シルクロードのバネ工場

ウズベキスタン、フィリピン、ベトナム、モンゴル、そしてシリアに渡った日本語教師のブログです

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山へ行くには肉を持って

モンゴルはすでに冬、寒い日は雪も降るような気候になりました。まだまだ秋かと思っていましたが、なんか2週間ぐらいで秋が終わってしまったような感じです。
そんな短い秋に何をしていたかというと、2週連続で山へ行く機会があり、3つぐらい前の記事で1年生のピクニックについて書きましたが、その翌週、今度は外国語学部の先生だけで山へ行ってきました。

学部室では2週間ぐらい前から綿密な打ち合わせが行われていたんですが、もちろんモンゴル語がまだまだ理解できない私は「とりあえず来ればいい」というVIP待遇。そんなわけで当日の朝は私だけ手ぶらで集合。そのままマイクロバスに乗り込んで山へ行きます。

1年生のピクニックでは様々なレクリエーションが用意されていたんですが、今回は大人の会合ということで、山に着くなり小粋なビニールシートの上には「食い物と酒」が広げられ、早くも宴の準備が整えられます。

しかし、私がいちばん気になったのはこれ。

←肉。
子ヒツジ一頭分は軽くあるのではないかと思われる肉の量です。
ちなみに肉の管理は男の仕事。男性講師陣が肉をさばきはじめます。すると、ある一人の先生が私に「石を拾ってきてください」と指令を出し、私も含めた男性陣3人で山の中に入り、げんこつ大の石を大量に拾ってくることになりました。

で、石を拾って基地に戻ると、そこに見慣れないデバイスが登場。

どうやら肉の調理に使うこのデバイス、モンゴルで山へ行く際には欠かせない「キャンプ用圧力釜」らしいんですが、このデバイスと大量に拾ってきた石、一体どういうふうに使うのかというと...

まず、拾ってきた石をたき火の中に投げ入れたあと、この容器に水を入れ、火にかけてお湯を沸かします。


お湯が沸いたら肉をぶっ込み、さらに火の中でアツアツに熱した石たちもゴロゴロとぶち込みます。


さらにその中に皮を剥いただけのニンジン、タマネギ、ジャガイモもゴロゴロと入れ、唯一の調味料である塩をひとつかみ、豪快に投げ入れます。

で、蓋をして再び火にかけ、待つこと1時間。


豪快「石焼き肉」の完成。
ちなみに野菜は完全に煮くずれ、跡形もありません。

で、みんなでこの大量の肉にかぶりつきます。
老いも若きも男も女も、骨までしゃぶり尽くさんという勢いで肉を食いまくります。
しかし、食べても食べても肉は減る気配がありません。
それでもモンゴル人たちは肉だけを食べ続けるのです。
子どものころから海の幸と山の幸に恵まれていた日本人とは胃袋の構造が違うようです。
やがて、肉を食っていい気分になったモンゴルの大人たち、ウォッカと馬乳酒のまわし飲みもはじめました。

肉→馬乳酒→肉→ウォッカ→肉......と、このローテーションが終わりなく続く、これぞまさに文字通りの「酒池肉林」

5リットルのタンクいっぱいの馬乳酒、ウォッカ1ケースを飲み尽くし、肉を平らげ、最後はみんなでたき火を囲んで歌を歌い始めます。
いろいろと楽しい一日でした。

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