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バドミントン混合複 ワタガシが初頂点!自国の大舞台で快挙 来月世界選手権へ弾み

[ 2023年7月31日 04:33 ]

バドミントン ジャパン・オープン最終日 ( 2023年7月30日 東京・国立代々木競技場 )

混合ダブルスで初優勝し、観客の祝福に応える渡辺勇大(右)、東野有紗組
Photo By 共同

各種目の決勝が行われ、混合ダブルス東京五輪銅メダルで世界ランキング2位の渡辺勇大(26)、東野有紗(26)組(BIPROGY)は同3位のタイペアに2―1の逆転勝利を挙げ、同種目での日本勢初優勝を成し遂げた。男子ダブルス21年世界選手権優勝の保木卓朗(27)、小林優吾(28)組(トナミ運輸)は東京五輪金メダルの台湾ペアに0―2で敗れ、初優勝を逃した。

混合ダブルスの歴史を、またこじ開けた。東京五輪銅メダルの"ワタガシ"が、40回目の開催となった自国の大舞台で日本勢初制覇だ。相手の返球がネットにかかり、勝利が決まると、渡辺は両膝をついてガッツポーズ。東野はその場で大の字になった。66分にわたる技巧派同士のラリー戦を乗り越え、渡辺は「結構、興奮している。歴史をつくるぞという気持ちでコートに入った」と振り返った。

福島・富岡一中時代にペアを結成してから10年以上。決勝の舞台でも、円熟のコミュニケーションがさえた。相手の猛攻に押された第1ゲームを失った場面で決めた合言葉は「お互いの仕事をしよう」。第2ゲーム以降は前衛の東野がレシーブに専念し、後衛の渡辺が強打を打ちやすい流れをつくり、逆転につなげた。渡辺が「先輩に支えてもらってばっかり。前衛でめちゃくちゃ頑張ってもらって感謝しかない」と言えば、東野も「(学年が)1個下なのかなと思えるくらい頼れる存在」と相棒を称えた。

準決勝で世界ランク1位の中国ペアを撃破し、昨年と同カードとなった決勝でも21年世界選手権優勝の強敵にリベンジ成功。東野は「2ペアの方がまだまだ実力は上だが、日本の大会で勝ち取れたのは凄く大きな一歩」と収穫を口にする。来月に控える世界選手権(デンマーク)に向けて大きな弾みをつけた。

16枠の出場権を懸けた24年パリ五輪選考レースが5月から始まり、安全圏の3位につける。来年4月末までの選考レースは、パリで花咲く種まき期間でもある。東野は「パリに行きたいと思いすぎず、一試合一大会を大事にして、パリで良い結果を残せれば」と言う。あと1年。また一つ箔(はく)を付けたワタガシが、波に乗ってきた。

≪ホキコバはあと一歩≫保木、小林組は男子ダブルス日本勢初の頂点を逃した。長身の台湾ペアが積極的に圧力をかけ「予想以上に速くて対応しきれなかった」と保木。小林も「自分たちのプレーを出す前に相手がつぶそうと来た」と悔しさを口にした。世界上位には長身ペアがそろい、保木は「攻略できるように頑張りたい」と出直しを期す。来月の世界選手権に向け、小林は「五輪もこういう感じだとメンタル面のプレッシャーをかけたい」と切り替えた。

▽ジャパン・オープン 1982年から始まった日本で唯一開催される国際大会(2020、21年は中止)。個人戦の大会格付けでは(1)五輪&世界選手権(2)ワールドツアーファイナル(3)全英オープンなど「スーパー1000」に続く4番目の「スーパー750」の位置付け。賞金総額は85万ドル(約1億2000万円)。

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