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基準の可変定電流源は比較的高価な機材であるが,特にダイオード・バイポーラトランジスタの静特性には欠かせない。
汎用のデジタルテスタと抵抗で可変電流源を構成する方法を紹介する。
小信号ダイオード測定においては,10MΩ〜数100Ωの抵抗を準備する。汎用の安価な可変電圧源(ふつーの可変安定化電源)の電圧と抵抗を変えながら,電源端と負荷端の電圧を測定する。これで,1nA〜100mA程度までのダイオード特性を測定できる。
電流は目標値に正確には設定できないが,オームの法則に従ってかなり正確に計測できる。
デジタルテスタの電圧レンジはふつう10MΩであるから,もっと正確を期すならば,テスタの負荷効果を逆算することで,低い電流領域の電流値を補正する。
ポイントは,適度な電源電圧を選び,レンジホールドを行ってフルスケール誤差の影響を低減する。デジタルテスタのA/D変換は積分型なので,直線性は良好である。ゼロ点誤差は簡単に補正できるし,計算過程で消去される。
同じ方法をバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に適用すれば,VCE-IC曲線とhFEの測定を行うことが出来る。
半導体測定を通常の室内で行うには,手早く測定することが重要である。また,大電流領域では,通電時間を極力短くして測定するのがポイントである。
高価な機材を使うだけが精密測定ではないのだ。
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