2012年06月09日
坂口さゆり「佐川萌え」
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レビュープラスさんから献本して頂きました。
佐川萌えというタイトルからして、僕に書評が書けるような本なのだろうかと思っていましたが、届いて本を見てみたら「もしドラ」のようなアニメ風のタッチで描かれた佐川ドライバーの表紙。むむむ、これは、、、と思っていましたが、読んでみればこれは佐川急便という素晴らしい会社が、なぜ素晴らしい会社であるのかを明らかにした本であるということが分かりました。
佐川急便ではドライバーのことを、セールスドライバーと読んでいるそうです。「単に荷物を集配するだけでなく、各々が与えられた担当エリアにおいて、セールス活動、集配業務、物流提案、料金回収」(p.2)までするのが、佐川のドライバーだそうです。
佐川急便とは、1957年に佐川清が手がけた飛脚業(p.49)から始まったそうです。それがいまや5万人の社員を擁する大企業なのです。
佐川といえば、縞シャツ。それに加え、佐川という社名もいいと思うんですよね。縞シャツを見れば「佐川急便だ」とすぐにわかるし、セールスドライバーは「佐川さん」と呼べばその人を呼びかけているようにも聞こえるし、会社全体にも言及しているように見える。そのため、セールスドライバーは常に見られているという意識が生まれ、「挨拶が良くて、いつも爽やかな佐川さんでいなければ」という意識までもが生まれてくるのでしょう。
しかし、東京店の主任、齋藤さん(この人がまたイケメン!)によれば「佐川さん」と呼ばれている間は半人前だそうです。担当ドライバーがお客様に名前で呼ばれてこそ「しっかりお客様との関係が結ばれている」(p.122)ということになるそうです。まず、集団(佐川急便)として意識されていることを意識し、その上で、個人として相手と付き合うことを意識する。この全体と個の意識が両立するところに佐川の強さがあるのかもしれません。
その佐川の強さは新人研修にあるそうなのですが、その新人研修で時代が変わっても変わらず伝えているのが?@「飛脚の精神(常にお客様に誠心誠意尽くすこと)」を理解し、伝承していくこと、?A挨拶・礼儀を体得すること、?B「やればできる」という信念を体得すること、の3点だそうです。それに加えて最近では、「思いやりを形にする」こと、「チームワーク力を強める」ことを教えているそうです。(p.64)
他にも研修では講師たちは先に誉めることを意識している(p.85)だとか、配達の際、インターフォンを押すのは一回までと会社の規定で決めているだとか(p.123)、毎朝の朝礼で行われる「今日のやるぞ宣言」(p.139)、ハイタッチ朝礼(p.140)など、へ〜と思わせることや、仕事をする上で、部下を束ねる上でためになること勉強になることがたくさん書かれています。
また第5章では今年(2012年)に初登場した女性店長の奮闘記も読み応えがあります。筆者は本当はこういう、女性が仕事で輝くだとか頑張ってる話を通して女性が元気になるような本を書きたいのじゃないかなと思うほどです。
さらに第7章では震災が発生した年の3月17日には当方地方でのサービスを開始したエピソードが描かれています。当時の社長が指示したことは「社是にもとづいて行動すればいい」とのただ一つだったそうです。(p.177) そして、自身も被災者であったセールスドライバーもまた、普段の仕事と同じ思いで、お客様に誠心誠意尽くすことを貫いたからこそ、大惨事の場にあっても人々のために動けたのではないでしょうか。
自身の働き方に悩んでいる人や、部下とどうせっせればいいのか、どう部下をまとめればいいのかと迷っている人に、おすすめの一冊です。
レビュープラスさんから献本して頂きました。
佐川萌えというタイトルからして、僕に書評が書けるような本なのだろうかと思っていましたが、届いて本を見てみたら「もしドラ」のようなアニメ風のタッチで描かれた佐川ドライバーの表紙。むむむ、これは、、、と思っていましたが、読んでみればこれは佐川急便という素晴らしい会社が、なぜ素晴らしい会社であるのかを明らかにした本であるということが分かりました。
佐川急便ではドライバーのことを、セールスドライバーと読んでいるそうです。「単に荷物を集配するだけでなく、各々が与えられた担当エリアにおいて、セールス活動、集配業務、物流提案、料金回収」(p.2)までするのが、佐川のドライバーだそうです。
佐川急便とは、1957年に佐川清が手がけた飛脚業(p.49)から始まったそうです。それがいまや5万人の社員を擁する大企業なのです。
佐川といえば、縞シャツ。それに加え、佐川という社名もいいと思うんですよね。縞シャツを見れば「佐川急便だ」とすぐにわかるし、セールスドライバーは「佐川さん」と呼べばその人を呼びかけているようにも聞こえるし、会社全体にも言及しているように見える。そのため、セールスドライバーは常に見られているという意識が生まれ、「挨拶が良くて、いつも爽やかな佐川さんでいなければ」という意識までもが生まれてくるのでしょう。
しかし、東京店の主任、齋藤さん(この人がまたイケメン!)によれば「佐川さん」と呼ばれている間は半人前だそうです。担当ドライバーがお客様に名前で呼ばれてこそ「しっかりお客様との関係が結ばれている」(p.122)ということになるそうです。まず、集団(佐川急便)として意識されていることを意識し、その上で、個人として相手と付き合うことを意識する。この全体と個の意識が両立するところに佐川の強さがあるのかもしれません。
その佐川の強さは新人研修にあるそうなのですが、その新人研修で時代が変わっても変わらず伝えているのが?@「飛脚の精神(常にお客様に誠心誠意尽くすこと)」を理解し、伝承していくこと、?A挨拶・礼儀を体得すること、?B「やればできる」という信念を体得すること、の3点だそうです。それに加えて最近では、「思いやりを形にする」こと、「チームワーク力を強める」ことを教えているそうです。(p.64)
他にも研修では講師たちは先に誉めることを意識している(p.85)だとか、配達の際、インターフォンを押すのは一回までと会社の規定で決めているだとか(p.123)、毎朝の朝礼で行われる「今日のやるぞ宣言」(p.139)、ハイタッチ朝礼(p.140)など、へ〜と思わせることや、仕事をする上で、部下を束ねる上でためになること勉強になることがたくさん書かれています。
また第5章では今年(2012年)に初登場した女性店長の奮闘記も読み応えがあります。筆者は本当はこういう、女性が仕事で輝くだとか頑張ってる話を通して女性が元気になるような本を書きたいのじゃないかなと思うほどです。
さらに第7章では震災が発生した年の3月17日には当方地方でのサービスを開始したエピソードが描かれています。当時の社長が指示したことは「社是にもとづいて行動すればいい」とのただ一つだったそうです。(p.177) そして、自身も被災者であったセールスドライバーもまた、普段の仕事と同じ思いで、お客様に誠心誠意尽くすことを貫いたからこそ、大惨事の場にあっても人々のために動けたのではないでしょうか。
自身の働き方に悩んでいる人や、部下とどうせっせればいいのか、どう部下をまとめればいいのかと迷っている人に、おすすめの一冊です。