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抵抗器の選択基準の一つに、抵抗温度係数(ppm/°C)がある。一般的に炭素被膜、厚膜抵抗(サーメット)、金属皮膜、金属箔の順に良好である。
アナログエンジニアの回路実験でのデフォルトは金属皮膜抵抗F級1/4Wである。実験段階で解析精度のチェックがしやすいのと、温度係数が±50ppm/°C以下で、回路の温度変化要因を追求するときに検討要因を少なくするためだ。
電子部品の中では抵抗は比較的理想的な素子として考えて扱うが、それでも抵抗温度係数くらいは、考慮に入れたいものだ。
50ppm/°Cは100°C幅の環境温度変化で0.5%の抵抗変化となる。しかも、メーカー抵抗値、許容電力に依存して実力性能は異なる。
時として、大幅な電力ディレーティングを行うことがある。この手段は自己加熱による抵抗変化を低減することに繋がる。電力低減を行うと、温度上昇が少なくなるので、抵抗に起因する起動ドリフトが少なくなり、他の電子部品による起動ドリフトが観測しやすくなる。
抵抗温度係数の精密測定は案外難しい。10^-6単位である程度の温度幅での測定が必要だからだ。
低抵抗になると専用の測定器があっても、結構その数値を確かめることが難しい。金属線抵抗(巻き線抵抗)の素線はかなり温度係数が小さいが、実測が量産ベースでは難しいので公称温度係数には余裕がある場合が多い。
感温抵抗では、温度の絶対値の確からしさも重要な要素で、自己加熱の影響を無視できない。
抵抗は負帰還を利用する電子回路の生命線である。
抵抗の使い方で、回路設計者の実力の一端が見えてくる。
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