2025年4月 4日 (金)

第43回マイクロナノ先端技術交流会 「MEMSの新たなアプリケーションと新たなプロセス技術」 開催報告(2025年3月10日)

2025年3月10日(月)13:55 – 16:00に、第43回マイクロナノ先端技術交流会をオンラインにて開催しました。

今回の先端技術交流会は、「MEMSの新たなアプリケーションと新たなプロセス技術」をテーマに、東京大学生産技術研究所 人間・社会系部門、インタースペース研究センター 豊田啓介特任教授、株式会社KOKUSAI ELECTRIC プロセス開発本部 第四プロセス開発部 鋪田嚴様にご講演頂きました。産業界や大学から計135名の参加申込があり大盛況でした。

最初の東京大学 豊田先生からは、「マルチエージェントネットワーク基盤としての建築環境およびコモングラウンドの可能性」についてご講演いただきました。
内容は、都市や建築物の3D空間データと人、モノ、動物、モビリティ、ロボット、環境等のリアルタイムのセンサデータを統合し、空間に設置されたセンサから集約した空間・位置・周辺の動きのデジタル情報を必要とする人やロボット等に返すことによって、現実とデジタル空間をつなぐコモングランド(共通基盤)の構築について、具体な利用例や先生の実証実験場(大阪万博)での取組みについてご紹介頂きました。

続いてKOKUSAI ELECTRIC 鋪田様からは、「MEMSデバイス適用へ向けた極厚膜LPCVD Poly-Si膜の基礎評価」について、ご講演頂きました。
内容は、MEMSの慣性センサの製造で欠かせない、厚膜Epi-Poly-Siプロセスの欠点である枚葉処理による生産効率の低さを解決するため、バッチ処理可能なLP-CVD Poly-Siの開発を進め、連続的に成長する結晶の均一化のために、一定膜厚毎に薄い阻害層(ILIS:Inhibition Layer Inserted Structure)を形成することで、低膜ストレス(-6.5MPa)かつ低ストレス勾配(-0.65MPa/μm)な特性を25μmの厚さで実現し、これにより、Epi-Poly-Siに代わる新たなMEMS材料として期待されるというものでした。

最後に、今回も前回と同様に、多くの方々にご参加頂けるように、オンラインによる開催を行いました。色々とご不便をお掛けすることもありましたが、ご講演いただいた先生をはじめ、多くの方々にご参加いただき、厚く感謝を申し上げます。

(産業交流部 逆水登志夫)

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