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2005年07月24日

氷いちご

みなさん、お久しぶりです。暑さにメゲず、お元気でしたか?
もうどこから何から書いていいのかよくわからないぐらいに書いていない日が溜まっているけれど、とりあえずまた再開です。ぼくは少々バテ気味だけど、とりあえず元気です。

まず最初にお礼、2つ。
ひとつ目のお礼は、右→にラクガキってくれた、404613さんと、ばくだんさん。遅まきながらありがとう。ほんとうに、みんな、よくマウスできれいに描くのでびっくりしています。
そして、ふたつ目のお礼は、ぼくが7月10日(もう2週間も前になる)に『雪牢』(第5部)を書いたとここで報告したのだけれど、それを読んでくれた「BETA TALK」のkjさんが、ものすごく嬉しい批評をそのblog上で書いてくれたこと(それも作品を発表した当日に!)。批評というのは、やっぱり励みになるんだと思った。作品と批評は両輪であるのかもしれない、とくにぼくのような未完成で(完結してない、という意味ではなく)稚拙なものである作品にとっては、「補完」とは全然違う要素で。ほんとうにヒジョーに励みになりました。
ぼくは、ただほんとうに好き勝手に、後先考えず、どこからか聞こえる小さな声を頼って文章化しているに過ぎないのだけどそれをこうしてきちんと評されると、作品のなかでのささいな出来事が、会話が、動きが、光景が、書いているぼく自身にとってもより、鮮明に見えてくる。

以前から少しずつ読んでいる加藤典洋僕が批評家になったわけ
』(岩波書店)で述べられていることは、批評とは「自由参加の、どこからもはじめられる言語のゲーム」である、ということが大筋なわけだけども、つまりその1冊の本、ひとつの文、ひとつの絵、ひとつの音楽...、それらそれぞれについて、ある人が、それひとつしか知らなくても、1,000冊の本、1,000枚の絵、1,000曲の音楽を読み、聴いた人と同じ立場・土俵で語り始めることができるもの、それが批評だ、と言っているわけで、ぼくはこういうことを述べるときの加藤さんの語り口は甘美という意味でも、甘っちょろいという意味においても、とても賛同できるし支持するのだけど、それは、例えば、批評だけじゃなくて、創作の場においては、もっともっと前段階で「何も知らなくても」書き始められる領域であって、批評というものは、そうしてボヤケながらとりあえず世に出されたものを鮮明にしてくれるものだということを、今回、ぼくはkjさんのおかげで改めて実感することになった
もちろん、ぼくは『雪牢』を文学学校の授業で合評されることを前提に書いているわけだけれど、その合評と言うのは、いつも口頭でしか行われず、そして、もちろんぼくもそうなりがちだけれど、言い回しや文章それ自体、そして構成などに関してあーだ、こーだ、と言い合う時間がほとんどで、自分の作品についての感想、評を、ここまで文章化してくれたのは今回のkjさんが初めてだった。

加藤 典洋
岩波書店 (2005.5)
通常24時間以内に発送します。


そういえば、ぼくが小説をそれなりにきちんと書いたのは、今回の『雪牢』が初めてなのだけど、それまでに一度だけ(12、3年近く前)わりと多くの人に見てもらうことを前提で書いた作品があった。
それはほんの数十枚の短い作品だけれど、作品名を『氷いちご』といって、ある人には「甘ったるい少女小説(そういうジャンルがあるのかどうかは別として)のようだ」と言われたけれど、それはぼくが予備校時代に出していたプチ同人誌(誌名「撞木(しゅもく)」)に、誰も投稿してくれる人がいないために無理矢理書いたもので、ただ、妙な予備校だったため、その作品を現代文の授業で問題文として扱ってくれ(問題は講師が考えてくれた)、そこに作者であるぼくも居合わせるという経験をしたことがある。
そういう経験は、たぶんプロの小説家でもなかなかできない経験で、照れくさいやら、よくある「傍線の一文について作者の心情を20字以内で述べよ」というような問題で、いろんな人が20字以内で答えてくれたりして、そこではやっぱり、今回のkjさんの評でもそうだけれど、作者が全然意図していないことを読み取ってくれる人もいたりして(その後、講師が作者であるぼくに向かって「どう?合ってる?」と聞いてくれたり)楽しかったりもしたわけなのだけど、...そう、何が言いたいのかというと、ぼくはその『雪牢』を書き上げた翌日から、その予備校のあった名古屋へ旅をした。...そう、そして『氷いちご』の舞台は、1990年に開催された「花の万博(国際花と緑の博覧会@大阪・鶴見緑地)」なわけだけれど、この時期名古屋に行くからには、もちろん「愛・地球博」を訪れるために。

(名古屋への旅のことは、いろいろと長くなりそうなので、またボチボチ書いていきます)
(それ以外のことも、ボチボチ書きます)

*

今日の仕事。
蝉の声が果てしなく聞こえてくる事務所にて、納品書や明細書の整理。経理入力は、なんとか6月分まで終了しました。



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