医師3300人調査で見えた20年後の医師像「診断・治療はAIに任せコンサル業に」

石見 陽・メドピア社長インタビュー

ダイヤモンド編集部
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コロナで激変!医師・最新序列#6Photo:metamorworks/gettyimages

医師の起業家が増えているが、ヘルステック(医療IT)企業メドピアの石見陽社長は、そのパイオニアといわれる存在だ。石見社長は、「オンライン診療(電話やインターネットを使った診療)をはじめ、AIやロボットなどテクノロジーの進歩は、コロナ禍で当初の予定より5年ほど加速した感がある」と話す。特集『コロナで激変!医師・最新序列』(全12回)の#6では、常に時代の先を走ってきた先駆者に「医師の未来像」を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 野村聖子)

「収入減」が医師のニューノーマルになった

――今回、ダイヤモンド編集部とメドピアは、メドピアが運営する医師専用コミュニティーサイトに登録する医師3300人に共同でアンケートを行いました。まず、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、勤務先や自院の収入が減ったと答えた医師が7割という結果が出ました。「不要不急の患者の受診減」が理由のトップでしたね。

医師3300人調査で見えた20年後の医師像「診断・治療はAIに任せコンサル業に」
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飲食業などコロナによる自粛要請によって収入がゼロになったという業界と比較すれば影響は少ないものの、医療界で今回のような激変は、史上初でしょうね。収入が半分になったというクリニック(診療所)も少なくありません。

これまで、医師は受験戦争を勝ち抜いて、社会的地位も高くて、頑張って仕事をしていれば他の職業よりも良い生活ができるという期待を持って働いてきた。他の業界より働き方改革といった概念が導入されるのも遅く、過重労働気味ではあったけれども、その分収入が確保されることで、それに目をつぶってきたわけですが、その収入さえ保障されない時代が来たんだなという感想です。

――コロナ禍で収入が減り、持続化給付金や雇用調整助成金を申し込んだという医師が「税金をたくさん払うことは想定していたが、国から給付金をもらう立場になる日が来るとは思わなかった」と話していたのが印象的でした。

石見陽メドピア社長、医師 いわみ・よう/1974年生まれ。99年信州大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院循環器内科入局。医師として勤務する傍ら、2004年メディカル・オブリージュ(現メドピア)設立。07年医師専用コミュニティーサイト「MedPeer」開設。

大学病院でエリートコースを歩んでいる医師ですら、自分の市場価値について調査したと言っていた。開業医だけでなく、勤務医も含めた医師全体が、今後何があるか分からないという危機感を抱くほど、大きなインパクトがありますね。

――「コロナ禍の状態がいつまで続くか」という質問では、「1年未満」と「1年以上5年以内」が半々でした。

「1年未満」と回答した医師がこんなにいるんですね。

リモートワークがなくなって、またラッシュの電車通勤の日々に戻るかといったら、戻らない。少なくともワクチンや治療薬が出てくるまで、今回のコロナ禍で定着した「不要不急の受診を避ける」という患者の行動は、1年は確実に戻らないでしょう。

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