Mucosal adjuvanticity and mucosal booster effect of colibactin-depleted probiotic Escherichia coli membrane vesicles
Uchiyama H, Kudo T, Yamaguchi T, Obana N, Watanabe K, Abe K, Miyazaki H, Toyofuku M, Nomura N, Akeda Y, Nakao R.
細菌が産生する膜小胞を活用した新たなワクチンの開発に向けて、細菌由来毒素コリバクチン (Clb)を産生しないプロバイオティックス大腸菌株を作製した。Clb産生、非産生株の培養上清から回収した膜小胞をマウス鼻腔に投与したところ、Clbを含む膜小胞と比べClbの無い膜小胞のアジュバント活性は高かった。また、異種抗原を発現するClb非産生株を作製後、膜小胞を回収して皮下へ初回投与後、同じ膜小胞による皮下または経鼻でのブースター効果について検討した。その結果、2, 3回目も皮下投与した場合と比べ、2, 3回目に経鼻投与すると血中の抗原特異的IgG産生は同程度だが、血中と粘膜面での抗原特異的IgA産生は増強した。以上より、皮下と経鼻のルートを組み合わせることで膜小胞ワクチンの効果が向上する可能性が示唆された。
本研究はJSPSの支援を受けて実施された。
vaccine-2024-01