渡邊木版(東京・銀座)に行って来ました
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川瀬巴水「東京十二題・駒形河岸」1919年
巴水の会のメンバー9人で、東京銀座の並木通りにある木版画の老舗「渡邊木版(正式には渡邊木版美術画舗)」」に行って来ました。
本当ならもっと多くの方々にお声をかけるべきですが、先方のお店の中で、ご主人の渡邊章一郎さんからお話をお伺いする関係から、十人以内に絞らせていただきました。(また機会があれば、もう少し多くの方々と小旅行したいと存じます)
渡邊さんからは、色々なお話を伺えて面白かったのですが、その中でも特に面白かったのは、実際の巴水作品の版木を見せていただき、その彫りと摺りがどのように行われるかをお聞きした時でした。
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(見当[けんとう、紙を均等・正確に置くための溝]を足した版木)
一枚の版画ができるまで多くの過程があり、良い版画が出来るためには、版木の使い方、保存、補修など、様々な苦労があることを知りました。
私は江戸時代の小説が専門ですから、小説の版木というのは何度も見たことがありますが、それに比べて浮世絵やこの新版画の版木が実に細やかに出来上がっていて、さらに繊細な注意のもとに保管補修されていることを知りました。
この手間暇かけた浮世絵が、江戸時代では一枚500円程度で売られていたわけですから、江戸というのは実に豊かな文化を育くめた時代だったのだなと実感したわけです。
ちなみに、冒頭に掲げたのは、巴水「東京十二題・駒形河岸」(復刻版)です。出来上がったばかりのものですが、出版された当時、どのようなものを人々は手にしたのかが、よく分かります。(初摺りは美術史的価値の高いものですが、美術そのものの価値としては、こうした復刻されたものの中にこそあるように思います)
驚くべきは巴水の絵にしては実に明るいことでしょう。馬車の下の黄色に輝く地面の姿を見て下さい。陽の光の強烈さがストレートに伝わってきます。
川瀬巴水「東京十二題・駒形河岸」1919年
巴水の会のメンバー9人で、東京銀座の並木通りにある木版画の老舗「渡邊木版(正式には渡邊木版美術画舗)」」に行って来ました。
本当ならもっと多くの方々にお声をかけるべきですが、先方のお店の中で、ご主人の渡邊章一郎さんからお話をお伺いする関係から、十人以内に絞らせていただきました。(また機会があれば、もう少し多くの方々と小旅行したいと存じます)
渡邊さんからは、色々なお話を伺えて面白かったのですが、その中でも特に面白かったのは、実際の巴水作品の版木を見せていただき、その彫りと摺りがどのように行われるかをお聞きした時でした。
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(見当[けんとう、紙を均等・正確に置くための溝]を足した版木)
一枚の版画ができるまで多くの過程があり、良い版画が出来るためには、版木の使い方、保存、補修など、様々な苦労があることを知りました。
私は江戸時代の小説が専門ですから、小説の版木というのは何度も見たことがありますが、それに比べて浮世絵やこの新版画の版木が実に細やかに出来上がっていて、さらに繊細な注意のもとに保管補修されていることを知りました。
この手間暇かけた浮世絵が、江戸時代では一枚500円程度で売られていたわけですから、江戸というのは実に豊かな文化を育くめた時代だったのだなと実感したわけです。
ちなみに、冒頭に掲げたのは、巴水「東京十二題・駒形河岸」(復刻版)です。出来上がったばかりのものですが、出版された当時、どのようなものを人々は手にしたのかが、よく分かります。(初摺りは美術史的価値の高いものですが、美術そのものの価値としては、こうした復刻されたものの中にこそあるように思います)
驚くべきは巴水の絵にしては実に明るいことでしょう。馬車の下の黄色に輝く地面の姿を見て下さい。陽の光の強烈さがストレートに伝わってきます。
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