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2024年7月 8日 (月)
第1回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2024年6月13日)
今年度第1回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学年吉洋教授)を、オンラインで50名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2024年6月13日に開催いたしました。
まず年吉委員長から、本日の議論は、昨年度末に取りまとめた「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」の中に提起された課題の中から、人材育成と、ファウンドリ及び研究拠点について取り上げたいとのお話があり、事務局からの状況の説明に続いて、議論が行われました。
人材育成については、まずは半導体とMEMSは共通の部分が多いことから、MEMSも半導体の中で捉えて人材育成に当たるべきとの意見がありました。また、東北大で進められているARIM研修なども含めた先進的な人材育成について、大変参考になるものであり、それらのオンラインコンテンツの一層の活用なども提案されました。また、企業側が人材を大学に送り込んで育成することに加え、例えば寄付講座などで最初から企業がMEMS人材を登用するような環境作りも重要との意見もありました。
ファウンドリ及び研究拠点については、設計まで含めたファウンドリサービスが求められているものの、対応できる人材が不足していることが課題として提起され、標準化されたプロセス、設計支援、人材育成、リソース投入の必要性等について議論されました。そのための、ファウンドリと研究拠点のネットワーク化などの重要性についても指摘されました。
最後に、経産省の方から、MEMSの予算要求などに当たっては、エッジAIなどのMEMSとの相性が良いところなどを捉えて、半導体の文脈でMEMSを語るなどもあるのではないかとのご助言がありました。
次回開催は本年9月以降を予定しています。
なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
委員会への参加には委員やオブザーバ等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。
★MEMS事業者連携委員会ホームページ
https://www.mmc.or.jp/mbcc/index.html
★MEMS事業者連携員会事務局
メールアドレス
(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)
2024年7月 1日 (月)
2024 第27回「国際マイクロマシンサミット」(オーストラリア・ゴールドコースト) 参加報告
マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により1995年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。第27回マイクロマシンサミット(写真1)が、オーストラリアのゴールドコーストで、2024年5月26日(日)から29日(水)まで開催されましたのでご報告いたします。
今回のトピックスは「Quantum semiconductor microtechnologies: novelty and re-emergence」でした。日本からは東京大学大学院精密工学専攻の伊藤寿浩教授がチーフデリゲイトとなり、マイクロマシンセンターの国際交流担当の武田と2名で参加いたしました。今回のジェネラルチェアは、オーストラリアのGriffth大学のDzung Dao教授で、会場はMantra on View Surfers Paradiseでした。
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写真1 第27回マイクロマシンサミット概要
今回は参加国・地域が例年より少なく、欧州から4カ国1地域(ドイツ、ポーランド、ルーマニア、UK、イベリア)、北アメリカから1カ国(カナダ)、アジアから3カ国(シンガポール、中国、日本)、オセアニアから1カ国(オーストラリア)の10国・地域から30名のデリゲイトの参加がありました。事前登録はあったのですが、ビザ等の関係でイタリア、オーストリア、ブラジル、ベトナムの4カ国が欠席となりました。また、新たな参加国はございませんでした。最も参加者の多かったのは開催国のオーストラリアで12名、次いでイベリア地域(スペイン)の3名、カナダの3名でした。会場の様子及び集合写真を写真2、写真3に示します。
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写真2 会場の様子
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写真3 集合写真
第1日目はオーストラリアのチーフデリゲイトのThe University of Western AustraliaのDr. Mariusz Martyniukの開会の挨拶(写真4)の後、各国の現状を報告するカントリーレビューとオーストラリアクイーンズランド州の取り組みの11件の発表がありました。2日目は一般講演18件がありました。日本からは伊藤チーフデリゲイトから日本の内閣府の量子技術戦略と量子技術関連プロジェクトとしてムーンショットプロジェクト及びMEMS関連プロジェクトの紹介がなされました(写真5:伊藤チーフデリゲイトのプレゼンの様子)。また、武田から防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度で受託している小型原子時計の研究成果について「The development of chip-scale atomic clocks using quantum interference」と題する発表を行いました(写真6:武田のプレゼンの様子)。
今回のトピックスは量子技術でしたが、量子技術の中のPhotonicsやOpto-mechanicsにMEMS技術を活用しているものが多いような印象を受けました。また、中国、ポーランドからも原子時計の発表があり、小型原子時計も量子技術とMEMS技術が必須なデバイスとして取り上げられていました。オーストラリアでは、Griffith大学を中心にシリコン基板上に薄膜のSiCをつけて、SiCの特性を活かした高性能で安価なデバイスの開発も積極的に行われていたのも印象的でした。
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写真4 Dr. Mariusz Martyniukの開会の挨拶の様子
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写真5 伊藤チーフデリゲイトによる
日本のカントリーレビュー報告の様子
[画像:Micromachine_summit_202406_06]
写真6 武田のプレゼンの様子
テクニカルツアーとしては、5月29日にゴールドコーストから1時間半の距離のブリスベン郊外にある企業Silanna Semiconductorを見学しました(写真7〜8参照)。Silannaはエピタキシー装置を使って、UV光エミッタと検出器、電源スイッチ、RF集積回路を製造する会社でした。新型コロナの拡大により、細菌やウイルスを殺菌する高出力のUV光の要求は高まっており、SilannaのUV光エミッタはこのような用途に使われているとのことでした。
[画像:Micromachine_summit_202406_07]
写真7 Silanna前での集合写真
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写真8 製造工場前での説明
次回のMMS2025の開催月は例年通り5月に、開催地はカナダのモントリオールで、オーガナイザーはCMC MicrosystemsのGordon Harling President & CEOが務めることになりました。また、2026年はUK、2027年はシンガポールで開催されることがチーフデリゲイト会議で決まりました。今後もマイクロマシンサミットにおいて、世界各国のMEMS関係機関との国際交流を深め、世界のMEMSの最新動向を入手して、情報発信してまいります。
(MEMS協議会 国際交流担当 武田宗久)
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