ち上げ、効率的なMEMS設計手法の確立等、国プロを通した形の親和性のあるテーマではないか。
  • 企業の競争力強化と国内MEMS産業拡大のため、先進的なMEMS製造ライン構築に向けた設備の導入・更新、プロセス技術開発への支援が必要。
  • MEMSに対する政策的投資の後押し、人材育成の観点からの産学連携推進、MEMSのインテリジェント化について、「学」の立場からも積極的に関与していきたい。

といった意見が出されました。
それらを受けて、経済省、NEDO、産総研から、MEMSの高精度化へ向けた産業界から国への直接の要望をもっと届けてほしい、革新的・先進的センサ技術の開発に期待している、支援プログラムを活用して社会変革を視野に入れた技術を提案してほしい、整備中のつくばの装置・設備についてぜひ活用を検討いただきたい、といったコメントが出されました。

今後MEMS協議会としては、本懇話会で出された意見を参考にして、日本のMEMS産業再興のために必要な研究開発を順次提案できるよう、SSN(スマートセンシング&ネットワーク)研究会やMEMS事業者連携委員会などにおいて多くのプレーヤーとともに検討を進めて参ります。

(MEMS協議会 事務局 濱田直春)

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