大きい電圧が重畳した微小電圧を扱う必要が生じる場合は,実務のアナログ回路では度々出会う。
この重畳している電圧を同相電圧という。
ブリッジ回路などでは,同相電圧数V,信号電圧が数mVなどの条件もふつうにある。この信号電圧を0.1%精度で扱うには,同相電圧の影響を10^-5程度に抑制する必要がある。この条件を満たす回路構成が3オペアンプ形計測増幅器である。オペアンプの入力範囲と出力範囲の制約から,同相電圧は10V程度以下でなければならない。
同相電圧が200V以下なら超高精度抵抗を用いた加減算器類似回路も実用になっている。
同相電圧の除去は,センサの励起回路側でも処理できる。励起回路をどこにも接地されていないフォローティング電源で構成し,ブリッジの一端を電子回路システムの一端に接地する手段もある。この際の励起電源は一般にトランス絶縁を行う。
アナログ絶縁回路を使用する方法もある。この場合も絶縁された電源を用い,アナログ絶縁を行う。
いずれにしても,大きい同相電圧下の増幅は個別部品を用いた電子回路によって実現されている。
工業用途においては,AC200V近くの同相電圧の重畳を前提として作られる回路もある。
プリアンプの設置場所とデジタル信号処理を行う場所が離れている場合には,交流を含む同相電圧の消去を考慮した回路システムを組む必要があるだろう。
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