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2013年5月19日 (日)
Guardian Angels(欧州自己発電搭載ワイヤレスセンサコンソーシアム)訪問報告
自己発電素子を搭載したワイヤレスセンサの欧州産学官連携コンソーシアムであるGuardian Angels(GA)の本部を4月10日に訪問して情報交換を行ってきましたので、その内容について報告いたします。
このコンソーシアムには欧州の主な企業、大学、研究機関が参加しており、全体のリーダはスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のAdrian Ionescu教授が務めておられたので、同教授の研究室を訪問しました。
[画像:2718]
EPFLキャンパス
Adrian Ionescu教授
GAの目指すところは、マイクロテクノロジーを活用したワイヤレスセンサの端末からシステムまで総合的に開発することです。基本的な特徴として、技術面では低消費電力回路と自己発電素子を搭載したZero-Powerシステムの開発、応用面では世界的にニーズが高まっている予防を目的とした健康モニタリング、安全・安心社会を目指した環境、災害モニタリングへ活用することがあげられます。
本コンソーシアムは公的プロジェクトを受託して、そのプロジェクトの元で活動することを狙いに設立されました。
狙いのプロジェクトは、FP7(全欧州技術開発サポートプログラム)の中の一つの事業であるEuropean Future & Emerging Technologies Flagship Initiatives(FET)です。
FETの概要を説明しますと、未来に向けた革新的技術開発事業で、開発期間は10年、予算は10年トータルで1 Billionユーロ(約1200億円)というビッグプロジェクトで2013年度開始予定です。
これに6つのプロジェクトが応募しました。
1Human Brain:神経回路、脳疾患、ニューロコンピュータ
2Graphen:グラフェン応用デバイス
3Guardian Angels:自己発電搭載ワイヤレスセンサネットワーク
4FuturICT:次世代情報通信技術
5ITFoM:医療向けIT技術
6Robocom:ヒューマノイドロボット
最近審査結果が公表され、1、2が採択されることに決定しました。
GAは受託を目指していましたが不採択という結果に終わりました。今後の予定は、引き続いて小規模なプロジェクト或いは欧州各国内で狙いが合致するプロジェクトの受託を目指すとのことでした。
GAの概要を以下に説明します。
自己発電ワイヤレスセンサの狙いの応用分野は予防のためのヘルスケア、個人対応医療、自動車自動運転、災害検出、公害管理、食品管理です。
センサ端末の特徴は、小型低価格、エネルギー供給不要、フレキシブルを共通プラットホーム技術として、健康モニタ、環境モニタ、運転モニタ、自律ロボット用センサ、電子皮膚等の開発を目指します。
技術開発のロードマップが示され、各々の技術開発分野で現行の改良から未来的な革新技術開発まで幅広く網羅し、10年間で継続的アウトプットが出るように組まれています。
例えば低消費電力回路用にはFinFET、Nanowaire-FET、スピンエレクトロニクス応用と開発期間が3年〜10年までの要素技術開発が計画化されています。
センサ素子開発では小型、高感度、低消費電力化を共通目標とし、検出ターゲットとして実用的な加速度、ジャイロセンサからグルコースセンサ、各種ガスセンサが計画化されています。
自己発電素子は、光、熱、振動のエネルギーハーベスタで出力を現行の数十μwより3桁大きいmWオーダの自己発電素子を目指しています。
アプリケーションとしては、健康モニタが重点分野と感じられました。高齢者社会に向けた予防のための早期発見システムの開発を前半に、後半にはストレスセンサなどハードルの高いセンサシステムの開発が計画化されています。
全体の開発体制は、センサ端末だけではなく、システム開発を担当する企業も最初から参画します。参加企業としてデバイス開発にはSTMicroelectronics、Intel、Texas Instrumentsなど、システム開発にはSIEMENS、PHILIPS、NISSAN等の企業が参加しています。
以上の開発計画はFETの受託を目指して企画されたものですが、不採用となったため、計画は見直される予定です。
GAの詳細内容はウェブで紹介されています。
http://www.ga-project.eu/
プレゼン資料等ご希望のMMC会員企業の方はMMCまで問い合わせお願いします。
阪井 淳
2013年5月19日 (日) 国際交流, 産業・技術動向 | 固定リンク
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