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微小電圧のDC増幅には、現在ではふつうバイポーラトランジスタ入力の演算増幅器が使われる。
直接増幅可能な電圧は、温度範囲に依存する。
現在では温度ドリフトが典型値0.1μV/°Cの演算増幅器もある。この温度ドリフトの数値に環境温度の変化を掛ければ、期待する入力換算の温度変化が求まる。環境温度幅が30°Cなら±3μVが不確定になる。
この値と必要な精度を比べれば、増幅対象になる信号レベルが決まる。
トランジスタの温度係数は、約-2mV/°Cだから、差動増幅器でVBEの差を取るので、この数値は、集積化されたトランジスタペアの2万分の1°Cの温度差に相当する。こんな小さな温度差の実現のためには、1mm角足らずの集積回路の中で、入力段のトランジスタを近接させてようやく実現できる温度差である。集積回路の中のトランジスタといえども、風が直接当たれば、揺らぐ程度の温度差である。
汎用オペアンプでは、数μV/°C程度。
昔はアナログスイッチを用いて一度交流に変換し、同期整流を行って再びDCに戻す方法も使われていた。(チョッパ安定化増幅器)
もっと小さな信号を扱うには、システムを工夫して交流増幅を狭帯域で行うことになる。
最近はAD変換できる信号レベルまでアナログ増幅すれば、あとの信号処理はマイコンがやれる。
アナログ回路エンジニアが活躍できる場面のひとつに、様々な帯域・周波数での微小電圧増幅技術がある。
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