2005年02月22日
クレクレ星人
先日、社労士石井先生のブログ記事「タダで教えて君」を読んで共感した。コメントを入れた方々も同様の経験をされているみたい。無料メール相談に応じると、その後の経過報告やお礼の挨拶がないどころか、最後まで名前を乗らない人もいるのだとか。そのいっぽうで、無料相談が正式依頼につながる場合もあるわけで、それを見込んで敷居を低くするために意図されたものなんだろうけど。
無料サービスをどうするかっていうのが、ビジネスを始めたときの重要決定のひとつなのかもしれない。昨年末、行政書士のオオノ@助太刀さんも悩んでおられたようだし、行政書士+中小企業診断士であり、天才マーケターといってもいい金森重樹氏でさえ、著書「超・マーケティング」の中で、"うっかりやり方をまちがってクレクレ星人の被害に遭った"と書いておられる。タダ、無料と聞けば、なんでも「クレ、クレ」ってやって来る輩のことをこう呼ぶそうで、すごいインパクトのある名称だと思う。
この問題は何も士業に限ったことではなく、運営中の英語教室にも大いに関係がある。私は開校当初、教室を見学したい人のために、日曜日に「無料説明会」を開いていた。それが、仕事を兼務して忙しかったために休日を削ってするのはつらくなり、その後、実際の授業を受けてもらってその前後に説明する「体験受講」に形式を変えた。これを、授業参加型の有料体験と見学のみの無料体験の両方でやってみた。有料のほうも、入会者には体験受講料を入会金から差し引くので結果的には無料になる。
正直いって、有料体験を設定するときは不安があった。英語教室では無料体験が主流になっているので、そもそも最初の時点で誰も来てくれないのではないか、と。でも、結果をみると、無料の説明会や体験受講に比べて、有料体験の希望者が減ったという事実はない。しかも、入会率は有料体験のときのほうが断然高い。
やはり、いったんお金を支払ってまで授業を受けたい、というからにはそれだけ真剣な人が集まってくるのだろう。逆に、無料の場合は、あまり熱心でない人や、冷やかし半分で来る人がどうしても増えてしまう。有料体験にすると、たとえ結果的に入会されなくても、一応、サービスに対する適切な対価をもらっているので、帰られたあとにどっと疲れだけが残る、ということはない。
こういう経験をふまえて、行政書士を開業するときも、おそらく「無料メール相談」は設定しないと思う。士業の先輩方は、皆さんどうされているのかなあ。
ランキングサイトへの応援クリックをいただけるとありがたいです!
トラックバックURL
この記事へのコメント
実際に生徒さんも有料の方がやる気がある方が
多いというのはうなずけます。
それと、どんな些細なことでもお礼状をもらうと大変うれしいですよね。
私も仕事を始めるまではお礼状がこんなにもうれしいものだとは
思いもしませんでした。
それ以来、私も「親切にされたらお礼状をだそう」
と心に決めています。
書こう書こうと思っていても忘れていますが。
人と人のつながりが何かを生むと思います。
プログも人と人をつないで多くのものを生んでいますし。
是非、是非、頑張っていきましょう!!
無料相談については、考え方もいろいろあると思いますが、自分のための勉強という意味では役に立つのではないかと思います。
やっぱり、実際に相談に答えるためにいろいろ調べると、ただ本を読むだけの時以上に知識が身につくと思います。
結局は、何のために無料相談をやるのか、という目的次第だと思います。
因に僕の場合は、無料相談をHPに動きを持たせるために利用しようと思って、BBSで無料相談に答えるという形にしました。
話は変わりますが、今日のお話を読んでいて感じたのですが、「英語ができる」ってことだけじゃなくて、「英語教室」という一つの事業を運営されてきたという経験は、他の行政書士に比べてすごい強みだと思います。
僕も含めてほとんどの行政書士は会社員から独立ですから、事業を営むという感覚に欠けている方がとても多いと思います。
英語教室でも、行政書士でも自営業者であり、サービスを販売して報酬を頂くという点では全く同じですから。
是非、その感覚を活かして頑張ってください。
それでは、失礼致します。
TBありがとうございました。
さらには共感いただいて!
無料相談ですが、士業の中でも個人個人で戦略や戦術が違うのは当たり前なので、様々な考え方があると思います。
私の場合、最初は門戸を開いて無料相談を実施していたのですが、すぐに対応に追いつかなくなり、報酬をいただいているお客様の依頼を疎かにしたくなかったので、無料相談は打ち切りました。
結果、質の良いお客様が集まってきましたね。
今後も「クレクレ星人」には気をつけたいと思います。
小松原さん("先生"はやめますね)、今回の記事にも書きましたが、なるほど、生かし方しだいでは無料相談が有効に働く場合がありますよね。本業を圧迫しない範囲で、BBSでのメール相談に応じるというのも上手なやり方だと思います。英語教室については、たとえば、個人が自宅でピアノや書道を教えるような感覚で始めたので、起業という言葉を使うのもおこがましいような気がしています。でも、いつまでもそんな感覚ではいけませんね。
石井さん、トラバにお答えいただきありがとうございます。実は、ずっと以前から貴ブログのことは知っていて、すごいなあと思っていたのです。だって、4部門にエントリーされていてあの成績ですもん。今後も、ご迷惑でなければときどき顔を出させていただきますね。社労士の業務も、同じ士業として興味がありますし。よろしくお願いいたします。