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2019年10月23日 (水)
第2回SSN-WG3交流会「高精度時刻の社会実装の意義と課題」(10月9日)開催報告
2019年10月9日(水)14:00〜18:15にマイクロマシンセンター会議室にて第2回SSN-WG3交流会「高精度時刻の社会実装の意義と課題」及び意見交換会を開催致しました。
スマートセンシング&ネットワーク研究会ワーキンググループ3(SSN-WG3)では原子時計の研究開発に関する活動を行っており、2015年〜2018年にNEDO道路インフラモニタリングプロジェクトの中で高精度(10ms@30カ月)と低消費電力(60mW)を両立した小型原子時計(ULPAC : Ultra-Low Power Atomic Clock)の開発を行いましたが、さらなる原子時計の高度化に向けたプロジェクト立案活動を行っており、その一環として、小型原子時計が社会実装された時に、どのような社会変革が起きるかを議論する場として本交流会「高精度時刻の社会実装の意義と課題」を開催しております。
第2回の今回は、放送局や海底で高精度時刻がどのように活用されているかに関して、セイコーソリューションズ株式会社の橋本直也様と国立大学法人東京大学地震研究所海半球観測研究センターの塩原肇教授からご講演を頂くとともに、国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標準総合センター物理計測標準研究部門高周波標準研究グループの柳町真也主任研究員を座長として「小型原子時計が革新する高度情報化社会と、そこで求められるスペック」に関した討論会を行いました。この分野に関心のあるメーカ、ユーザ、商社、研究機関を含め42名の参加者があり、活発な議論がなされ、大盛況でした(写真1:会場の様子)。
[画像:20191009_fig1]
写真1 会場の様子
先ず初めに、主催者の一般財団法人マイクロマシンセンターの長谷川専務理事より、開会の挨拶(写真2:長谷川専務挨拶)がありました。
[画像:20191009_fig2]
写真2 長谷川専務理事挨拶
その後セイコーソリューションズの橋本氏から「次世代放送局を支える高精度時刻同期技術PTP(Precision Time Protocol)と超小型原子時計CSACを内蔵した製品が必要とされる背景」と題する講演(写真3:橋本氏講演の様子)が行われました。橋本氏の講演では、現在、放送局ではSDI(Serial Digital Interface)システムからIP(Internet Protocol) システムへの大きなパラダイムシフトが起きており、 IP化することでケーブル本数や機器数を大幅に削減できるばかりでなく、リモート制作や機器の共有化等のこれまでにない新機能の実現が期待できるようになっているとのことでした。このIP化ではPTPによる高精度に時刻同期する仕組みが必要であり。そのためには小型の原子時計(CSAC : Chip Scale Atomic Clock)が必要であるが、現状は高価で品質にも課題のある海外製しかなく、国産の安価で高品質のCSACが待望されているとのことでした。
[画像:20191009_fig3]
写真3 橋本氏講演の様子
続いて、東大地震研の塩原教授から「海底観測での小型原子時計の活用」と題する講演(写真4:塩原教授講演の様子)が行われました。海底地震観測の概要からこれまで東大地震研で実施されてきたオフライン海底地震観測例とその時に使用した内部時計、高精度周波数源の海底観測での活用、CSACの海底観測での国内外の導入例とULPACに期待するポイントのご紹介がありました。海底地震観測のULPACへの期待としては低コスト化と低消費電力化が最も大きいとのことでした。
[画像:20191009_fig4]
写真4 塩原教授講演の様子
最後に産総研の柳町先生から「小型原子時計が革新する高度情報化社会と、そこで求められるスペック」に関する概要紹介の後、どのようなスペックが高度情報化社会において原子時計に求められるかの討論が行われました(写真5 柳町先生の討論会の様子)。会場から活発な発言があり、大いに盛り上がりました。精度的にはNEDOの道路インフラモニタリングプロジェクトで開発したもので十分であるが、現状海外製品で問題となっている品質等についての要望が多く出されました。
講演会、討論会の後、ご講演頂いた講師の方々を囲んで、有志で意見交換会が行われ、国産原子時計開発に向け、活発な意見交換がなされ、大いに盛り上がりました。
次回の交流会は2020年の1月頃に開催を予定しています。
[画像:20191009_fig5]
写真5 柳町先生の討論会の様子
(一般財団法人マイクロマシンセンター 武田宗久)
2019年10月23日 (水) Pj 原子時計ULPAC | 固定リンク
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