2020年12月01日
#イチケイのカラス、TV実写ドラマ化
裁判官が主人公のテレビドラマは、名作「家栽の人」のドラマ化、NHKの「ジャッジ 〜島の裁判官奮闘記〜」が記憶に残っているが、弁護士や検事に比較して派手さに欠け、本数も少ない。
家栽の人に関しては、とにかく理想像としての家庭裁判所裁判官を描いた漫画に基づくもので、その当時の裁判所に対する強烈なアンチテーゼという存在でもあった。実際には、家裁の現場ではそんなこともなかったのかもしれないが、ともかく一件一件の少年と向き合い、その将来をとことん考えた処遇に心がけ、調査官の報告に言いなりにならないから反発も受けるが、いつの間にか心酔されてしまい、それでいて事件処理の「赤字」は全く生じさせないから文句も言わせない、おまけに父親は最高裁判事で、本人も最高裁調査官への異動を打診されてしまうというスーパーマン的な桑田判事が主人公であった。
これに対して島の裁判官は、より等身大的な裁判官像で、家庭生活に悩む人としての姿が魅力的であった。
イチケイのカラスに登場する裁判官、特に入間みちおは、弁護士任官という点で変わり種だが、桑田判事のようなスーパーマンではないもののエリート裁判官である坂間に強い影響を与えてしまう存在である。
原作ではもうひとり、裁判長がみちおをバックアップする役回りとして現れているのだが、上記の記事では、イチケイ全体がみちおに振り回されるようなニュアンスであり、その点で一抹の不安を禁じえない。
2020年12月01日 映画・テレビ, 法曹・LS | 固定リンク
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