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我家のDKは細長い7畳の部屋。
レンジフードは長さが1.3mのステンレス製。磁石がつかないので,家庭のレンジのステンレス鋼とは材質が異なる。
30年手を入れなかった場所の汚れが強力洗剤で綺麗に取れた。変色もない。多分,SUS304(新しい名称は忘れた)だろう。
レストランや料理店の厨房と同じ様に換気扇に向かって上るようにフードが付いている形状である。互換性を考慮して当時の家庭用の標準寸法に合わせてあるが,コンロ台とダクトの壁,水周りの接続部の構造はプロ用と同じである。工務店が依頼した先が業務用も手がけていたらしい。
この様な台所は使用頻度が高く,使う都度簡単な水拭きを行う前提のようだ。自分が後片付けをしてみて良くわかった。特に熱したフライパンに食材を入れると,1mくらい上まで油の飛沫が飛ぶのである。これを吸い込むには,レンジの奥行きより広くすっぽりとレンジフードが覆っていないと,うまく排気されないのである。
レンジフードの下で煙草を吸うが,その煙の移動を見ていると台所の風の流れがかなり判る。簡易的な気体の流れの可視化である。レンジフードの端から1m程度離れると一度フードから煙が遠ざかり,そして換気扇に向かって吸い込まれていく場所がある。
アナログエンジニアはスモーカなので,煙を見ている機会が多いので気体の流れに対する感覚が多少あるのかも知れない。
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_2562 ←大正時代の蓄音機。画面をクリックすると大きくなります。
家内の実家に埋もれたいたもの。義母の祖父が使ったものらしい。アナログエンジニアが譲り受けて,可動部の調整と潤滑をしたら時を越えて動き出した。
ラッパが付属していて,状態がよければかなりの骨董価値があるらしい。これは,ラッパがついていないので,価値は数分の1くらいとのこと。
右下のハンドルを回し力を蓄えておくと,片面分聞くことが出来る。
当然,全機械式である。針の動きを直接振動板に伝える構造だが,結構大きな音がでる。TVの10よりも大きな音量がでる。時を越えて甦った蓄音機。最新式のオーディオとは異なる風情がある。
当時の文部省推薦(ビクター・家庭音楽名盤集,12枚組)のアルバムもある。一番困ったのは針である。錆びた物が数本針入れに残っていたので,薬品で錆を落として手研磨してみた。竹針を使う手段もあるらしい。
音盤の洗浄と針の研磨の仕方を変えてもっとノイズの少ない音出しにいつか再挑戦してみたいものだ。
時を越えて甦った,甦らせた蓄音機。その形は今も美しい。
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_1660 ←庭の東側に牡丹の花が一気に咲いた。
2ヶ月ほど前,不摂生が祟り出張先でかなりの方向感覚低下に見舞われた。自力で帰る自信が無くて,講演のサポート役の方に近くの宿を取ってもらった。そして,翌朝,我家のさちに迎えに来てもらう状態だった。幸い講演は無事こなしていたらしい。反省する事しきり・・・・。医者にも強く釘を刺された。
そこで,体力回復を兼ねてこの2ヶ月間ほど家事・買い物そして抜本的整理・清掃をやってみた。目的のない散歩が出来る人間ではないので,主夫業を積極的にやろうと考えた。
アナログエンジニアがやって見て得た収穫は,
1)飯が美味しくなる。
2)眠りが深くなり変な夢をみない。
3)家が次第に片付いてきた。
4)体重が月1kgの割で,理想的な方向に減少中。(目標は64kg,サスペンダー無しでもズボンがはける様になった)
5)部屋が広く感じられるようになった。有効な空間と生きている物が増えたためと考えている。
などなど良いことばかり。
運動も目的にしているので,1回3時間以上マルチタスクで種々の作業をやっている。
案外,段取り・計画性が必要なので頭も使うのだ。家内との会話の時間も増えた。
整理が進んでくると,落ち着いたゆったりとした部屋がいくつかいくつか出現した。とても嬉しい。仕事でも家庭でも,怠惰な生活スタイルは悪循環を引き起こす。
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Photo ←アケビの花。東側の和室の格子窓に絡まって咲いている。
世の中不景気である。誰もが一生懸命生きている。
最近,どこのお店もサービスが良くなった。
今は,第1次オイルショックを越える厳しい状況を感じる。そして,あこぎな商売をやっていたところ,不親切だったお店は廃業に追い込まれている。
アナログエンジニアにはなじみのお店がいくつかある。ひとつはガソリンスタンド。自宅から3km離れているが,自宅を新築したときに灯油不足で売ってくれるGSが見つからなかった。しかし,Y石油店だけは引き受けてくれた。そして,ボイラーの灯油の管理はY石油店任せ。
ガソリンは昨年まで移動コースにあった安売りGSを使っていたが,廃業したのでY石油店に変更。ここのお店は何も言わなくとも,タイヤの空気圧をチェックしてくれる。
電気店はK商会。35年の付き合いだ。細かい工事を伴うものや自分で機種選択が面倒な器具をいつも依頼する。この寸法に入るこんな機能のもの,と依頼すると後払いで現物を運びこんでくれる。
カツ屋さんとは,40年行き付けの店。いつも変わらない味で私のご飯の分量を黙っていても調整してくれる。そして,その分,何か小さな1品がつく。
そのほかにもいくつかのなじみのお店がある。
今は,価格が妥当で真のサービスが出来なければ生き残れない時代だ。
不景気のいま,アナログエンジニアは逆に家の補修や自宅の電気機器の模様替えを始めている。この時期は,早く,安く,良いものをなじみのお店に依頼して自宅環境の改善を始めている。
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_2554 ←我家の生垣のドウダンツツジの花。維持・手入れしきれなくなって,だいぶ縮小したが,この生垣だけで10m。生垣は心温まるが,その分パワーが必要だ。
このタイトル,シリーズとして成立するか?
とりあえず,今日の格言:物の上に物を重ねるな。
積み上げると下になった物は見えない。取り出せなくなる。
乱雑さの象徴のような事象である。
重ねてよいのは,同時に取り出すものと同じ物のみであろう。通常,重ねるということは平たいものを重ねるから縦置きより場所をとる。
本屋さんで平積みといえば,売りたい本を重ねておく。ボリューム感がでて,いかにも旬の本という感じが出る。
スーパーマーケットでも平な台に特売品を並べて売る。これ常套手段。
共通点は面積を取り,目立つ要素があるからか。
本屋さんもスパーのケースでも,重ねて良い場合に当てはまる。
言葉で重ねるのは良くない。しかし,案外誰もが犯す文章の品質低下である「重ね言葉」を使いがちである。自省。昨日は校正中(部分担当)のゲラに重ね言葉が見つかった。
お偉方が良く使う言葉「さらなる発展を・・・」などは,一種の価値感を強制しているようで,アナログエンジニアは嫌いである。自分たちの築いた業績・成果を前提に,話を続けるからである。
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Photo ←図はダイオードの温度特性の実測値。エミッション係数が2弱の素子。横軸:電流,縦軸:端子間電圧。
アナログエンジニアは若い頃から半導体の温度特性と深く係わっている。
図は小信号用ダイオードの温度特性の実測値で,-40°Cから100°Cまで広い電流範囲で測定している。回路上,ダイオード,トランジスタの温度係数を精密に予測する必要があったためである。
測定温度が区切りの良い数値になっていない実測値である。ダイオードの接合電圧が負の温度係数をもち,しかも,高電流側で温度係数が小さくなっていることが判る。したがって,接合電圧の温度係数を,たとえば-2mV/°Cと断定したらそれは間違いである。使い方により,温度係数は倍以上も違うのである。
電子回路の温度係数を決める要因となる部分で,非対称回路では回路の温度特性予測に欠かせない概念である。
測定から,もう30数年経過するが,この品種は今も市販されており秋葉原で簡単に手に入る。
この実験結果は後に一緒に開発を行うことになったYKさんにより,半導体物理から理論式にまとめられた。ダイオードとトランジスタでの温度特性の相違も定量的に良く合う式であった。
その後,YKさんとはさまざまな形でお付き合いさせて頂き,半導体物理の世界も知ることとなった。
単体ダイオード,トランジスタで組む回路における私の集積回路的発想はこの時代に遡る。半導体の温度特性に関するアナログエンジニアとしての定量的原体験といえよう。
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_2549 ←庭のカタクリの花。我家の「さち」が育てている。花が咲いていないと雑草と間違いそうになるマイナーな花も育てている。
放電音を聞いたことが複数回ある。
AM/FMラジオを至近距離から聞くのである。放電の際に広いスペクトルで電波が放出されるからである。
アナログエンジニアはkVを越える電圧も扱う。この方法はある程度以上のエネルギーの放電の頻度を,原始的だが観測できる。
液中あるいは気中放電なら,専用の窓を拵えたものを作成すれば,うまくいけば肉眼で放電箇所を特定できる。しかし,固体中の放電では観測が難しい。
固体中の放電にはバチッといくものがあるが,部分放電(partial dischage)では殆ど判らないようだ。
電子回路としての高電圧は,強電と異なり絶縁厚さが十分取れず形状も複雑なのことが多いので実験が難しい。
部分放電試験装置も市販されているが,観測のためには放電電荷を測定するための工夫が必要になる。しかも,サンプルのばらつきが大きいので文献データーも少ない。
部分放電は条件により,電子回路では数100V程度以上から発生することがある。
固体中の部分放電が生じると,絶縁物の寿命とばらつきを考慮しなければならない。
昔,何社か報道されたブラウン管TVのトラブルは,この手の現象と私は記憶に残っている。これらは高電圧工学の分野で成書はあまり多くない。
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_2556 ←写真は’92.7月版のMOS-FETのデーターブック。自宅にまだ保存している。
会社が捨てた古いデータブックにはWEBにはでない基礎的で重要な事柄が記載されているので,いくつかの部品のデーターブックを保存している。
若い人はインターネット検索で電子部品のデーターシートを検索・ダウンロードしていて,データーブックに記載されている(いた)重要な使用上の注意事項,半導体デバイスの内部構造,信頼性データ,試験方法などの情報に触れることが少ない。
そもそも1冊の専門書を読みきるような勉強をしていないのだと思う。したがって,ひとつの分野を俯瞰できるような自己訓練をあまりしない傾向を感じる。
自分の関心をもつ分野を広げた今でも,東京に出かけると時間があれば大型本屋さんの工学書などのコーナーに立ち寄る。目に付く場所にあるのは図解XXX,早わかりXXXなどのタイトルの似非技術書が多い。きちんと正確で丁寧なな表現を試みようとしている本は意外に少ない。読者がこの層が厚いので,勢い出版社はこの手の本を出すことになる。
論旨の飛躍を感じる本は専門家が読んでも読みにくい。まして一般のエンジニアは読みきれないのではないか。明らかに孫引きの図を平気で載せている例もある。(原典の間違いの引用など)
たとえ話(比喩)で簡単そうに説明してあるが,アナログエンジニアは,たとえが理解できないことも多い。比喩が通じるほど,原体験が少ないのだろう。
ものの考え方や設計のやり方を身に着ける王道はない。しかし,ひとつの狭い分野できちんと論理的・合理的・系統的アプローチが出来れば,他の分野でも短期間に専門知識が身につくものと考えている。
上滑りでお仕着せの受動的な勉強・研究で学位を取ったとしても,自分を訓練する習慣がついていなければ本人にとって無意味ではないか。
工学においては抽象論ではなく,現実の課題を見つめながら考える。電磁気学をMaxwellの方程式から教えたら,現実の簡単な電磁気現象くらいは解けるようになるのか疑問である。
基本問題が解けるくらいの訓練は大学でやってもらわねばと願う。日本は技術立国だから・・・・。
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_2555 ←写真はIHヒーターで対応材質でない鍋を熱する道具:ヒートプレート。定格1350W。IHヒーターに道具を乗せた状態。
先のエントリー「IHヒーター」で述べたIHヒーターでは,磁性のない鍋や絶縁性鍋(土鍋)ガラスは加熱できないというガス会社のネガティブCMが真実ではないことの実証である。
非磁性で導電率の高い銅鍋などは今では誘導加熱できる。
しかし,非導電性材質の場合には渦電流(eddy current)は流れないので,直接的には過熱不可である。
IHヒーターのコイルは水平方向に巻かれているいるので,渦電流も水平方向に強く流れる。
(私の見た内部コイルは撚り線を使用して渦巻き状に巻装されていた。磁力線はギャップのある平型トランスと見ることもできる。)
ヒートプレートはふつうのIHヒーターに対応する材質,厚みに対して渦電流を利用し,プレートを加熱,その熱源でガラス容器や土鍋を間接的に加熱する。このヒートプレートの下面には数mmの突起があり,プレートとIHヒータ面の距離を適当に保つようにしてある。露出面はSUSではない。一度使用しただけで酸化色がでた。強い磁性材料の一枚板約1mmで出来ている。
使用上の注意が刻印されている。「てんぷらなどの揚げ物には絶対に使わないで下さい」!その理由は,IHヒーター面に装着されているはずの密着型温度センサが働かないためと推定している。
取っ手の赤い部分は重く,鍋を載せないと写真の状態になる。我家のIHヒーターでは負荷異常を検出し加熱を停止した。なかなかうまく出来ている。
アナログエンジニアはふつうこのようなものを買わない。息子からの贈り物だ。
我家は,発電所が原子力・火力・水力のセットになっているように,エネルギー源が電力・灯油・ガスの3構成となっている。他にもブタンガスボンベのコンロを用意している。ライフライン確保のひとつとして考えてのことだ。
重宝しているのは,灯油ボイラーで立ち上がり30秒,大出力の特長がある。熱源は一端電気に変えて,さらに熱に戻すのは本質的に筋が良くない。最新の火力発電所でも熱効率は50%前後である。エアコンのような低温度差の場合にはヒートポンプ式のほうが成績係数が良くなるので,最近は暖房空調の主体は少エネのためヒートポンプ式にしている。
オール電化の宣伝に素直には同調しかねるアナログエンジニアである。
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Rose_2558 ←自分の絵でも,それなりの額縁に入れればよく見える。飾れる。サイズは6号F。油絵。
絵は額縁に入れるとかなり違った印象になることが多い。人もしかり。額縁(地位)によって,本体の絵(人)の表現が変わる。
エンジニアなら地位によって,待遇が異なってくるし影響力も異なってくる。評価者は経営陣だろう。
学術の世界ならならどうか。評価者は最終的にお金を握っている文部科学省かな。額縁は学会や大学での地位。絵は研究者としての自分の質だろう。
アナログエンジニアは額縁ではなく絵そのものを見る。見ようとする。老若男女に関係なく,名前を呼ぶときは「さん」で呼ぶ習慣だ。これは,その人となりが老若男女に関係なく,自分が教えてもらう立場になることも好むからである。
在職時代,旧姓Aさんとはそのような間柄だった。機器分析屋さんだったが,いろいろ分析上の課題を教えてもらい一緒に解決した。自分がエクセルのグラフ表示で困っているとき,「お安い御用でと教えてくれる。若いBさんは私にとってデジタルの先生であり,彼にとって私がアナログの先生である。そして,仕事上の本質的課題をわたしに伝えてくれる。このプロセスにより,さまざまな技術的課題に挑戦することができた。
額縁ではなく,個性の異なる絵との出会い,交流は楽しいものである。
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Jjy_2540 ←「C社製 デジタル表示クロックの標準電波受信部」
懐かしのフェライトバーアンテナが良く目立つ。フェライトバーは直径1cm,長さ10cm。コイルはリッツ線でかなり巻かれている。右の基板は1石高周波増幅部と思われ,近くにトリマコンデンサらしきものが黒く見える。
左側の基板は,絶縁フィルムで包んだ後,銅箔でシールドされている。横から覗くとLSIがチップ搭載されているのが判る。両方の基板はガラスエポキシ。両基板は2本だけシールドケーブルで接続されている。
なるほど,安くシールド箱を作るにはこんな方法もあったのかとアナログエンジニアは感心させられる。
標準電波JJYは40kHzあるいは60kHzなので,大きいほうが安く作れるということか。
組み立ては殆どが接着で修理は想定されていない構造。分解はそれらの場所をニッパで切断しながら突き破っていった。
アナログエンジニアの地元では福島からの電波を受けているはず。佐賀県にも送信所がある。
時間は最も正確に測定できる基礎量で,通常は標準電波を通じて簡単に時間標準にトレースできることは非常にありがたいことである。
計測に関連するエンジニアであれば,時間が,正確に測れる大切な量であることを知っていてほしいものだ。大学で計測に関する講義が減少していると憂える。
「科学は計測に始まり計測に終わる」
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_2551 ←逆光の水仙。前のとは真ん中の花弁の色が違うが庭に咲いた水仙。
安全・作業効率UPのために生産現場でよく使われるスローガン「5S」:整理,整頓,清掃,清潔,躾。
既存の職場では5Sの前にやることがある。家庭でも同じだ。
整理・整頓のためには,まず空きスペースを作らなければならない。物を不要物かどうか判断するためには,同種の物を集めることから始まる。
我家の整理・整頓のきっかけは,先月に娘夫婦が孫を連れて来訪。よちよち歩きの孫なので,危険の無いように使う部屋だけは片付けた・・・と言うよりは他の部屋・押入れに物を突っ込んだ。これで空きスペースが作られた。
アナログエンジニアの子供は3人,いずれも独立する前に自宅に家財道具一式を残して行っている。重複物が沢山ある。物の前に物がある。物が重なっている。素性の知れない物も数多く・・・。
物が必要なとき取り出せなかったら,そのものは無いのと同じ,いや空間も頭もを浪費しているから2重3重の罪を犯していることになる。壮大な無理・無駄が存在しているのだ。
労働安全コンサルタント(電気安全)の資格をもつアナログエンジニアとしては耐え難い状況である。
まずは各部屋の状況と概略の物のあり場所を把握。そして,無理やり空きスペースを作り,分類,廃棄候補を選ぶ。あそこにこれがあったから,これは不要。これは8個あるから2個だけ残そう・・・など。
ゴミ収集日の日程にあわせて,燃えるゴミ,燃やせないゴミの取りまとめが延々と続く。それでも,ちょうど良い運動と軽い頭の体操になって楽しんだ。
袋が増えて,どうしょうも無いときには直接,市のゴミ処理場に持ち込んで1ヶ月で累計100袋位を捨てた。
部屋・職場が片付かないのには理由がある。そして,それが悪循環を起こしてくるのだ。5Sの前にやること,それは不要物をきちんとルールに従って分類し捨てることから始まる。
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_2548_1 ←家庭用 温度・湿度計
hygrometerは相対湿度計のことである。
某専門メーカー製で,温度計・相対湿度計ともに完全機械式,指針表示のもの。
K家電量販店の温度計コーナーで購入した。
温度計はバイメタル式,直動形でその機構部は分解しなくともおよそ判る。温度精度は1°C。
相対湿度計はバイマティアル式と称している。湿度表示は非線形目盛で精度3%と記載されている。湿度目盛りは5%単位である。
両者とも,無意味な読み取りはしないアナログ計器の表示方法に従っている。
家庭用温度,湿度計では精度記載のものは珍しい。購入の決め手。
アナログエンジニアは当然,アナログ計器を好む。故障が少ないし,動きを見ればどのくらいまで変化率が読めるかも判断できると同時に不具合も自分で判断できるメリットがあるためだ。
それに比べて,C社の物はいかがなものか。
今回も液晶表示の欠けが目立つようになったので分解した。造りが美しくない。故障しやすい。精度が悪い。温度センサ部は,手で暖めると抵抗値が大きく下がるのでサーミスタ。常温での抵抗値は約10kΩ。サーミスタの割にパッシベーションはどうか?サーミスタ材料はきちんと保護してやらないと経年変化を示すことが多い。湿度センサは,透明感湿膜を使用し外気に触れているので,かなり怪しい。
計器メーカーは計器屋の誇りと技術をもって,家電品といえども計器としての性能を表示しているのだ。
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Photo ←カトレアの花,我家のさちが貰ってきた。
自分の専門分野・担当分野が大きく見えるときは,あまり良い状態ではないと思う。
ともすれば独りよがりの論法を述べ,自分の分野を誇張しすぎている傾向が概して多い。
技術には華やかな部分と縁の下で支えている部分があり,時には陰を持つこともある。ひとつの分野の工学は,その背後には,その技術を支える計測技術がある。そして,最先端の研究者でない限り,その視点は全部が自分だけで構築出来た世界ではない。
逆に,自分の分野が小さく見えすぎるときには自信消失あるいは展望が見えていないときであり,これも良くない。
アナログエンジニアは,自分の専門分野に対し冷静な評価が出来る状態が一番よいと考える。
物作りは,多くの企業の技術の集合体である。そのためにはある一定以上の人口が欠かせない。少子化に加えて,生活の中心が情報社会になりつつ今,支えるハード技術若い人達に見えにくくなっている。そして,子供の頃に工作を体験・工夫したエンジニアが少なくなっている。
私の時代は手作りの鉱石ラジオから真空管ラジオを作る子供も多かった。次の世代はテレビ世代。ゲーム機の時代。今は携帯の時代か。
携帯電話の技術は今や大企業1社で簡単には支えることが出来ない凝縮されたテクノロジーである。しかし,その背後にある技術を意識することはあまりにも少ない。
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4_2537 ←種から蒔いて,数年がかりで食べられるようになったアスパラガス。痩せた土の場所だったので,去年辺りからまともな太さに育った。雑草にも負けないでよく生き延びたものだ。
誘導加熱調理器:IHヒーター。
某ガス会社の宣伝文句には,オール電化でで使うIHヒーターはガラスなどの調理器は使えないとされている。しかし,対応材質のヒートプレートと称する金属板を敷けば,ガラス鍋や土鍋も使えるのである。ちょと間違った宣伝であろう。
IHヒーターは,銅鍋なども使いにくい。火力も弱い。ガスコンロの出力はkW換算ではかなり大きいのである。これは真実。これらは,平たいスパイラルコイルを1次側とし,2次側での渦電流を利用して過熱しているためだ。
IHヒーターの構造図と原理はこの様なものであるが,密着形の温度センサを中央付近に内蔵しているものが多そうである。IH炊飯器などでは鍋を外すとセンサの頭が見える。
渦電流で過熱するには,2次側が1ターンコイルで,1次側は商用周波数より高い周波数で駆動するとともに,結構な大電流を流しているらしい。アナログエンジニアは一度だけ,IH調理器の内部コイルを見たことがある。その製品では,細い銅線をより合わせて大電流に耐え,かつ一次コイルの銅線での渦電流損失を回避するための構造だと思っている。
我家は,電気・ガス・灯油の3つのエネルギー源を使い分けしている。
お風呂,湯沸しは灯油ボイラーだが,電気出力換算では10kWを越える。このようなピーク出力は他の方法では得にくい。しかも,起動時間は30秒。
そして,浴槽は追い炊き機能なしの最も簡単なもの。この機能無しでも,各人が浴槽からのお湯を使って体を洗えば,多少次の人が遅れて入浴しても高めのお湯を継ぎ足すだけで十分である。簡単なものは,信頼性を高くしやすいとの経験則でこのような選択をしている。
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先日の出張の帰りの新幹線の中。
大抵1週間前には予定が確定するので,指定席はAかE。
そして,アナログエンジニアはスモーカーなので喫煙席か喫煙室の近くの車両を取る。
いつものことだが,隣席の方に一言 まあ天気の話など声をかけてみる。反応が良ければ次の話題に入る。
今回は隣席の方に恵まれた。
岡山で降りた方とは,各県の空港事情など。最寄り駅と空港のアクセス時間等々。全国を飛び回っているらしい。能登空港,静岡空港,そしてまもなく開業する茨城空港などの話題がでた。茨城空港は中途半端なロケーションで,多くの茨城県民は羽田,成田の方がアクセスが良い。報道によると,国際線1社だけしかまだ乗り入れが決まっていない。無駄な事業かも。そういえば,茨城県には3つの大きな港湾施設がある。3番目の那珂港の行く末はどうなるか。少しはましな状態と聞くが。
名古屋で降りた方は,見るからにベテランの営業マン。携帯を2個持ち歩き,電池は常に3個持ち歩いているとのこと。一日の通話時間が長く,出先での携帯電話がないと顧客との連絡遅れで商売にならないらしい。私の携帯は岡山から圏外のまま。S社なので名古屋以西は繋がりにくいとの話し。(往路は何の問題も無く目的地まで時々Mailやニュースを聞けたのだが・・・。)
名古屋から乗った方は「まだ圏外のままか・・・」の独り言を聞いて,電源ON・オフで直ることがありますよのアドバイス。すぐに繋がった。この方は,殆どのことを携帯で処理しているヘビーユーザーで,銀行送金,駅からの目的地までのナビ,出張精算のデーターなど殆どのことをこなしているとのこと。(感心しながら話を聞いていると)画面の一部を見せてくれた。困ることは,種々のPWなど,やはり覚えきれないらしい。どこかにそれを収納して持ち歩いているそうだ。
今までの私の用途は,家族間通話&Mail&非常連絡用として考えていなかった。アナクロもいいところのアナログエンジニアである。
今回の旅で種々の機能を取り説見ながら試してみた。しかし,使う頻度が少ないと携帯特有の操作性に慣れるまでに忘れてしまうかも。(悲しい)
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意外に早く,婦人ものの腕時計を分解する機会がやってきた。
ムーブメントの長径が20mm,Swiss製。
水晶振動子,コイル,電池が大きな場所を占めている。回路パターンは金メッキ。
薄いチップのICを直接基板にワイアボンディングしているのだろう。
パルスモーターのコイルは長さ10mm,直径1.8mmもある。腕時計の中に入れるため,コイルが湾曲している。磁路は,ローターのところで狭くなっており,磁路の飽和を利用してローターに変動磁場を与えている感じである。
ローターの径は1.7mm。
歯車は総て金属製。少ない歯数のものは6枚歯。一石のサファイア?軸受けが見える。
ガラス(0.8mm厚)は,はめ込み。裏蓋にはOリングで湿気防止が行われている。
アナログエンジニアの手持ち工具では,それ以上の分解は出来ない。時計屋さんが使っているような道具と拡大鏡がないととても無理。
これでも安価なみやげ物用の時計である。
恐らく図面は特記無ければ,数字の単位はμmであろう。そして総組み図はかなり大きなものであろうと考える。これが精密機械のすごさである。
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センサと言えば,外界の情報を電気信号に変換する計測装置を連想することが多い。
しかし,今も機械式のセンサも数多く使われている現実がある。
センサを外界の情報を電気信号に変換し,AD変換を行ってマイコンに伝達すると定義するならそれは間違いであろうとアナログエンジニアは考える。
かっては,空気式の温度センサや圧力計などが工業計測の分野で使用されていた。空気式の計装システムは応答は遅いが センサ信号が直接アクチュエータを動かすことが出来る。
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電気信号を出力するセンサは,アナログ電子回路と同時に考えないとその特性を定義できない側面がある。センサの出力が扱いにくいレベルの電圧や電流であるなら,実用化にはアナログ回路抜きで考えることはできない。
たとえばピエゾ抵抗効果を用いたセンサは機械的構造を工夫することにより,圧力計,変位計,差圧計などさまざまな測定対象を電気信号に変換できる。
基本的にピエゾ抵抗効果は,電気的な抵抗値測定の形になる。同時にこの効果は半導体プロセスに依存するが,作り放しと言う訳には行かない。どこかで校正情報を持つ必要がある。ピエゾ抵抗効果は温度依存性が強いので,感温抵抗を同時に形成し温度補償を行うか定電流励起を行って,感度の温度依存性を消去する手段もある。
耐環境性も半導体センサだけで不十分な場合も多くある。
現在のMEMSの通常の範疇では,比較的軽用途に限られる。センシングにおいては,センサの検出する場を限定する構造物なども必要なのだ。そして機械的部分,アナログ信号処理回路を含めて考えないと確からしさが曖昧になる。電気信号を出力するセンサはアナログ回路抜きでは語ることができないだろう。
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---ウィーンブリッジ発振回路---
何回か仕様を変えて製作した正弦波発振回路である。
最初の時、試作段階で良好な温度に対する振幅安定性が得られた。自動振幅制御(AGC)のループ利得は起動時のオーバーシュートの関係で強くできないことが判明していた。
AGCを掛けるための素子として、接合形FETを電圧制御抵抗として使用していた。
装置の量産初ロットでは、試作時の温度特性が全く得られなかった。そこで、初ロットに使ったFETと試作時のFETの温度特性を測定した。
1969年頃に入手していたJUNCTION FIELD-EFFECT TRANSISTORS/Carl Daid Toddを読んでいたので、かすかにJ-FETのドレイン電流が変化しないバイアス条件があることを覚えていたようだ。そのため、抵抗がゼロ温度係数となるゲート電圧とピンチオフ電圧の関係をプロットしてみた。その結果、目的を達成するにはピンチオフ電圧より0.7Vの点でバイアスを掛けるようにすれば良いことが判明した。
なお、多くの回路例では豆電球を用いるAGCが紹介されているが、豆電球の品種の依存性が大きいので、アナログエンジニアはJ-FETを使用した。
大抵は数個試作すれば、およその特性分布の見当がつくはずだが、このときは偶然にも、試作時のFETがゼロ温度係数バイアスですべて動作していた。
アナログエンジニアの経験則では、このような偶然良い方向に重なることは稀である。
その後、ウィーンブリッジ発振回路で異なる課題に幾度か向き合うことになった。
類似回路が形を変えてスパイラル状に課題を突きつける。それがアナログ回路であろう。
そのためには、問題を直視し,積み残した課題を忘れないようにする努力が大切と考える。
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Photo ←北の塀際に咲いた水仙。我家のさちはこんなところにも増えた球根を植えていた。
パワーFETは駆動回路次第でスイッチング速度が変化する。多くのFETのスイッチング速度は,駆動源が50Ωでの測定による参考値である。
高速化は駆動源を低インピーダンス化するのが効果的である。1000V/μs,1000A/μs程度を2昔ほど前にアナログエンジニアは達成できた。現在は,より少ない駆動能力で実現できるであろう。
100W級のパワーFETでピーク時のゲート電流を1A近くまで大きくすると,データーシートより短いスイッチング時間を得ることができる筈だ。スイッチング時間を制約するおもな1次要因は,駆動回路のピーク給電能力とゲートの寄生抵抗で決まる。
逆に,駆動源の電流供給能力が低いと時間がかかる。スイッチング時間が長いと,相対的にオン時の電力損失が増えるので,定常状態の時間とスイッチング時間の比率を一定にしないと熱的問題が生じ得る。
不必要な高速化はゲートドライブ回路の複雑化を招くので,必要十分な速度にとどめておくのがBESTであると私は考えている。
アナログ回路はFETのスイッチングだけを見ても,たとえば「速ければ速いほど良い」との単一価値基準で定数を決めているわけではない。複雑に相反する設計要因の中でのバランス感覚がアナログ回路の一側面であろう。
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_f ←庭の大輪の水仙。
大学で受ける教育は普通、工学現象の因果関係を解析する技術を学ぶ。順方向の流れに沿って結果を予測することまでしか学ばない。
果因関係とは、望む結果がわかっており、そのためにどうすればよいか考えることで、逆方向の流れである。この言葉は恩師の方の造語であり、物つくりの基本姿勢を表している。
果因関係を確立するには、因果関係よりも広範で定量的な知識を必要とする。
なぜなら、因果関係はひとつの項目について結果を予測(解析)すれば良いが、果因関係を制御するにはひとつの項目だけ扱っても意味がないからである。関連する現象や制約条件をいくつか同時に扱う必要がある。
センサなどでは、複数の現象が同時に発生することが多く、実用的なセンサは知恵の結晶とも言われる。まさに、果因関係の制御が行われた結果である。
この視点なしには、結果の制御は不可能である。今の工学部生、あるいは若手エンジニアの多くは、物つくりの基本である望む結果を得るためにはどうすればよいかの問いに関しての関心が薄い。
多くの大学の研究は特定条件での因果関係を求めて論文にする形式が多く、実用化に必要な逆問題を解くことは少ないと感じている。そして,技術の陰の部分をきちんと述べることは多くない。これでよいのか。
工学系大学生の多くは卒業後、物つくり関連の仕事や、望む結果を得るにはどうすればよいかの課題に取り組むことになる。大学の多くはこの課題に十分応えてはいない。
これがアナログエンジニアが考える研究者と工学者の大きな違いでである。
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今日,午前に発火事故を起こしたPCが戻ってきた。8日ぶり。
Photo なにがともあれ,機能チェック。
問題のシミュレーションソフトも無事動いた。
←我家の庭の桃の花。修理期間中に満開になっている。
修理報告書には
「不具合内容:オレンジ色の火が横線で出火,異臭/本体に焦げた跡」
「修理概要:マシン内部より焦げ臭を確認。パワーサプライ,マザーボードを交換しました。」
「出荷前検査:正常に起動し動作・・・」とある。謝罪の文言なし。ふつうのトラブルではないのだ。
こんな甘い対応でよいのかな。産業用だったらこの程度で済まいと思うが・・・。
この1週間ノートPCで原稿書きをやっていたので,変更ファイルをデスクトップPCに転送。
そして,デスクトップPCから最新状態で,USBメモリにバックアップ,ノートPCにも転送。
懲りて,3重系のバックアップ体制にした。
災いは忘れた頃にやってくる!!!
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バイポーラトランジスタの電流増幅率hFEは、メーカーでその大きさによりランク分けされている品種が多い。
入社して間もない頃から定期的にhFEのランクごとの分布をアナログエンジニアは測定していた。
当時は、A,B,C,DのhFEランクがあると、両端のランクは3角分布で各ランクをまとめると正規分布に近い分布となっていた。大きく分布するhFEを実測してメーカーで選別していたのだ。ランク分けされていない品種では倍・半分程度のバラツキを考慮して設計する必要があった。
また、ランク分けされている品種では中央付近のランクでは、少しテーリングのある一様分布、下のランクでは高めのものが多く、上のランクでは低めのものが多い傾向があり、テーリングのある3角分布であった。もちろん、各ランクの範囲は重複する仕様で、選別ロスが少なくなるように考慮してある。
最近は、この手の分布を測る機会が少ないが、各ランクともその中央値付近に集中する傾向が見られる。アナログエンジニアは、プロセス技術の進歩により意図的に各ランクを作り分けするだけの半導体技術レベルに達していると考えている。
したがって、現在ではランク幅いっぱいのバラツキにはならないであろう。
トランジスタ回路全体のばらつき範囲、分布を予測するときには、厳密にはhFEランクのばらつきの分布の形も考慮する必要がある。一様分布では悲観的な数字が出やすいのだ。
しかし、hFEの温度変化は、接合温度100°Cの変化で約2倍あり、低温側で低くなる。今もあまり変わっていないような気がする。環境温度が広い場合には、設計時に考慮すべきhFEの最大、最小の値はより広くなることを忘れてはならない。
私の持っているSPICEのモンテカルロ法による解析では、最小、最大しか入力項目がないので一様分布での計算が行われていると推定している。もちろん温度による変化は考慮されない。
私は手解析でユニットとしてのばらつき予想を行っている。量産規模が大きければ、それなりの素子バラツキを複数ロットのトランジスタで確認するところまでデータを把握する。
設計の出発点は実データで半導体のロット内、ロット間のばらつきである。当然、メーカー保証はなく、自分の責任において製品品質をコントロールすることになる。
こんな設計法をきちんと行っているアナログエンジニアはごく少数派だろうな。悲しい。
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充電器が家中に何個もある。ほとんんど互換性はない。
コネクタの形状はほとんど異なる。電圧出力電圧・電流も異なる。
当たり前だが、充電器は電池を充電するもの。電池の種類(リチウムイオン、Ni水素、NiCdなど)様々であり、かつ積層数が異なる。
過充電に強い電池もあれば、弱い電池もある。
自分の持ち物だけでも、シェーバー、携帯電話、デジカメ、ノートPCなどなど。
鉛蓄電池は過放電に弱く、過充電には弱い。車の電池などは1回バッテリー上がりをやると実効容量が激減する。満充電状態に近いほうが良い電池もある。
様々な安全手段、充電速度の制御、充電終始電圧など各メーカで異なる方針で作られているので、たとえ電圧とコネクタがあっても、アナログエンジニアは付属の充電器以外使う勇気はない。
AC100Vが一次側の場合、出力との絶縁が必要で何らかの手段で安全規格を満たすように設計されている。大抵は分解できないような構造であるが、分解できたものの中には、トランスの巻き線がコアとの強い絶縁を行うとともに、一次巻き線と二次巻き線も同芯状に巻くのが普通だが、一次巻き線と二次巻き線を直列に巻きかつ一次、二次間に絶縁物で離隔してあるものがあった。このトランス構造は、一次・二次巻き線の結合率が低くなるので漏れインダクタンスの影響が大きいので、その設計は難しい。
たかが、充電器であるが、最近では樹脂でモールドされているものが多く分解はまず困難である。おそらく異常時の発煙、発火防止の役割を果たしているのだろう。
充電器には少なくとも二次側にコードが付いているので、収納は雑然となりやすい。
我が家の家猫チャーは細くやわらかいケーブルが大好きなのですぐ噛んでみる。この対策は、充電中人間様が充電器のそばにいるか、ケーブルにガードを巻くか、あるいは、充電している部屋を閉め切って食害から守るしかないのだ。猫と私の知恵比べは当分続く。
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_2523 ←庭に長く咲いている小花。
若い頃,プラントの都合で,特殊環境下での圧力計を急遽開発したことがある。
30年の設計寿命をもち,異常時には人間なら数分で致命傷を負う環境とだけ言っておこう。しかも,基礎実験から納品まで6ヶ月。当時,その環境に耐えると判明していたセンサ材料は金属,セラミック,極一部の樹脂である。
当然,保守はできない前提である。これらのセンサ材料で作れるセンサのひとつは電磁式の変位→電気信号変換素子である。通常はプラスティックのボビンを使用するが,この部分をセラミックスに変え,指定の線材で専門メーカーに製作していただいた。
当時、この方式の変位→電気信号変換センサは芳しい評価ではなかったので,部長は強く反対したが・・・。電磁センサそのものは安定であるはずだから,信号処理回路に問題があると考え原理に遡って実験した。使えるリソースは全部利用した。そのような周囲の援助があった。
年長のN氏が私のポンチ絵の実験装置を作ってくれた。電子回路は遠く離れた場所に設置するので,100m近い特殊ケーブルを当方の指示とおりに作らせた。非常に高価なケーブルを2種類使用した。
並行して,従来の励起回路を定電圧正弦波から定電流に変更し,整流のための同期信号は2次側から得る方式とした。(特許1,067,889)
そのプラントは今も稼動しているらしい。エンジニア冥利に尽きる。
電気信号を出力するセンサは電子回路と対になって,初めて計測が可能となる。この視点なくしてセンサを語ることはしない。少なくともアナログエンジニアはそう考えている。
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