安定化電源では,出力側に容量があると起動時に,その充電電流が突入電流となる。起動時には負荷電圧不足の状態にあるから,安定化電源は最大出力電流を流す。
もし,その安定化電源に電流リミッタ回路が意図的に挿入されていなければ,主トランジスタのhFEとベース電流で大きなピーク電流が流れる。安定化電源がSWレギュレータならば,主SWのトランジスタのON期間は短時間で最大となり,大きな起動電流が流れる。この過渡電流を制限するには,主トランジスタの電流制限回路が必須である。
ないと,起動時に定格を越える電流が数m〜数10msの間流れる可能性がある。コンデンサ負荷は起動時においては,安定化電源回路にとっては短時間の負荷短絡と類似した状況となる。
CV=IT C:容量, V:電圧 I:電流 T:時間
Iが制限電流であれば,時間Tがわかる。
多くのコンデンサ負荷では,0.1-1Aくらいの負荷電流を必要とする回路が多い。時間は短いものでは10ns,長いものでは数msの時間で電圧を変化させる。
電源,SW回路を問わず,意図的に最大電流が決まるような回路構成にしないと,トランジスタの定格を守りにくいと感じているアナログエンジニアである。
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