SARS-CoV-2オミクロン株への繰り返し曝露はSARS-CoV-2特異的記憶B細胞の応答性の進化を最新の変異株へと向ける

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imm-2024-01
Repeated Omicron exposures redirect SARS-CoV-2-specific memory B cell evolution toward the latest variants

Ryutaro Kotaki, Saya Moriyama, Shintaro Oishi, Taishi Onodera, Yu Adachi, Eita Sasaki, Kota Ishino, Miwa Morikawa, Hiroaki Takei, Hidenori Takahashi, Tomohiro Takano, Ayae Nishiyama, Kohei Yumoto, Kazutaka Terahara, Masanori Isogawa, Takayuki Matsumura, Masaharu Shinkai, Yoshimasa Takahashi

Science Translational Medicine (2024), DOI: 10.1126/scitranslmed.adp9927

相次いで出現するSARS-CoV-2変異株に対応するためブースターワクチンがオミクロン株対応型へと切り替えられましたが、過去に接種された従来株ワクチンによる強い免疫学的刷込みの影響が報告されています。すなわち、変異株ブースターワクチン接種においては、従来株応答性の抗体を持つ記憶B細胞の中で変異株へ交差性を持つもののみが活性化され、変異株応答に特化したB細胞応答がほとんど誘導されません。本研究では、従来株mRNAワクチン接種によって誘導された記憶B細胞が、2回のオミクロン株抗原刺激によって、抗体遺伝子をオミクロン株に対して特化するように進化させていくことを発見しました。これは今後の変異株ブースターワクチン戦略において重要な基礎的知見となると考えられます。

本内容は日本学術振興会、AMED、厚生労働省の研究支援を受けて実施しました。

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