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デジタルオシロスコープはアナログ屋にとって多くの場合、表現力に劣る。分解能が足らないのだ。A/D変換部の高速化のため、フラッシュA/Dを使うケースがほとんどで1/256の分解能である。フルスケールの1/2で使ったとすると、波高値の1%しか見えない。高速サンプリングのため、アナログアンプ部は帯域を広くするので、ノイズレベルは高い。この結果、0入力でも±1LSB位常時ふらついている。これでは、本当に問題となるノイズの存在が分からない。
しかもパルス信号が入ると、パルス波高値が周期的に変化することもある。
そこで、アナログエンジニアの常用品は、いまだに、帯域のそう広くないアナログオシロスコープである。
これなら、S/Nが安ものでも良好で、ベースラインシフト機能を使えば1/1000までの波形の細部を見ることができる。現在はデジカメがあるので、写真にとれば記録は簡単だ。
アナログオシロの弱点は、トリガ時刻以前の現象をとらえにくいことである。また、遅い周期(1Hz以下)では観測にコツがいる。デジタルなら、時間軸方向にはさまざまな操作ができるので散発現象の観測には有利である。
電気は目に見えない。従って、計器を介して電気現象を可視化する。
オシロスコープの場合、方形波が方形波として観測できるようにプローブのトリマを調整する。また、たいてい、1kHz、1Vp-pの基準信号が出力されているので、X、Y軸のスケールチェックと過渡応答特性の確認もできる。これを怠れば、大事な場面でミス測定を一生のうちに何回かはすることだろう。共用のものならなおさらである。
計器というものは、自分で計器の状態をチェックしながら自分が責任をもって測定するものだと私は思っている。
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