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書物に時々見かける動かない回路、アナログエンジニアは嫌いである。
例えば、パルストランスを使った絶縁型フォワードコンバータでトランスのリセット用の素子あるいは回生巻き線とダイオードの記載されていない回路を複数見かけることがある。
私なら、パルストランスを見れば、真っ先に無負荷状態でトランスの励磁が定常的に行われるかどうかチェックする。リセット回路は種々あるが、無しで動く回路形式と動かない形式がある。
動く方の回路は、フライバック形式の絶縁形DC-DCコンバータが代表的なものであろう。フライバック形はON期間に1次コイルに磁気エネルギーを蓄積し、OFF期間にのみ2次コイルからそのエネルギーを出力に伝達する。2次コイルが回生巻き線と同じように、トランスの磁気状態をリセットしている。
多少回路が複雑になっても、本質的に動作に必要な部品は省いた略図/原理図を記載すべきではないだろう。
他の例としては、npn差動増幅器にエミッタフォロワを付加しただけで、OPアンプ動作(反転増幅器)している図もある。こちらの回路は、DC的にうまく帰還がかからない筈である。
2個の1次コイルを交互にON-OFFするプッシュプルコンバータ(フォワード回路)では、SWに並列ダイオードが必須であり、SWが寄生ダイオードがあるFETであっても、このダイオードは明示すべきだろう。別の文献だが、この回路は動作が不安定であるとの記述も見たことがある。しかし、実際には、SWの同時ONさえ確実に回避すれば、安定に動作する。
原理図といえども、その動作に必要な要素はきちんと記載すべきだろう。必要な素子が省略された回路図は正確な理解の障害となる。
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