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平田憲聖メジャー初V 記録ずくめの2勝目!ツアー施行後大会最年少22歳246日、大会9例目の完全制覇

[ 2023年7月31日 04:44 ]

男子ゴルフツアー日本プロ選手権最終日 ( 2023年7月30日 北海道 恵庭CC=7441ヤード、パー72 )

優勝を果たしキャディーと抱き合い喜ぶ平田憲聖(撮影・会津 智海)
Photo By スポニチ

平田憲聖(22=ELECOM)が5バーディー、4ボギーの71で回り、通算11アンダーで初日から首位を守りメジャーを初制覇した。5月のミズノ・オープンに続くツアー通算2勝目。22歳246日での優勝は73年のツアー制施行後で大会最年少で、今大会での完全Vは12年の谷口徹以来、9例目(8人目)の快挙となった。

ボールは15メートル先のカップに消えた。追う立場に後退して迎えた14番。左カラーからパターで沈め、クールな平田が右手を天に突き上げた。14番では初日にも20メートルのパットを沈めたばかり。ピン、ボール位置も酷似していたという。その瞬間「デジャビュやなぁ」と漏らした。打つ前からイメージは良かった。単独首位に再浮上する大きな一打だった。

屈指のオールラウンダーがグリーン上で魅せた。パットの極意は「(脳内で)線を引き出球とスピードを合わせること」だ。続く15番でも下りの4メートルを沈め、一気に後続を突き放した。13番ではボードを確認した。中島啓太、蝉川泰果ら同世代が迫っていた。「負けたくない」とスイッチが入った。ボギー先行の前半がうそのような猛攻のはじまりだった。

前週の全英オープンは予選落ち。クラブハウスでは悔しさから放心状態だった。母・勝美さんは「話しかけることもできなかった」と言う。家族が食事する横で箸を持つ手は止まった。体調も崩し翌22日は寝込んだ。それでも全英の経験を無駄にはしたくなかった。翌23日、平田は全英会場に足を運んだ。

どうしてもロリー・マキロイ(英国)が見たくて1番ホールだけ観客に紛れ込んだ。「僕と似たサイズなのになぜあれほど飛ばすのか知りたかった。大前提として振ってますね」。豪快なスイングを目に焼き付け、帰国した。先週から練習場ではイヤホンをつけ、好きなヒップホップを聴くようになった。それも全英で見た海外選手をまねたものだ。

25日に北海道入りする強行軍も、終わってみれば完全Vを達成。22歳246日での優勝も大会最年少と記録ずくめとなった。中島、蝉川と同じ00年度生まれの男子版ミレニアム世代。優勝では先を越されたが、プロ2勝目は譲れなかった。

賞金ランクも3位に浮上した平田の当面の課題は、全英でも痛感したショット力をさらに磨くこと。そして「ゴルフを見にきてくれるファンも増やしたい」と言った。男子ゴルフ界に新時代の到来を予感させた。

≪母・勝美さんと歓喜のハグ≫平田の母・勝美さん(55)、姉・璃乃(りの)さん(26)は優勝の瞬間を見届けようと、急きょ大阪から駆けつけた。優勝後、祝福のハグを交わした勝美さんは「私はいつでもOKですが、普段はハグなんてしてくれませんよ」と笑った。5月ミズノ・オープン優勝後、乾燥機のプレゼントを約束してもらったが、まだ届いていない。今回の優勝で「洗濯機もついてくるかも(笑い)」と冗談交じりに話していた。

≪谷口徹以来11年ぶり≫日本プロ選手権での完全優勝は12年の谷口徹以来11年ぶり。73年のツアー制施行後では9例目(8人目)で73年の青木功、74、96年の尾崎将司、83年の中嶋常幸、01年のD・ウィルソン、07年の伊沢利光、09年の池田勇太が達成している。また同じくツアー制施行以降で22歳246日での本大会優勝は最年少記録。21年のキム・ソンヒョン(22歳290日)を更新した。

◇平田 憲聖(ひらた・けんせい)2000年(平12)11月26日生まれ、大阪府吹田市出身の22歳。7歳でゴルフを始め、大院大高から大阪学院大へ。21年の日本学生優勝、大学3年在学時にプロに転向する。プロ1年目の昨季は賞金ランク58位でシード獲得。5月のミズノ・オープンでツアー初優勝。趣味は愛犬のミニチュアシュナウザー(名前はププとビビ)と遊ぶこと。1メートル70、70キロ。

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