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抵抗負荷差動増幅器の電圧利得AVは、コレクタ抵抗をRC、コレクタ電流をICとして
AV=-RC・IC/VT
でほぼ決まる。VTは常温で26mVの熱電圧である。
オペアンプの内部回路によく出てくる能動負荷回路を用いた増幅器の電圧利得はどのようにして決定できるのか。能動負荷回路は定電流源に近いので、トランジスタの少しの電流変化でその出力電圧が大きく変化する。
能動負荷の差動増幅器の電圧利得は
AV=-1/[VT(1/AVn+AVp)
の形になる。AVnはn形トランジスタのアーリー電圧、AVpはp形トランジスタのアーリー電圧である。
アーリー電圧とは、VCE:IC曲線の傾きであって、その勾配を左側に延長するとほぼ1点で交わる。これがアーリー電圧で、数10V〜200V程度の値を持つ。したがって2段目の負荷効果が小さければ能動負荷差動増幅器は一段で1000を越える増幅率を達成できる。
能動負荷回路の電圧利得を記述した一般の教科書は非常に少ない。アナログエンジニアは自力でこの式を導いた。
かくして、多くの回路設計者はオペアンプの内部動作に立ち入ることなく、オペアンプをブラックボックスとして取り扱っている。
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