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倍電圧整流回路は端子a,bをもつ電圧源、2個のダイオード、2個のコンデンサで構成できる。
主な回路方式は、1+電圧のピーク検波(単純な半波整流回路)とー極性の半波整流回路を組み合わせたものと2コッククロフトウォルトン(CW)回路の1段分を使用する方法がある。
ダイオードとコンデンサに必要な耐電圧は両者とも同じ。回路定数が同じなら、リップル率も同じ。
1と2の違いは、CW形だと電圧源b端子と出力の一端を共通にできる。一方ピーク検波方式だと、電源の1端が出力電圧の1/2になる。
細かい話をすれば、1の方式はコンデンサにかかる電圧は常に片極性である。
一方、CW形は、起動時のタイミングにより電圧源よりのコンデンサに逆電圧がかかる瞬間がある。
従って、頻繁な起動をかけ、扱う周波数が商用周波数で電解コンデンサを使う場合には1の方式が無難である。
アナログエンジニアは起動時の短時間、電解コンデンサに逆電圧がかかることを好まない。多分問題ないと思うが、逆電圧を時々掛ける電解コンデンサの信頼性を確認する労力は必要だからだ。
元の電圧源が高周波ならコンデンサに無極性の物が使えるので、両者に際はないだろう。
2のCW形は多段接続できるので、n倍圧整流ができる。このとき、電源に直列になるコンデンサには交流電圧がかかる。低電圧なら問題ないが、一段で1000V程度以上稼ぐと、セラミックコンデンサであっても、耐電圧以下で微小な部分放電がおこることがある。
部分放電は、時間の尺度は別として、進行性の劣化モードとなる場合があるので注意が必要である。
似た回路が複数生き残っているということは、それなりの利害得失が存在すると考えるのが合理的であろう。
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