(川瀬巴水「東京十二題・駒形河岸」一九一九(大正八)年制作。初摺、後摺でなく覆刻。染谷蔵) 馬の曳く荷車。その下に輝く地面の強烈な黄色。夏の陽の光がストレートに伝わってくる一作です。 木版画は、一般的には、後摺や覆刻に比べて、初摺の価値が高いと言われます。巴水は彫師・摺師に任せっきりでなく、その工程にもよく同席したと言われます。とすれば、巴水がその目で確認したと言えますから、初...

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