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プッシュプルDC-DCコンバータやブリッジ形SW回路では主スイッチ素子の同時オンは許されない。大電流が流れ素子破壊がスイッチング時間と同程度の短時間で生じるからである。
例えば、プッシュプルコンバータでは1次側の2つの主スイッチ素子が同時オンすると、漏れインダクタンスと電圧で決まる電流上昇率で急速に2つのスイッチ素子の電流が増える。
通常このモード:クロスカレントコンダクションを避ける手段として、2相のタイミングパルスの重なりを避け、OFF-OFFの時間帯を意図的に挿入し、起動時やシャットダウンの過渡時にもOFF-OFF時間を確保するように作り込む。
パルス幅変調PWMを掛けているスイッチング回路だと、定常状態ではONデューティは絞られているのでタイミング余裕を観察することはできない。
同時ONを許さないことは、OFF-OFF期間の挙動を良く把握しておく必要がある。SW回路の多くはインダクタンス負荷なので、OFF-OFF期間にはSW素子に並列する逆接続の高速ダイオードでインダクタンス電流を循環または回生する例が多い。
駆動条件などの関係でバイポーラトランジスタやパワーFETではターンオフ時間が伸びやすい。この時間を含めて、詳細にタイミング設計を行うのだ。これができない方は、プッシュプル回路は不安定で実用にならないと言うらしい。
しかし、自励式磁気マルチバイブレータでは、SWの過渡状態が重なる。これは、2つのスイッチ素子の電流の変化が他方に正帰還されて自動的に安全な条件で遷移が行われる。
一般にはプッシュプルコンバータでは同時オンは許されないが、ONからOFF、OFFからONへの遷移が自律的に行われる例もあるのだ。
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