ちょっと真面目な話を...。
「日本がいま大変なときに海外ボランティアなんぞに金を使ってる場合ではない」...などというクレームが、我が派遣元の団体に寄せられているそうです。
んで、それを受けて「当面は個人ブログなどの内容も応援メッセージ等にとどめるように配慮を」みたいなお願いが来ました。
まあわからないではないんですが...。
あのですね、ちょっとその関連でなんですが、16年前に神戸で地震があったとき、大学生だった私は大阪でひとり暮らしをしていました。
震源地から遠く離れた場所ではありましたが、やはり西の方から近づいてくる地鳴りで目を覚まし、それまで経験したこともないような揺れに見舞われました。住む家を失った友人もいたりして、以来、地震のニュースというのは国内外を問わず他人事とは思えなくなりました。
あの頃、地震が起きて数日後にとあるテレビ局がバラエティ番組を放送したところ、全国から苦情の電話があったそうです。しかし、その苦情のほとんどは被災地以外からだったらしく、むしろ被災地では「久しぶりに笑った、明るくなれた」等の言葉のほうが圧倒的に多かったと言われています。
自粛したり配慮することは確かに大切なことですが、こういうときにいちばん怖いのは、全ての情報が自粛の波に飲まれてしまうことです。中にはそれが同情や哀れみだととられてしまうこともあるからです。
明るい話題がほしい人は明るい話題を選べばいいし、励ましがほしい人は応援メッセージを選べばいいし、暗い気分を払いのけたい人は能天気になれるような、各々にとってのエンターテインメントを選べばいいし、要は人それぞれの価値観や境遇が異なる以上、ほしい情報も違ってくるわけで、それ以外は全て悪だと決めつけてはいけないんですよねー。
えと、話が長くなってしまいましたが、私のようにとある政府系団体から派遣されている仲間たちは基本的にブログを立ち上げるのにも申請をし、承認を得ることになっていて、内容にも言葉のひとつひとつにも気をつけなければならないようなときがあります。
が、私はその申請をしていません。
ので、その派遣元団体名も派遣プロジェクト名も、私個人が日本語教師であること以外の身分についてもこのブログ上には書かないようにしています。
だから好きなことが書けるというわけではもちろんありません。
しかし、日本でも多少はニュースになっていると思いますが、私が今住んでいるシリアはエジプトやリビアほどではないにしても、それと同様の変革の波に押し寄せられているところでまさに今、混乱の最中にあります。
だから、私は自分が今住んでいる場所で何が起こっていて、自分は何事もなく平穏無事に生活しているということを日本や世界中の仲間に知らせなければなりませんし、同時に、暗く沈んでいるときに「どこの誰だか知んないけどバカなことしてるヤツがいるな、ふふん」ぐらいの見方をされるのもいいんじゃねぇかとも思っています。
というわけで、これといった自粛はせずに普段どおりのペースでなんでもない話を書き続けようと思っています。というか、これが私なりの配慮だと思っていただけるとありがたいです。
それでもし不謹慎だと思うような内容があったときには、派遣元の団体につまんないクレームを送ることなくそれを私個人に送ってください(非公認だし)。このブログ画面の右側のどこかに私個人のメールアドレスらしき文字列も並んでいますし、記事コメントを非公開にすることもできますので。
まあそんな感じです。
ホントは今日、もっとフツーの記事を更新する予定だったんですが、とりあえず「自粛せよ」のお知らせが舞い込んでしまったので今回はそれについて。
で、明日は気分を変えてもっとどーでもいい話を書きます、というようなことを宣言したところで固いお話はこれくらいにしておきます。
テーマ:シリア - ジャンル:海外情報