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決して忘れない― 坂本龍一さん、高橋幸宏さん、遺志は受け継がれる SUGIZO「YMOは僕の原点」

[ 2023年12月26日 06:15 ]

上半期著名人レクイエム

坂本龍一さん(写真左)とともに脱原発を訴えるイベントに登場したSUGIZO
Photo By スポニチ

【激動2023 著名人レクイエム(上)】2023年も多くの著名人が亡くなった。1月11日には伝説のテクノグループ「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」のメンバーとして活躍したドラマーの高橋幸宏さんが70歳で死去。同じくメンバーで音楽家の坂本龍一さんも後を追うように3月28日、71歳でこの世を去った。YMOが「僕の原点」というギタリストのSUGIZO(54)が尊敬する2人への思いを語った。

「心に穴があいてしまった」と今も喪失感を抱えるSUGIZO。坂本さんが声を機械音に変える"ボコーダー"を駆使した「テクノポリス」で始まる79年のアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」の衝撃は今も忘れない。日本で100万枚を売り上げ、世界を震撼(しんかん)させた「♪TOKIO」の声は、3歳からバイオリンを学び、クラシックにのめり込んでいた13歳の運命を変えた。高橋さん作曲の「ライディーン」も収録。「タッタカタッタカと始まるドラムの音一発で涙が出る。幸宏さんは声も魅力的だった」。

ロックバンド「LUNA SEA」で1992年メジャーデビュー。坂本さんとは95年の日本武道館公演の楽屋であいさつしたのが始まり。理論派で緻密な印象は「ばか力で握手され、ピアノはバーンって弾くから、体力も必要」とのひと言で吹っ飛び「体育会系な人と感じた」。その後もソロアルバム「TRUTH?」(97年)でピアノ演奏を依頼。2001年には坂本さんが呼びかけた「地雷ZEROキャンペーン」にも参加するなど交流を深めた。

高校時代に学生運動の洗礼を受けた坂本さんにとって、違和感のあるものに対し「行動する」のは普通のこと。非戦、脱原発を訴える坂本さんの背中を見て「僕も共に行動するようになりました」。

高橋さんとは英国のドラマー、スティーブ・ジャンセン(64)を介し、98年に初対面。タバコの煙の奥にいた高橋さんの「SUGIZOくん。知っているよ。"教授の"でしょ」と、坂本さんへの傾倒ぶりを皮肉る一言に緊張したが「とてもおちゃめな人でした」。苦笑いがこぼれた。

クラシックが源にある坂本さんには「強いシンパシーを覚え、音楽と精神性を学んだ」。デザイナーでもあった高橋さんには「ポップセンスとファッションに影響を受けた」。ぽっかり穴のあいた心も、坂本さんの遺作「12」に触れると「屈指の理論派の坂本さんが、本能のみでアルバムを完成させた。これ以上の感動はない」と今も揺さぶられる。

「僕の思想を作ってくれた2人。かなうならば、今の世でもっともっとお会いしたかった。再会した時、対等に音楽を奏でられるように。僕自身を磨き上げたい。そうじゃないと合わせる顔がないですから」。ギターとバイオリン。自分の方法で2人の遺志を継ぎたいと力を込めたSUGIZO。その唯一無二の表現の中に、2人の巨星のイズムは生き続けていく。

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