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半導体は高温になると信頼性を損ねる場合がある。特に電源回路などでは熱設計の不備や過負荷によりトランジスタが高温になると出力を絞り込む方向が安全サイドであることが多い。
過電流防止回路=電流リミッタは普段よく使う手法であるが、温度を検出して主トランジスタを止めるサーマルシャットダウンもICでは採用され、比較的少ない素子で構成できる。
ICでは、と断ったのは、個別部品を使うとトランジスタ間の温度差が問題になるとともに温度検出素子に何を使うかが課題になるからである。
主トランジスタの制御端子(ベース)電流をサーマルシャットダウン回路のトランジスタで温度に依存して絞り込むことで、この機能は実現できる。
あまり温度に依存しなく、かつ室温のベース・エミッタ間電圧VBEより低い電圧をサーマルシャットダウン制御トランジスタのベースに印加しておくと、狙った温度で動作させることができる。動作時のコレクタ電流の変動が少なければ、見掛け上の温度係数-mV/°Cは1%くらいまで作りこめるので、IC回路では定電圧源1(他の回路と共用)、抵抗2、トランジスタ1個でサーマルシャットダウン回路を組むことができる。
標準的な3端子レギュレータでは、この方式で行っているICがある。等価回路図をよく読めば、その回路構成を理解できるだろう。
個別部品では、種々の感温素子が使われるが、どうしても外付部品を使わざるを得ないので、感温素子と接合が同一温度にならないので、シャットダウン温度に余裕を持たせる必要が生じる。
また、別の問題として、サーマルシャットダウンを行うことは、高温でそのシステムは機能喪失となるから、その波及効果を装置として明らかにして対策しておく必要がある。単に止めれば終わりとなる技術課題ではない。
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