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抵抗の絶対値の安定性を期待する回路では、抵抗値の温度係数も重要な要素である。
たとえば0.1%抵抗で環境温度幅100°Cなら、10ppm/°Cの抵抗温度係数で、常温での抵抗値誤差と同程度の温度変化が生じる。
問題は温度係数のみならず、抵抗値の経年変化も関心のある項目である。抵抗値の絶対値の安定性を期待する回路では、時間が経過後もある程度の絶対値を確保したいからだ。
アナログエンジニアは抵抗値の経時変化を数年にわたって測定したことがある。メーカーによる差も結構大きい。抵抗製作範囲の上限や下限付近のものもそれなりの問題があることが多い。
枯れるという言葉があるように、良質な抵抗は、感覚的には時間の対数に比例して抵抗変化率が小さくなっていくように思われる。
回路的には抵抗比で回路性能が決まるように工夫することもある。絶対値のばらつきも偏りがあり、温度係数も同一ロット品なら揃っているからである。
これを徹底すれば、複合抵抗を注文し、製作することになる。この手法はICの世界では常とう手段である。
個別部品の組み合わせ回路でも、ペア抵抗の使用で1桁近く改善される場合もある。
抵抗の1ppm以下の世界は私は知らない。身近に工夫しても1ppmを安定に測る手段がなかったからである。しかし、それでも相対値の安定性を期待して回路を構成することもあるのだ。
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