(大正14年〈1925〉1月に刊行された『日本及日本人』政教社、この冒頭に「東京復興百景」と題して、巴水や深水のスケッチを載せる。巴水のスケッチは18枚。ここの載せたのは「新橋驛」と題されたもの。他の風景画に比べて人物が大きく描かれていて、巴水の人物描写の特徴がよくわかり貴重なスケッチである。子供を背負った女性の前に旅行中と思われる中年の男性(眼鏡にボーラーハット)がいるが、巴水の自画像っぽ...
(川瀬巴水の装丁した『呂宋助左衛門』(村松梢風著、北光書房、1942年)の表紙
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、最初に掲示したものは、川瀬巴水が装丁した本です。
巴水の年譜を紐解きますと、巴水は昭和十年代に、版画以外にも様々な仕事をしています。
その一つが本の表紙や装丁でした。
その理由は戦争前で版木や紙が手に入らなかったこと...