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利根川裕さん死去 96歳 「トゥナイト」司会、東大卒作家 "深夜の顔"上品な語り口調で人気に

[ 2024年2月6日 05:30 ]

利根川裕さん(1994年撮影)
Photo By スポニチ

テレビ朝日の深夜の情報番組「トゥナイト」の司会で知られる作家の利根川裕(とねがわ・ゆたか)さんが1月29日午前3時33分、下肢閉塞性動脈硬化症のため東京都新宿区の病院で死去した。96歳。新潟県出身。葬儀は4日に家族で行った。喪主はTBSの元プロデューサーで長男の展(まこと)さん。

展さんによると、利根川さんはこれまで大病もなく、昨年11月まで自力歩行で生活していたが、昨年12月に「脚が痛い」と訴えて診察を受けると、脚の血の巡りが悪いことが分かり入院。段階を踏んで手術をすることになり、最初のカテーテル手術は成功した。だが次の手術は、高齢で血管を傷つける可能性もあるため取りやめた。投薬などの治療を続けてきたが、先月29日に息を引き取った。

東大卒業後、高校の教師を経て中央公論社に入社。女性雑誌「婦人公論」の副編集長などを務めた後、作家生活に入った。小説「糸魚川心中」と「B少年の弁明」はともに直木賞候補に選ばれた。

1980〜94年に「トゥナイト」の司会を担当。落ち着きのある上品な語り口調で番組を進行し、同局の"深夜の顔"として長く視聴者に親しまれた。

親子の会話もテレビの話題が多く、展さんは「凄く温厚な性格。同じ業界の人として対等に話をさせてもらった。テレビはこうあるべき、情報番組はどうあるべきか、そんな話をよくした」。大人のワイドショーの走りだったトゥナイトについては「"私はどんな話題でも同じ立場でコメントすることを心がけている"と言っていた。真面目なことからお色気モノまで、同じスタンスで見るようにしていたのだと思う」と語った。

文化系の趣味が多く、晩年も歌舞伎や演劇観賞、自宅のオーディオセットでクラシック音楽を楽しんだ。2年前からはピアノを習い、90歳を超えても好奇心旺盛だった。展さんは「人生を楽しんだと思います」と話した。


利根川 裕(とねがわ・ゆたか)1927年(昭2)3月28日生まれ、新潟県出身。東大文学部哲学科を卒業後、都立上野高校の教員となった。作家として「それぞれの方舟」「宴」「十一世市川團十郎」などを発表。87年スタートのテレビ朝日「朝まで生テレビ!」の第1回討論では司会を務めた。NHK教育「芸能花舞台」にも出演。

≪クドカンドラマでも登場 TBS「不適切にもほどがある!≫ 「トゥナイト」は時代を象徴する番組として、放送中のTBSドラマ「不適切にもほどがある!」の第1話にも登場した。阿部サダヲ(53)演じる昭和の体育教師が令和にタイムスリップする物語で、その体育教師が「昭和に帰って"トゥナイト"見た〜い」と切望するせりふがあった。

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