どの会社、部門にも古くて伝統ある回路が使い続けられている例がある。
そんな古い回路は、一見不合理な回路構成である場合も少なくないが年の試練を経た回路で、それなりの理由がある場合が多い。
その回路の改良開発には慎重な対応が必要である。多くの場合、どこかに弱点がありながら、それを補う、それをカバーする部品が組み込まれている部分が多いからだ。
アナログエンジニアは伝統ある回路の改良版の開発をいくつか手掛けたことがあるが、大抵は同時に複数のアイデアを必要とする。
古い回路には多く、最初の実験で道を誤り、試作過程で追加部品で必要性能を出しているからだ。どこで判断を誤り、どの性能でカバーしたか、寄生素子の影響、負荷条件が特殊なのか見極める必要がある。過去の回路エンジニアの思考を、残された資料から学び取りながらリニューアルするか、過去の真の課題の本質を見極めることが最初のステップである。
新設計に変更するときには、時の理(チャンス)・タイミングが重要で、旧回路では対応しきれない時代となったときに、新規設計の機会が訪れる。次の20年に耐えられる設計ときちんとした解析による回路設計が必要なのだ。
古い回路の再開発、それは過去のエンジニアとの対話となる。
20年の歳月はアナログ回路用の部品のサイクルに近いと思う。
第二世代のOPアンプである741タイプは今も使い続けられている汎用OPアンプの名品、当時の回路技術の粋を尽くしたバランスの良い性能が40年前の半導体プロセスで作られていたのだ。その本質的な良さはデーターシートをよく読めば垣間見ることができる。
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