野地秩嘉

ノンフィクション作家

のじ・つねよし/1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務、美術展のプロデューサーなどを経てノンフィクション作家に。『TOKYO オリンピック物語』(小学館文庫)でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。『キャンティ物語』(幻冬舎文庫)、『サービスの達人たち』『トヨタ物語』(新潮文庫)、『高倉健インタヴューズ』(小学館文庫)、『スバル ヒコーキ野郎が作ったクルマ』『日本人とインド人』(プレジデント社)、『京味物語』(光文社)、『警察庁長官 知られざる警察トップの仕事と素顔』(朝日新聞出版)など多数の著書がある。

伊藤忠・岡藤会長が語る、就活生や社員に求める「最も大切な資質」とは

2023年2月10日

伊藤忠・岡藤会長が語る、就活生や社員に求める「最も大切な資質」とは

大学生の就職人気ナンバーワンの伊藤忠商事だが、岡藤正広会長が就活生や社員たちに最も求める「伊藤忠パーソン」としての資質はどういうものなのか。昨年12月に『伊藤忠 財閥系を超えた最強商人』を上梓した野地秩嘉氏が、岡藤会長に話を聞いた。

伊藤忠商事・岡藤会長が「景気拡大はそろそろ終わる」と言い切る理由

2023年2月7日

伊藤忠商事・岡藤会長が「景気拡大はそろそろ終わる」と言い切る理由

総合商社各社は2月3日、今年度第3四半期の業績とともに、今年度の連結業績見込みを発表した。資源価格の高騰や円安などの影響もあり、連結純利益で三菱商事が1兆1500億円、三井物産が1兆800億円と、総合商社で初の1兆円台を見込む。さらに伊藤忠商...

伊藤忠が「がんで亡くなった社員の家族」を守る制度を導入できた理由

2022年12月8日

伊藤忠が「がんで亡くなった社員の家族」を守る制度を導入できた理由

2022年初めにマスコミ各社が出した「今年の展望」をあらためて見直すと、各メディアともに「新型コロナの感染がいつ収まるか」だけが論じる対象だった。2月下旬にロシアがウクライナに侵攻して、戦争になるとは日本ではどのメディアも予想はしてい...

伊藤忠が中国CITICへの6000億円投資で弾いた「攻めと守り」のそろばん勘定

2022年12月1日

伊藤忠が中国CITICへの6000億円投資で弾いた「攻めと守り」のそろばん勘定

岡藤正広の「防ぐ」経営思想がもっとも表れているのは、2014年から15年にかけて行った、タイと中国への巨額の投資だ。彼は当時、こんな説明をしている。「狙うべき地域は、人口が増え、マーケットが広がる中国を中心とするアジアです。そのためには...

伊藤忠・岡藤会長が気づいた自社の弱点、「防ぐ経営」の誕生秘話

2022年11月24日

伊藤忠・岡藤会長が気づいた自社の弱点、「防ぐ経営」の誕生秘話

伊藤忠は2021年3月期の決算で時価総額、株価、連結純利益で総合商社のナンバーワンになった。だが、1年後にはロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、資源価格が高騰。22年3月期の連結純利益トップは三菱商事、2位は三井物産となり、伊藤忠は3位とな...

伊藤忠の前会長が投資案件の判断で「人間観察」を重視した理由

2022年11月17日

伊藤忠の前会長が投資案件の判断で「人間観察」を重視した理由

総合商社の歴史と変化を簡単に振り返ると、政府の御用から始まった三菱商事、三井物産は国有財産の払い下げを受け、資源、エネルギーを主に扱う商社となっていった。三菱商事、三井物産であれば、鉄鉱石を輸入してきたら日本製鉄など製鉄会社が引き...

ファミマに通い詰めて感じた、データだけでは分からない顧客ニーズの正体

2022年11月10日

ファミマに通い詰めて感じた、データだけでは分からない顧客ニーズの正体

日本型のコンビニは、天才経営者鈴木敏文(セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問)が作り出したものだ。おにぎりや弁当、総菜に注力したこと、宅配便の受付、公共料金の支払いサービスを始めたこと、そして銀行の設立。日本全国に約6万店ものコ...

伊藤忠・岡藤会長が「商品名が付かない社内カンパニー」を初めて設立した理由

2022年11月3日

伊藤忠・岡藤会長が「商品名が付かない社内カンパニー」を初めて設立した理由

東京・青山にある伊藤忠本社の8階には消費関連の部署が集まっている。2019年7月、そのフロアの一角に、未来の日本のためのカンパニー「第8カンパニー」が発足した。同社がカンパニー制へ移行した1997年以降、初めて設立された新しいセクションであ...

伊藤忠で「世界中のゴミ捨て場」を回った社員が今ドバイに魅かれる理由

2022年10月27日

伊藤忠で「世界中のゴミ捨て場」を回った社員が今ドバイに魅かれる理由

伊藤忠が脱炭素社会に向け力を注いでいるセルロースファイバー、大豆ミートは、いずれも非資源分野のビジネスで、温室効果ガスの排出抑制につながる。セルロースファイバーは主に廃棄される木材を使う。大豆ミートは家畜の飼育に比べれば水の量を削...

伊藤忠が「代替肉ビジネス」に注力する理由、激変する米フードテック事情とは

2022年10月20日

伊藤忠が「代替肉ビジネス」に注力する理由、激変する米フードテック事情とは

伊藤忠の食糧部門に所属する山田恵公はグループの食品素材メーカー、不二製油に出向し、PBFS(Plant-Based Food Solutions)事業部で働いている。担当しているのは大豆ミートなどのプラントベース(植物由来)フードの開発だ。不二製油には四つの事...

伊藤忠・岡藤会長に「脱炭素経営」を決断させた、欧州高級ホテルでの体験

2022年10月13日

伊藤忠・岡藤会長に「脱炭素経営」を決断させた、欧州高級ホテルでの体験

岡藤正広が「浸透するまで繰り返す」としているのがマーケットインの考え方だ。プロダクトアウトとは正反対の考え方で、消費者が欲しいものを見つけてきて、提供することをいう。岡藤がマーケットインのシグニチャーとして挙げているのが「肌感覚の...

伊藤忠・岡藤会長が「攻撃」にもまして「防御」を重視する理由とは

2022年10月6日

伊藤忠・岡藤会長が「攻撃」にもまして「防御」を重視する理由とは

伊藤忠が掲げる商いの3原則である「か(稼ぐ)・け(削る)・ふ(防ぐ)」で、削るよりも仕事が多岐にわたるのが「防ぐ」ことだ。伊藤忠には約270の関連会社があるが、岡藤正広とCFOの鉢村剛はそれらの会社と各社長の名前をすべてそらんじていて、...

伊藤忠・岡藤会長が考案「か・け・ふ」の3原則、その神髄と実践例とは

2022年9月29日

伊藤忠・岡藤会長が考案「か・け・ふ」の3原則、その神髄と実践例とは

伊藤忠が目指す商人道を表す独特の標語が「か・け・ふ」だ。これもまた岡藤正広が考えた。同社の副社長でCFOの鉢村剛は初めて耳にした時、「か・け・ふ? それ、昔、阪神にいた掛布選手のことなのか」と妙な気がした。

伊藤忠・岡藤会長が「会議の激減」を決意した、社長就任時の危機的状況

2022年9月22日

伊藤忠・岡藤会長が「会議の激減」を決意した、社長就任時の危機的状況

2010年4月、岡藤正広は伊藤忠の戦後8代目の社長に就いた。その時の気持ちを後にこう思い出している。「4月某日、私は重い足取りで大阪から上京しました。それに先立つ2月11日、当時の小林社長から次期社長への就任を告げられていました。冷たい雨が...

伊藤忠が「ITベンチャー投資の打率」で、"イチロー超え"ができた理由

2022年9月15日

伊藤忠が「ITベンチャー投資の打率」で、"イチロー超え"ができた理由

小林栄三が力を注いだのはシステムインテグレーターとしてのCTCを確立したことだが、同時にITベンチャーへの投資もまた彼の守備範囲だった。なんといっても、IT、インターネットとそのビジネスについて理解していた幹部は彼ひとりだったからである...

伊藤忠が米IT大手と独占契約を結ばなかった理由、「競合が増えてもいい」の真意は

2022年9月8日

伊藤忠が米IT大手と独占契約を結ばなかった理由、「競合が増えてもいい」の真意は

92年に伊藤忠に入社して以来、IT、情報産業の最前線で走り回ってきたのが堀内真人だ。入社してから2年間はまだファックスとテレックスで仕事をしていたのが、94年に社内メールが始まり、95年には全面的に切り替わったことを覚えている。

伊藤忠がIT事業に超速で着手できた理由、NTT幹部もインターネットを理解不能な時代に

2022年9月1日

伊藤忠がIT事業に超速で着手できた理由、NTT幹部もインターネットを理解不能な時代に

1995年の11月、ウインドウズ95が発売された。その年、パソコンの国内出荷台数は初めて500万台を超えた。その後、2000年には1000万台を突破し、2010年以降は毎年、1500万台に届き、コロナ禍で在宅勤務が増えた2020年の出荷台数は1591万台。過去最高...

伊藤忠が「ファミマの物流」を激変、配送車を7割減らした方法とは

2022年8月18日

伊藤忠が「ファミマの物流」を激変、配送車を7割減らした方法とは

ファミリーマートに出資してから、伊藤忠が変えたのは各店舗への配送システムだった。ファミリーマートのある社員は、伊藤忠にいた頃からコンビニビジネスにかかわっている。彼は店舗への配送車を減らすことに心を砕いた。

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