コンサル業界の「値上げ請負人」登場、独サイモン・クチャーが円安局面で大攻勢
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円安やウクライナ危機で原材料の輸入価格が高騰し、企業の収益を圧迫している。だが、そんな企業の悩みがあるところにこそ、コンサルティングファームの商機ありだ。円安を企業成長の好機に変えるプライシング(価格)戦略に注目が集まっている。特集『「円安」最強説の嘘』の#8では、その動きをリポートする。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
価格改定に「お悩み」の企業へ営業攻勢
コスト高の逆境を勝機に変える一手とは
「原材料の高騰は一層進み今後予想される更なる高騰に対し、どのように価格に反映させていくべきか、価格コントロール体制をいかに構築すべきか、お悩みの企業の方々も多いものと思います」
4月上旬、こんな文面で始まるダイレクトメール(DM)が、外食業界の数十社に一斉に発信された。送り主は、サイモン・クチャー&パートナーズ。日本ではまだあまり聞き慣れない会社名だが、1985年にドイツで設立された老舗の外資系コンサルティングファームである。
円安やウクライナ危機で原材料の輸入価格が高騰し、いずれ価格に転嫁せざるを得ない。だが多くの企業には、値上げをすれば顧客離れが進むのではないかという恐怖心がある。だから値上げは容易ではない。
そんな「お悩み」を抱える企業に、「価格戦略を成功に導くアプローチ」を提案しようというのが、DMの趣旨である。
冒頭のDMはほんの一例だが、サイモン・クチャーは今、かつてないほど日本で攻勢を強めている。そして彼らの言う、コスト高の逆境を勝機に変える一手とは何か。次ページから明らかにしていく。
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