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「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

2024年09月

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

日本も中国も学歴重視な社会なのは共通しているかと思いますが、社会における学歴の価値や扱いなどについてはイロイロと違いがあります。
中国オタク界隈では日本の作品を通じてそういった日本社会における学歴の扱い、学生キャラクターの進路などを見て中国との違いを意識することもあるのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本では現実でも創作でも退学を経歴として普通に扱っているのが不思議」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本では現実でも創作でも退学を経歴としてアピールすることもあるのが不思議。普通は隠すものだと思うんだけど......

アピールしているのかは分からないけど、「退学」や「中退」を普通に経歴に載せるのは確かにヘンな感じがする

私も正直に言えば創作でも退学に関してわりと普通に扱われているのは結構引っかかる......学歴が全てじゃないのは知識としてはあるんだけどね

二次元作品でも実写作品でもそういうのがあるよね
例えば作品内で非主流の天才性をアピールする設定として外国の学位の他に有名大学の退学というのもたまにある

日本の二次元作品でも現実でも退学を経歴として誇れるのは優秀な人間、成功した人間だけだぞ。それがこっちの感覚と違うというのは確かだが。
日本社会でも一般人にとって退学は普通に悪いものとして扱われる。日本人の噂話では子供が退学したとかは普通にネガティブな話題だった。

この件について俺は学歴による周囲の視線が中国と日本では違うんだろうくらいに思っていて、深く考えたことはなかったわ

能力がある、成功した人間にとって学歴は大した意味はないんだろう
IT業界の創業者は国内でも馬雲(ジャック・マー)とか学歴スゴイわけじゃないのがいるしね

ウチの国のIT業界だと上の世代は大学中退の人もいるけど、下の世代は院卒が普通みたいになるから本科卒業でも扱い的に厳しくなっているくらいだから退学では......

成功したら退学も自慢できる要素になのさ
成功してないなら大きな傷でしかないけど

国内の成功者にも気にしない人はいるだろうけど、大多数は退学などの学歴の傷は「ごまかす」「隠す」「偽装する」のを選ぶ
もちろん日本でも学歴偽装はたまにニュースになっているけどこっちほどじゃない感じだし

日本社会というか日本企業で不思議に感じたのは「中退」と書く項目があることだな
こんなの正直に書く人いるのかと思ったが、日本だと学者のプロフィールにも中退の経歴を書く人がそんなに珍しくないのを見ると普通に書くようだ......

さすがに中退をアピールしているわけではないと思う
単に正直に書いているだけではないだろうか?

私もそういう風に受け取っているな
経歴としてアピールするものではないけど隠すほどのものではないから正直に書いているだけ
もちろん中退に関する社会的な感覚はあるんだろうけどね

社会の空気が違うのかなあ
ウチの国でも退学を気にしない人がいないわけじゃないけど、ネットが中心になっている現代では真っ先に見下される部分だから表に出す理由はまずない

統計の数字とか実体験からすると大学や院をきっちり出た人の割合はそこまで高くないはずだが、現代のネット上では全員院卒な勢いだからな......

こっちだとオタクでさえクリエイターの学歴や大学に行かずに就職するキャラのことを気にする!

あるある
そして日本の長編作品のストーリーがぐだぐだな展開になった際には「作者の学歴が低いから」という批判が出るのも珍しくない

いわゆる「名を成した」人間とその背景に関する扱いの違いを感じる興味深いテーマだね
日本だと成功したあとの学歴の価値は相対的に低くなるのだろうか?

ベンチャー企業とかの傾向を見ても中国の方が社長になりたがる人間は多いし、中国の方が「名を成した人間」として自分をアピールできる人間の割合は高そうな気がするけどそこで学歴に関する扱いだかこだわりだかの違いが出るということかね

国内の成功者は底辺、貧しい出身からのし上がったことをアピールするのは多いけどそういうのって退学を隠さないというのとはちょっと違うか
あと日本は社会に出てからも出身校の学閥の影響が大きいと聞くけど......

それは日本に限った話ではなく欧米も変わらないし、現代の先進国では学歴とそこから来るコネは非常に重要だ
ただ学閥は組織内に入ってから、或いは政治など組織同士の連合の際に有効で組織から外れる場合や自分だけの組織を作る場合はあまり関係なくなるという話もある

日本では成功ルートに関して学歴を積む以外のルートもそれなりに存在感があるという印象だ。二次元でも学校卒業後に進学せずに働くキャラが特に問題なく受け入れられているようだしね。

日本の二次元で進学しないキャラに関しては「学費がない」だけでなく「大学で学ぶことが自分の将来希望する仕事と関係ない或いは高卒ですぐに仕事を始めた方が有利」という選択でもあるとか

私も能力があってやりたい事が定まっているなら大学に入るより独立して動いてしまった方が良いという理屈は分かるが、社会的な評価ということでは難しいと感じてしまう

他には日本人からすれば「尖った才能のある人間は大学にいったら小さくまとまってしまう」「天才はむしろ大学に行かないで自分で大成功する」というイメージになるらしい......あまり意識されないけどこの辺りは「なぜ大学にいかないのか?そこで成功を目指さないのか?」と考えるウチの国とはかなり感覚が違う部分ではないかと

現実がどうなのかは分からないが、創作ならスゴイ人物だと明確なら退学という経歴はある種の箔付けになる
実は学校では評価されない、或いは学校などでは評価できない真の成功者といった感じで
何も特別なものがない凡人だと退学は普通にダメなことを表す経歴だ

理工系とか科学技術関連の仕事でなければ学歴の重要性はそこまで大きくないし、日本社会ではそこを割り切っている印象もあるね

日本企業の採用で重視するものに学歴以外の部分がかなりある
例えば日本の就職活動の面接では「ガクチカ」と言う「学生時代頑張ったこと、力を入れたこと」についてが定番の質問として出てくるが、これは明らかに学歴以外の部分、社会的な能力を試す質問だ
もっとも日本でも学歴が無いと足切りになる企業は少なくないので学歴はあった方が良い、学歴を積み重ねた方が強いということ自体は間違いない

この話題を追いかけていて何となく思い付いたんだけど日本企業は院生をあまり求めない、本科卒の方が歓迎されるという傾向も影響しているのかね
本科卒くらいだったら大学入試通って退学しても企業からすればそんなに変わらないとか?

そこは文系と理系でも違うはずだから何とも言えないよ
でも日本は高校卒業で就職する人間が少なくないし、そっちでの成功ルートもあるとされているから大学を退学した程度では経歴のダメージはそこまで大きくなさそう

日本の大学院、特に人文系は卒業が難しいからそれも理由では
「単位取得満期退学」という単位は全部とったけど論文が出せなくて退学するのがとても多い
そういった学生はそのまま就職するか、執筆活動などを行いながら学位取得を目指すかになるので退学も大きなマイナスにはならない......のかな?

根本的な疑問なんだけど日本の大学って退学が珍しくないのだろうか?
中国だと退学する人間はそんなに多くないから経歴に書くのを躊躇するような所もあるわけだが

結局は学歴重視の度合いの違いじゃないかな
中国ほど進学、学歴を重視する国は珍しい
もちろん中国でも地方ごとに違いはあるし外国には更にとんでもない学歴重視な所があるようだけど、少なくとも日本は中国よりも学歴重視一辺倒ではないだろう......



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈にの認識なども含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国は日本よりも更に激しい受験社会になっているので退学したというのは明らかに失敗した人間という印象を持たれてしまいます。ご存知の通り科挙があった中国社会では伝統的に試験によって『上の存在』になるという認識がありました。これは私の個人的な印象によるものですが現代社会では受験とそれによって獲得できる学歴が『上の存在であることの証明』だという考えもあるように思えます」

「また学歴というのは文化のある証明ということにもなりますし、成功者であっても学歴が無ければ文化の無い人間、底辺の人間として軽く見られてしまう所もあります。これは中国オタク界隈で日本の漫画家やラノベ作家が大学に行っていないということで軽く見られる原因の一つでしょう」

といった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「アニメやマンガのキャラの学歴、学歴に関するイベントが気になって仕方がない。設定やストーリーの都合だというのは理解していても、なんだか引っかかるんだ......」

ちょっと身の回りがゴタゴタしてきましたが、ありがたいことに手頃なネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈ではロボ関係は濃いファンが多いことから、時折妙な話題で盛り上がることもあるそうです。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「ビームの色や演出による強弱の判別」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ふと思いついたんだけど、二次元のビームの色による強弱の判別はあるのだろうか?
「この色は強い」というイメージのようなものがあればそれも知りたい

ビームの色で強さの違いを演出することは多いけど、どの色が強いかは作品次第だと思うよ

緑とピンクは弱い気がする
なんとなく黒が強い気がしたけど黒ビーム使うロボがちょっと思いつかない

黒色破壊光線はエロゲの魔法だし......

そもそも黒いビームという時点で強いけどなんか理屈としておかしくない?という話になってくる
特殊能力としての黒い攻撃はアリだけど

重力攻撃するスーパー系にありそうだが、ビームかと言うと怪しいか。あとはビームマグナムみたいに濃い青が黒に見えるのもある。

俺は白ビームの周りに黒いスパークみたいなのが演出としては一番強そうだと感じたかな

ピンクは当時のアニメ制作会社で余っていた色なので多用された結果、雑魚用みたいな感じになったんだっけ?

SEEDは黄色のビームみたいなレールガンがある世界なのでビームの強さも種類も色では分からない......!

俺は赤がモブも使うビームという印象があるわ

炎の色的に基本的には白系に近づけば強くなるのかな?
でも青が強そうという印象はあまりないかも......

MAP兵器的に焼き尽くすビームは白と赤が混ざっている描写が多いと思う

強いビームになると色が混ざるというか、色が変化し続けるような感じになるね
あと個人的なイメージだけでいいなら、ビームも結局は赤が強い気がする
そんなに強くないビームの色は黄色かな

黄色が強くないというイメージは分かる
私の脳内でも普通のビームは黄色系の色と普通の効果音で飛んでくる

自分はハイマットフルバーストでロボアニメファンとして育った世代なのでたくさん色があると強いというイメージがある

自分もうろ覚えだけど「ガンダムW」だとガンダムの使うビームが緑で強いという描写があったような......

ビームの形状も影響するんじゃないか?特にビームサーベルは緑で変形すると強い扱いになる

そういうのはプラモのエフェクトパーツの印象が混じっているのでは......

色の選択は作品次第だろうけど、基本的には専用機が使う専用の色だと強い
上で言われているように微妙なイメージの黄色に関しても、雑魚がピンクビームでボスが黄色みたいなパターンはある

ビームの色も区別の手段だからな
言ってみれば二次元のキャラの髪の色と一緒!

ガンダムだと白に近い方が強い(高出力)だったような?
「08小隊」でビームの色が変わる演出があったはず

ビームって主に陣営やキャラの違いを表すことが多くて、威力の違いはあまり無い気がする
ビームサーベルの大元である「スターウォーズ」もそんな感じだし

色よりも演出の方が重要
ビームの周囲を別の色が螺旋状にまとわりついているのは強い

ハッキリと螺旋とまではいかなくてもビームの周りにスパークがある演出だと高威力になる

螺旋の演出は確か「宇宙戦艦ヤマト」の頃から使われている演出だね
螺旋状のビーム攻撃はヤマト専用だった

俺はビームは太いか細いかが重要だと思う
リアルに考えたら可視状態になるのがおかしいわけだから、二次元では逆にどれだけ強烈な演出で可視化されるかというのが強さの基準になるのではないかと

確かに極端に太いか細いかだと強いな
あとはビームが貫通した後の影響が強調されてから爆発するような演出のときも強い

私は細く見えるビームが薙ぎ払った後に大爆発するのが強そうで大好きです

ビームに文字が入ったりエンブレムが出たり、人物や動物が浮かび上がるのはめちゃくちゃ強いぞ!

石破ラブラブ天驚拳は反則では?



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈のイメージがイロイロと出ているようでした。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「私の記憶ではロボのビームの色に関してはスパロボ、それも昔遊んだスパロボで学んだ色が刻まれているようです。新作のスパロボで原作通りの色のビームや爆発の演出になったのに、なぜか『元の色と違う!』という感情が出てきました......」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

9/19追記:
深センで発生した痛ましい事件に関して犠牲者の方のご冥福をお祈りさせていただきます。
この件に関する質問を複数いただいておりますが、恐らく私が調べても現地の反応に関して日本でのニュース以上の話は書けそうにないので記事にすることはないと思います。

個人的にはこの事件が九一八に合わせて発生したであろうこともかなり厳しいと感じました。
中国では満州事変(中国では九一八事変)関係で柳条湖事件の発生した9/18頃から国慶節にかけての間はさまざまなキャンペーンやイベントが行われますし、反日ムードが非常に高まる時期でもあります。
そういった背景もあってか毎年この時期は日本関連コンテンツの規制や、中国のネットでの炎上などのリスクを強く意識させられます。2012年の反日暴動もこの時期だから盛り上がったという面はあるかと思われます。
そして今回の事件や近年の中国における日本関連の扱いや空気を考えると、いよいよ戻れない所に来ているのかなどと考えてしまいます。
ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

近頃の中国では西遊記や封神演義などの中国古典をベースにした世界観の娯楽コンテンツのヒット作が出ているのもあってか、中国オタク界隈でも現代の感覚で中国古典ネタを考察ことが増えているそうです。
またそれに伴って昔と違ってきている部分に関する議論が盛り上がったりもしているのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「近頃の国産作品では永遠の命、不老長寿を良いものだと描かないことが増えてきた」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近は国産作品でも永遠の命、不老長寿を良いものだと描かないことが増えてきた気がする
西遊記ネタが分かりやすいけど、他の作品でもそういう扱いが増えている
なぜこういう変化が起こったのだろうか?昔は永遠の命は良いもので外国作品の扱いは理解し難いという感じだったのに。

私も昔と比べてそういった傾向は感じる。
現代社会の人間は世界がどうなっているか、地球の外がどうなっているかも知っているから「老いない」のが良いことばかりではないと考えるようになってきたからだろうか?

情報が増えて望むものが増えた、単純に長く生きるだけという「特典」の魅力が相対的に薄れたというのはありそう

二次元に関しては、長く続くことが良いことではないのが分かってしまった。
特に長編連載でグダグダになる作品や、本編終了後に金儲けのために延命しているのが明らかな作品が目に付くようになったからだと思う!

一応古代の伝説上の長命な皇帝にも服毒死したのは結構いたけど、そういう話ではないか

そんなに難しいことではないと思うが?
結局は人間が不老長寿になるのは無理だと分かったから不老長寿が良いものではないと言って自分をだましている、そういう考え方を周りに押し付けようという人間が増えただけだろう

作品のジャンル次第な所ではある
例えば修真などの神仙になるのが大きな目的になるジャンルでは当然不老長寿が悪く扱われることはない
あと別に不老長寿を否定しようという考えではなく、世界観的にバランスをとるために不老長寿をちょっと後ろ向きに解釈する部分やそれに関するストーリーを加えるような作品もある

そういう変化に関しては現代における西洋系コンテンツの流入による影響がありそうだけど......

日本の二次元作品とかもね
国産ネット小説だと不老長寿が良いものだという扱いの作品は昔から多かったけど、日本の二次元では不老長寿は基本的に「良くないもの」扱いだ

既に言われているけど結局は負け惜しみ、いわゆるすっぱい葡萄だと思うよ。手に入る情報が増えた結果、手に入らなくなったからネガティブに解釈するようになったわけだ。

俺もその考えに同意
古代であれば不老長寿は求め続ける価値がある、いつか実現できるもの扱いされていたが現代の環境では求め続ければ実現できるものではないというのが分かってしまったからだろう

環境の変化もだけど私はそれ以上に流行り廃りの関係の方が大きいと思う
不老長寿を肯定的なものとして描くのが飽きられたから、逆方向に解釈するのが流行っているのではないかと
ジャンルを問わず娯楽分野ではよくある話だ

今の時代「生きることに飽きる」のが想像しやすくなった上に「医療によって無理に生命維持する」ことのつらさも可視化されている
「不老長寿」を求める気持ちはあっても完璧に良いものだと考えるのは厳しい

昔の人間の平均寿命なら「もっと長く生きたい」という考えで良かったんだろうけどね

いつのまにか不老不死に「死ぬ権利が無い」「死にたい時に死ねない」というイメージがついて回るようになってきたのは考えてみれば不思議だ
昔は不老長寿単体ではなく、仙人になってついてくるおまけだったし仙人が死にたがるなんて考えも普通は出てこなかった

長く生きることに関する問題としては自分だけが生き続ける、劣化することがないなどの特殊条件を付けないと嫌だという感覚が生まれたというのがあるかな?
逆に言えば「コードギアス」のルルーシュとC.C.のような相方のいる関係が続くなら悪いものではないという考えになるのでは

創作においては不老長寿を否定的な要素と一緒に描写する方が楽だというのもある
主人公側が不老長寿による恩恵を充分に活用した世界観、ストーリーを面白くするのはかなり難しいぞ?

でもそういう世界観だと一般人の立場は厳しいんだよな
中華ファンタジー世界って変化しない、進歩しない世界だから武侠的なパワーを手に入れられない人間はずっと下の不便な暮らしのままだ
そういう立場の人間は不老長寿とは関係ないんだろうけど、近頃は不老長寿前提の世界にいる一般人の悲哀みたいなものを考えるようになった自分もいる

テーマから少々外れるが、ファンタジー系の長命種族には短命の種族と比べて長い時間間隔による芸術などの創作、短命種族の活動を一歩引いて見守るといった生き方も目立つ
ただこれも強さと知識があってのものだろう
不老不死で良い暮らしをするには権力、強さとセットになっているというのも必要なのにこういった議論ではその部分が軽視されがち

昔の不老長寿って仙人になった際の能力の一つとか、帝王や怪物の求める能力だったし、一般庶民が求めるものではなかったはず
一般庶民のキャラが求めるようになって、不老長寿単体ではダメな部分が顕在化したようにも感じられる

近年娯楽の主流になっている中華ファンタジーも昔の武侠作品も結局は強者であること、社会の規則に縛られない存在であることが基本だからね......

社会の変化に伴ない悩みの方向、具体性が変わった
今は金持ちキャラは大体悩みを抱えているし、自分の悩みは他人には理解でしてもらえないという話になる
また逆に餓死することの恐ろしさを想像できる人はあまりいない

こういった考え方が広まる理由としては科学の発展もあるだろうし景気の悪化の影響もあるだろう
しかし俺にとって一番大きかったのは新型コロナの流行によって生活が変わってしまったことだ
うちの爺さんは新型コロナ流行前は友達や親戚連中と集まって騒ぐのが大好きだったけど、今では日がな一日テレビを見ているだけになってしまった。
親しい友達もいなくなり時代の変化や新しい社会システムについていくのが難しくなっても生き続けるのはきつい......

現代では不老ではないとはいえ長く生きられるようになって長く生きることの楽しくない部分がたくさん目に付く時代になっている
そもそも長生きしても金がなければ良い生活はできないし、今住んでいる場所がずっと良い環境でいられるとも限らないというのが分かってしまう

昔と違って将来が良くなっているという考えはできなくなっているのがつらい
それと今は不老長寿=自分ひとりだけで生きていくイメージなのもつらい
昔の仙人関連の不老長寿だって仙人や修行のコミュニティはあったのに

現代社会は便利にはなっても将来の不安が消えるわけではない、むしろ就職とか他人との比較とかで精神的に追い詰められたりするし精神的な負担は増えていく気がする
昔はもっと単純でいられた、不老長寿だけに憧れていられたのではないかと

昔は平均寿命短いし、簡単な病気やケガでも死ぬときはあっさり死ぬから不老長寿に憧れるのも当然だ
逆に現代社会だと普通に生活している分には簡単に死なないし金があれば手に入る楽しめるものだってたくさんあるから長く生きることだけが憧れの対象ではなくなった

言っては何だが、現代では「長生きすれば良いことがある」という実感が薄れているというのも何かと影響してそうだ

言いたいことは理解できる。
これに関して私は昔のSFと今のSFの違いにも近いものがあると感じている。昔のSFは科学で世界をなんでも変えられたが、今は科学の力で災害から逃げることになる。

他にはリソースが有限という考え方が広がったのもあるかな?
中華ファンタジーでもいわゆる霊気的なものが有限という世界観は出てきていて、強い存在がたくさん使うと弱い存在が使える量は減っていく、そして差は拡大するし最後は霊気が無くなってしまうという考えにもなるので不老長寿がずっと不滅で安定したものとは考えられなくなる

昔と違ってふわっとした認識ではいられないんだよ。そしてそれが創作にも影響する。
「安心」のために設定ばかり積み重ねても見る側にとっては面白くなるどころかつまらなくなる

現代だと考えるきっかけはリアルでも二次元でも結構あるからな
「フリーレン」や「ダンジョン飯」とか長命を否定するわけではないが、単純に良いものとも描いてないから結末には引っかかるものがある
しかし寿命の違いから生まれる印象的なストーリーというのもあるわけで

ここまで話題を追いかけてみたけど、不老長寿を悪く描くだけなのも結局は想像力の不足だと思う
悪い方だけに解釈するのはどうなのかと

とは言え現代だと家族や友人が自分より先に死ぬ、親しい人や愛する人が死んだ後も苦痛を抱えながら自分は生き続けているというのが体験しやすく、或いは想像しやすくなっている
現代はそういった社会になってきているのだから、不老長寿を単純に良いものとして扱うのもある種の想像力の不足な気がしてくるかな......



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の認識も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国のネット上のネタで考えるなら二次元の他にもSCP関係からの影響もありそうです。私自身もSCPを追いかけてから永遠の命に対する考えがかなり変わりました。一度そういう解釈をする情報が入ると単純に永遠の命、不老長寿を肯定するのが難しくなります......」

などといった話もありました。

不老長寿とは直接関係ないかもしれませんが、中国関係の情報を追いかけていると中国で安定した老後を送る、平穏にこの世からオサラバすることの難しさというのは何かと意識してしまいますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

10年程前の記事になりますが、よろしければご参照ください。
中国オタク「永遠の命って死ぬより怖いことなの?」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈は日本と比べてバッドエンドを嫌う傾向が強いという話がありますが、それとは別に特定の作品のバッドエンドが強烈な印象を残して話題になり続けることも少なくないのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「皆が二次元で初めて出会ったバッドエンド作品」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
(話題が話題なのでかなりネタバレが含まれていますのでご注意を)


皆は初めて二次元で出会ったバッドエンド作品ってなんだった?
まだバッドエンドになるなんて想像しなかった時期に出会った、作品を追いかけた末のバッドエンド体験を教えてほしい

短編じゃなくて長編の話ってこと?

長編、作品を追いかけ続けて最後にぶち当たったバッドエンド体験についてを頼む!
あとバッドエンドという解釈については個人の主観で問題ないので思いつくままに語ってくれ!

分かった。短編なら「秒速5センチメートル」を挙げようと思ったが、長編なら「アルドノア・ゼロ」。「秒速5センチメートル」はその終わり方に浸れたけど、「アルドノア・ゼロ」は納得いかなくてしばらくの間モヤモヤが続いたし作品アンチになってしまった。

自分の場合は「CLAMP」作品のどれかだったと思うけど......記憶がはっきりしない

「ギルティクラウン」のバッドエンドが私のオタクの深みにはまるきっかけだった
考えてみれば当時はバッドエンドが評価される雰囲気もあったし今ほどバッドエンドで炎上することもなかった

俺は無難に「Fate/Zero」で経験したけど、最近の「サイバーパンクエッジランナーズ」のように最初から「バッドエンドの名作」と知って見ているなら炎上しないし受け止められる人も多いのではないかと

「CLANNAD」
当時は大泣きしたし今でも見ると涙が出てくるよ

二次元じゃなければ「三国演義」か「水滸伝」のどっちかだと思うが、二次元だとたぶん「バジリスク 〜甲賀忍法帖〜」

最初のバッドエンドは恐らく「Air」だと思うんだが、バッドエンドとしてのダメージはそれほどでもなかった
その後に見た「Angel Beats!」とかの方がダメージ大きい

昔「sola」という作品があってだね

オタクの先輩に含蓄のあるスゴイ作品だと薦められた「今、そこにいる僕」
確かにスゴイ作品でスタッフも豪華だったが私は見終わってから2か月は引きずった

ラノベだけど「イリヤの空、UFOの夏」には衝撃を受けたよ
オタク向け作品で分かりやすく萌えイラストの挿絵な作品なのにこういう終わり方するのかと

解釈が分かれる作品だろうけど自分にとっては「コードギアス」の「R2」だね。中学の頃だった。
ルルーシュが死んでる死んでないの激論でしばらく盛り上がったのも良い話だし、その後の展開についても今となっては良い思い出だ

上の世代には「エヴァ」の旧シリーズが初バッドエンドだったという人は結構多そうだけど......

いや、案外そうでもないんだよ
こっちで放映された「エヴァ」のTV版の最後は何だかよく分からなかったし、旧劇場版は海賊版経由だから人生初のバッドエンドな人は逆に少ないと思う

オタクになってからまだそんなに経ってないので大して昔の作品ではないけど「四月は君の嘘」かな
作品の知識が増えるにつれてあれが予定調和なのだと理解するようになったが、見ていた時の自分の感情は間違いなくバッドエンドだった

その気持ち、俺も何となく理解できる
このテーマだと俺にとっては「アカメが斬る!」が該当するけど、当時はそういう展開がお約束だと知らなかったから衝撃を受けたよ

自分にとっては「Phantom」がそんな感じだったなあ

この話題で思い出した「この醜くも美しい世界」
そういう作品が流行っていた時代だったのかね

そういう時代だったのさ
ちなみに俺は「最終兵器彼女」が初のバッドエンドだった

Keyの作品とかを見ても分かるけど二次元にはバッドエンドが作風のクリエイターとその需要が常に存在するのだろう

二次元のバッドエンドにも流行りのようなものがある
分かりやすい所では虚淵玄のヒット以前と以降の違いとかね
私が二次元で最初に意識したバッドエンドのアニメは「喰霊-零-」だったけど、大体その頃にはウチの国のアニメファンにもバッドエンドを最初から警戒する空気が出ていたと記憶している

「クロノクルセイド」だった
短編作品や実写映画ならわりと耐えられるし事前情報があれば覚悟はできるんだけど、長編を追いかけてバッドエンドになるのは厳しい......

「クロノクルセイド」は原作版はまだ救いがある、と見せかけて実はそっちも救いが無いというのがヒドイな!

このテーマで久々に意識したが作品の名前が出てこない......
たぶん虚淵玄の作品で暗殺者の男女コンビが主人公で最終話でエンディングに入るタイミングで急に暗殺者が出てきて主人公が殺されて終わる
作品の名前は思い出せないのに見たあと数日よく眠れなかった気持ちは今でも思い出せる

上で出ている「Phantom」だろうね。原作ゲームのバッドエンドをあえてアニメ化したあの唐突なバッドエンドは混乱しながら怒っている人が当時も少なくなかった。

「Phantom」は原作ゲームにも無いオリジナル展開でバッドエンドだったはず
だから日本のファンも荒れたらしい

「白鴿島」「環保剣」「神厨小福貴」など、一昔前の国産アニメは明らかなバッドエンドやビターエンドな作品があったので、その頃のテレビアニメを見ていた子供にとってはそれが初めてのバッドエンドアニメになっていたのではないだろうか?

「環保剣」とか完全な悪の勝利EDだったよな......ラスボスを倒すためのアイテムを揃えて武器完成させて挑んだら実はもう一つ必要なアイテムがあって敗北とかよくやったもんだよ

子供の頃はアニメにバッドエンドがあるなんて考えもしなかった
ついでに私は昔TVで見た「セーラームーン」が個人的にはバッドエンドに近い印象になった
それまでバトル要素があってもコメディの入った展開だったのに最終局面に入るとセーラー戦士達が惨たらしく死んでいく全滅展開
後で復活するとはいえかなり引きずるトラウマになった

個人的な主観でいいなら「千と千尋の神隠し」
「またどこかで会える」という言葉の通りだったらよかったのに



とまぁ、こんな感じで。
中国に入った日本の作品事情も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「昔の中国の国産作品にはバッドエンド、いわゆるビターエンドな作品も少なくありません。子供向けでも容赦なくバッドエンドになることもありました。例えばアニメの『環保剣』などは敵側が優秀で主人公にレベル上げをさせない、ボスを倒すための最後のアイテムはボス自身が確保と嫌なリアリティ重視でした。今ならば環境保護がテーマなので人間の心が変わらなければダメだという話も理解できますが、当時アニメを見ていた子供の私はショックを受けたので納得はしていません」

「個人的な印象になりますが、中国ではネット小説が娯楽の中心になってからバッドエンドを提供する作家は減ったように思います。ネット小説ではバッドエンドにするのは直接的な収入に負の影響が出ますし、炎上して作家に対する攻撃が発生するのでリスクが高過ぎます。言い方を変えれば、作家と読者の距離が近くなったのでバッドエンドが難しくなったということなのかもしれません」

などといった話もありました。

現在の中国では日本よりもクリエイターとの距離が近いような空気もありますし、作品の反響に関して考えなければいけない中国独自の事情というのもイロイロとあるのでしょうね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈でも自分の見た作品、追いかけた作品に対する文句や愚痴で盛り上がることは多いようですが、ストーリー展開に関する話題は特に伸びやすいそうです。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「逆にストーリーしか褒める所がないような作品」
などに関するやりとりが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ストーリーしか褒める所がないような作品ってある?
ストーリー批判はよく聞くけど逆の例があれば知りたい

うーむ......意外に難しいテーマかもしれない
ストーリーだけでなく音楽や声優が評価できることもあるし、現代だと厳しいが昔の作画崩壊作品が当たり前だった時代の作品と比べれば見れなくもないといったケースもある

その辺については大体の主観的なもので構わないよ
商売だからアニメになった時点で原作含めて最低限のラインは超えているのが普通だろうし
ただCVに関してはファンの評価が混じるのであまり重視しないでほしいかな

ストーリーだけでなく音楽も悪くないので少々厳しい気がするけど「サクラダリセット」を挙げてみよう
個人的に大好きだがストーリー以外の問題から布教しにくい所が......

「サクラダリセット」はOPとEDも良いから布教難度は最悪ではないと思うな!

実際の所、声優と音楽までひどいことになる作品はかなり珍しい気がする
「褒めるほどではない」というレベルにとどまることはあっても

「七つの魔剣が支配する」はストーリーに結構良い所があったんだけどアニメとして見るとクオリティが低くて評価もガタガタになったのが、私としてはかなり残念だった

「けものフレンズ」とかはどうだろう?「1」の方
予算の問題でクオリティはとても低いけどストーリーは良かったし人気や評価も後から急上昇していった

「けものフレンズ」は低コストでぱっと見の印象が安っぽ過ぎるだけで動いている分にはそれなりに見れるレベルだったし、劇中に散りばめられた動物ネタや現実の日本の動物園とのコラボとか光る物はかなりあったよ

「新世界より」ほどこのテーマに合う作品は無いと思う
本当にストーリー以外にどこを褒めればいいのやら

「新世界より」レベルではないけど、俺は「迷家-マヨイガ-」もストーリー以外に褒める所を探すのが難しい作品だと思っている
ストーリーが最大の価値だからそれで構わないんだが

アニメ化を強行してやらかしたような作品は大体それでは?
俺は「ムシウタ」や「魔法先生ネギま!」とかが頭に浮かんだ

その辺りは普通にアニメ化失敗なだけでストーリーしか褒められないというレベルではないと思うのだが

原作マンガは良いけどTVアニメはひどい出来で原作から持ってきたストーリーだけはそこそこ見れるような作品は探せば結構ありそう?
あと「魔法先生ネギま!」はアニメオリジナル展開、原作の路線変更などストーリーが不評で世界観やキャラは評価されているテーマと逆のタイプでは......

そういうことなら「惑星のさみだれ」のアニメを挙げさせてくれ。
なおストーリー目的で見るなら原作マンガを見た方が良いという話も付け加えさせてもらう。原作ファンがどこを好意的に解釈すれば良いのか悩むようなアニメだった。

アニメではないけど「ワンパンマン」の原作とか?評価は高いけどそれはストーリーやキャラについてで絵は下手というのは皆割り切って見ている。

「ワンパンマン」はマンガとしての描き方は上手いという評価もあるからどうなんだろう?村田版の方で原作からカット改悪みたいな話は出るし

「モブサイコ100」が原作の絵柄でアニメ化して成功しているし、個人的にはONE版も普通に読めたからこのテーマ的には違うと思う。

自分も思いつくのは「新世界より」だな
あとアニメ以外でも良いなら「Ever17 」
絵柄もシステムも日常パートの話もヒドイけど作中のトリックの上手さとその衝撃で現在もギャルゲーの良作として評価され続けている

「Ever17」は出た当時の日本市場では普通のクオリティと流行の絵柄だし、中国語版が非常に少なかった時代に出た中国語版ギャルゲーだから絵柄とシステムに関してはスルーしてほしい......日常パートがだるいのは否定しないけどね

「Ever17」はストーリーしか評価するところが無いというよりも、現代の感覚で遊んでも評価できる名作という存在だと思う
まぁシステム周りに関してバグあったし中国語翻訳もキャラ名の翻訳がルートで違うとか当時でもわりとダメな方だったけど周りには更にダメなのがあった時代でね!

とは言え実際のプレイ体験としてキツイものがあったのは確かだ。
私は日常パートは我慢してゲームを進めてみろ!という言葉を信じて一ヶ月ちょっとの間ちまちま進めていた時の徒労感はよく覚えている。その後の展開は確かに良かったけどさ......

「Ever17」はPC版の時代に遊んでいた人はともかく、PSP版くらいの頃になると薦められて遊んだ人間にとってはストーリー以外褒める所が無いレベルだった

「ランス6」がユーザーに不親切なバランスやインターフェース、ボイス無しなどの理由からストーリー以外評価できないと言っている自称ランスファンは珍しくない......

ストーリーだけで生き残り続ける「FGO」の名前がまだ出ていないのだけど

「FGO」って本当にストーリーが評価されているのか?ストーリーに関しては定期的に炎上、最低値を更新みたいに批判するような動きが出るからどう評価すれば良いか分からなくなるんだが

「FGO」はサービス開始当初はストーリーどころか公式のキャラが使えるということくらいしか褒める所が無かったんだぞ!

ソシャゲとして見ると「FGO」はストーリー、設定や世界観とガチャシステムが組み合わさったある種の理想形、唯一無二な所があるからストーリーが売り物ではあるがストーリーだけしか良い所が無いというのは違うと思う

ストーリーだけというテーマなら「ヘブンバーンズレッド」の方があってそう
本当にストーリーだけを目的に遊んでいる人間が多くてシステム周り、ゲームバランスに関して好意的な話がなかった

ゲームなら「レイジングループ」とかもこのテーマに合うと思う
大好きな作品だけど問題点の方が多いのは認める

あったな......CGも画面もシステムも微妙でCVも日本語能力低くても分かる棒読み具合、BGMも別に良いわけではないがストーリーは凄かった
人狼と伝奇の組み合わせであれほど完成度の高いストーリーは他に無いと言いたくなる作品



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈に広まっている作品の事情も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「ゲームに関しては外国で発売されていから中国国内で作品の評価が認識され中国語環境で容易に遊べるようになって広まるまで時間がかかる時代が長い間続いていました。そのため名作の評判を聞いて遊んでみた時には発売から数年後だったという話は珍しくありません」

「そしてその際に過去の作品のCGやインターフェース、システム、中国語翻訳などを最新の時代のレベルと比較して日本で言う『クソゲー』のように認識して低評価をつける人も少なくありませんね」

などといった話もありました。

アニメもマンガもゲームも時代に合わせて制作側の感性、サービス精神といったものも変化していきますし、昔の作品を現代の感覚で評価するのは難しい所もあるのでしょうね。ただ中国オタク界隈で酷評されがちな「昔の絵柄」の問題と比べると、ストーリーに関しては昔の作品でも評価されやすい傾向があるように感じられます。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈ではいわゆる二次元系の戦闘に関する定番要素が定期的に話題になっているようですが、中でも武器関係は各人の好みも含めて考察方面で盛り上がることも多いのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「音楽系能力で戦うキャラの変化」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


今は音楽系能力で戦うキャラは直接攻撃するキャラになっていないか?昔はバフキャラみたいなのが多かったと思うんだが......
皆の中で戦う場面における歌うキャラ楽器演奏するキャラの役割、戦い方がどうなっているか聞きたい

音楽系といえば音波攻撃か?
でも今は音波攻撃メインのキャラは見ない気がする

言われてみれば自分の中でも音楽系、特に歌唱系はガチガチな物理のイメージがあるね
以前の作品を考えるとバフや精神操作系が多かったはずなのに

「シンフォギア」の影響かと思ったが、それだけじゃないか

歌いながら喧嘩するというやつだな

「シンフォギア」の影響も間違いなくあると思うけど、歌でバフかけて自分も戦闘するタイプがアニメやマンガ、ゲームで増えているというのもあるかと

歌うわけじゃないけど、モンハンの狩猟笛を最初に思い付いた
あれも考えてみればバフかけて殴る方向だよね

モンハンの狩猟笛大好き
主にカッコいいから使ってる

そう言えば狩猟笛も昔の音楽系キャラのイメージからは外れているよね
昔は後衛のバフキャラでパワー系要素はなかった

バフ特化、精神操作だと主役級として活躍できない。これはゲームでも同じ。
現代の環境では音楽系も戦闘できるように設定されていくのは当然の流れだ。

敵側の能力だと便利なんだけどね
中国の古典でも昔からある種の定番能力ではあるし

音は実感的に分かりやすい広範囲へのバフデバフ、状態異常攻撃だから昔から活用されているのも当然だ
しかし二次元だと視覚的な効果も必要なので相対的に地位が落ちる

音楽系は領域展開みたいなバフ或いはデバフ空間を作り出すようなイメージだなあ

俺が歌で戦うということで真っ先に思い付いたのは「マクロス7」だったが、ああいうのを今やるのは難しいのかね

戦場の中で戦いよりも俺の歌を聴けというのは熱気バサラ、マクロスシリーズ以外がやってもパクリにしかならないのでは......

単体でやるのは何かと厳しい
ただスパロボのような戦闘系ばかりの作品だと個性として有利ではあるね

昔マクロス今戦姫絶唱なのか

音楽系を物理攻撃に寄せるのは現実でギター破壊するアーティストがたくさんいるからそんなに難しいものではないと思う

ギターが斧や剣扱いになっているのは珍しい話ではない!
音楽や歌もそのまま音波攻撃になる!

ギター系は「ギルティギア」のイノとか印象に残るキャラが定期的に出現しているように思う

このテーマで思いついたのはメタル系のやばそうなキャラかな
血を流しながら歌い戦うような
外見は悪魔的?

音波攻撃するキャラの歌は上手いのか下手なのか問題が常について回るしファンの間でネタにされがち

このテーマを見て吟遊詩人!と思ったが具体的なキャラが意外に思いつかないぞ......

吟遊詩人キャラってゲームには多いけどアニメだと珍しい気がする
言葉が巧みで戦いにおいては歌ってバフデバフをかける

吟遊詩人......弦楽器、竪琴を使うキャラ......私の脳内では「聖闘士星矢」まで遡ってしまった

具体的なキャラは出てこないけど竪琴などの弦楽器で糸攻撃もあったな
しかし今は糸は糸で特化系の武装になっているから音楽関連と一緒に扱われるのは珍しくなった

弦楽器、そしてギターケースから銃火器という連想になったぜ
調べてみたらセーラーマーキュリーが竪琴使ってたね

音楽系キャラは「デート・ア・ライブ」の誘宵美九とか、使う武器がかぶらないようにするためかキャラが多い作品だとそれなりにいる
結局、補助系になると活躍という面で厳しいのかもしれない

言霊攻撃もだけど、効果がの有効無効で勝負が決まるタイプは味方側では活躍させにくいと思う

音で何か(モンスターや人間の精神など)を操作する、音で広範囲攻撃だから二次元的な一対一で盛り上げる展開と相性の問題がね
それに数人の小隊規模だとやはり魔法バフと比べて効果のアピールに関して相対的に弱い

上の方で「シンフォギア」に関する話が出ているけど、私は影響はあってもそれほど大きなものではないと感じている
戦闘シーンで勝ち確定の時に処刑BGM、主題歌が流れるのは二次元に限った話ではない

同意する
個人的には格闘ゲームやMOBAのヒーローユニットなど、個人でバフだけでなく攻撃など一通りの役割をこなせないといけなくなったから、歌が特徴のキャラも歌うだけではいられなくなった、そして武器モチーフの武器も単純な音波、物理だけではなくなっていったのではないかと

歌系武器だと「AKB0048」のマイクサーベルがとても印象に残っている
アイドル専用武器としてかなり好み

「学戦都市アスタリスク」の生徒会長は歌を媒介にして現実世界に様々な現象を発生させる能力で何かと使いやすそうだと感じたな

歌が魔法詠唱的な位置の作品もあるね
音楽も売れるから非常に有効!

アニソンは作品の売上にとって重要だから作品内で自然に演出できるように世界観、設定を構築したと思われる作品も結構ある
例えば「クロスアンジュ」は歌が必殺攻撃の起動コード(つまり必須)になっていた。これは良い演出、商売としても上手いと思ったよ

音による攻撃は広範囲に対して防御が困難な攻撃が飛ぶのが強いけど対象が無差別だから扱いにくいしバフ系がやはり無難なのだろう

私の中では子供の頃の思い出補正もあってか歌の威力最強のイメージはいまだにジャイアン
なので「使い難さ」というのは実感として把握できる



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈で認識されているキャラも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「動画の影響が大きい現在の環境ではアニメ作品とキャラに関して印象的なアニソンやBGMと一緒に広まることが多いので、歌が多い作品はそれだけで有利になっていると思います」

「しかしアイドルやバンド系作品の歌は良いのですが、昔の作品に多かった作品外で展開されるキャラソンに関しては大人気の作品でない限り厳しいですね。私の記憶では[『涼宮ハルヒ』などはキャラソンも当時の中国でかなり広まっていましたが......」

などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
ありがたいことに以前の記事
中国オタク「近頃話題になっている孫悟空と白骨の精の恋愛って姜子牙(太公望)と妲己の恋愛みたいなものだろうか?」「どっちも嫌なんだけど」
に関して
「中国では西遊記の二次創作で孫悟空と白骨の精をカップリングするのはテンプレの一つとなっています」
という話やそれに関連する情報を教えていただきましたので今回はそれについてを。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「西遊記二次創作で白骨の精をヒロインにすることが多いのはなぜ」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


西遊記二次創作では白骨の精をヒロインにすることが多い気がするけど、なぜなのか?
原作からはそういうアレンジをするのはあり得ないと思ってしまうのだけど

昔の香港ドラマの影響じゃなかったっけ?
それを知らないとあり得ないドン引き改変に感じてしまうのは俺も分からなくはない

原著からすると孫悟空が恋愛する時点でかなりの解釈違いだし、ヒロインにするのがよりにもよって白骨の精かよ!と思うよね
そして遡っていくとだいたい周星馳(チャウ・シンチー)のせいになるのでは

そうそう。孫悟空と白骨の精の恋愛関係、因縁に関しては「大話西遊」(邦題「チャウ・シンチーのチャイニーズ・オデッセイ」)からだという認識で良いだろう
最初かどうかは分からんけど、最初の大きな影響は間違いなくこの作品

俺も「大話西遊」の白晶晶からだと思う。この作品は当時本当に大人気でウチの国における西遊記ネタの扱いに大きな影響を与えたし、かつて孫悟空と恋人関係だったという設定でこのキャラを思い浮かべる人も少なくないだろう。

そしてそこからネット小説の「悟空伝」や西遊記世界観ベースの国産ゲームに広がったというわけだ
しかしゲームもドラマも世代間で視聴経験が違うし、ネット小説に関してもメインの読者層は若くないから、現代の一般的な感覚で昔の西遊記ネタの作品が雑に改変していてドン引きすることも珍しくない......

いまだにゴタゴタしている『黒神話:悟空』のストーリーやキャラの原著からの改変についてもそういう面があるよな

白骨の精は原著の内容からしてみれば孫悟空が忌み嫌うような妖怪のはずなのに、よく二次創作でヒロイン扱いできるな

今と比べて昔は古典ネタの娯楽コンテンツが少なかったし、原著の内容を分かりやすく面白く把握する手段が無かったからね。だから当時は先にドラマから入ったとか、自分の中のイメージが固まっていない時にドラマのイメージが刷り込まれたといった事情が考えられる。

「西遊記」の原著では白骨の精のエピソードは人気が高いし、女キャラということでキャラクター人気はさておき娯楽作品にする上で何かと使いやすいんだよ
そこからカップリング的な方向で人気になっていったと思われるが、その過程、変化の積み重ねを知らなければ拒否感が出るのも無理はない
上で言われている「大話西遊」も30年近く前の作品だし、ネットでも周星馳の人気全盛期を知らない人が増えた

原著そのままだと現代のドラマとしては売るのが難しいから恋愛要素を追加、強調するのは昔からありがち。
そして昔の香港の作品ではそういうのが安易に、原作重視ではなく娯楽と話題性重視で行われていた。

二次元だと例えば「シティハンター」の実写版で成龍(ジャッキー・チェン)だから銃撃たないで武術で戦う、流行りだから春麗のコスプレをして許された時代、環境だからな......他にも「スト2」の版権許可取らないでネタにした作品もあったし......

周星馳の中国本土での影響が非常に大きい時代があって、その時に「大話西遊」もかなり広まった
当時は人気と「そういう作風」ということで原作改変問題は押し切れたのよ

私も周星馳全盛期の頃は気にしなかったけど、今の感覚で当時の古典名著ネタの作品見るとちょっと......ストーリーの改変もだけど、何より孫悟空というキャラを毀損しているようにも感じられるのが厳しい

今考えてみると原作でまともに扱える女キャラが少ないから消去法の結果、白骨の精が女性キャラ枠で孫悟空の相手になったようにも見えるな

そもそも孫悟空に恋愛要素入れてどうするんだという話はさておき、孫悟空の相手になる、会話が成立するレベルの女妖怪だと鉄扇公主か白骨の精の二択になるし、それなら白骨の精の方がまだマシという考えになるかも

私の同人脳からすると白骨の精の執着が孫悟空への恋愛感情になっているという解釈ができてしまうのだよ!
実際他の妖怪と比べると白骨の精の孫悟空に対する執着の深さは突出している(描写が多く手段も豊富)
宿敵からのカップリングは二次元的にはある種の王道......!

そもそも西遊記にはまともにヒロインになるような女キャラいないからね
そういう話にするなら大幅なアレンジが必須になる

女性キャラ、ラブロマンスを創り出すために白骨の精も活用したわけだが......日本みたいに三蔵法師を女体化するまでは開き直れないのは良いんだか悪いんだか

原著には地湧夫人や玉兎の精とかいるけど、終盤の微妙な部分のエピソードだし出てくるまでに時間がかかるという問題がある

そもそも「大話西遊」だと女性キャラは孫悟空に惚れているみたいなことになっていたし......鉄扇公主もそんな扱いだった

なんで昔の作品はそんなにラブロマンスを加えたがるんだ?西遊記をなんだと思っていたんだ......

知名度の高い素材?当時の香港の作品に原作尊重を求めてはいけない。
日本の二次元だってあの頃のアニメ化は原作無視と魔改造が普通だった。

人気キャラはもてる、女キャラとカップリングされるのはよくある話だし、一般向けにラブロマンスにするのもよくある話だよ。
問題は現代で西遊記などの中国古典名著原作でそれをやることだろう......これも「昔は問題にならなかった、許容されていたけど現代ではダメ」な案件だ。

「通俗小説」とはいえ、時代によって歓迎されるもの許容されるものは違うし難しいなあ
三国演義で呉を中心にソープオペラみたいな展開入れて大炎上したドラマとかもそんなに昔の話ではないし

俺は現代の環境ではOOC(Out of Character)だという批判が非常に強いと感じる
それに加えて二次創作界隈の感覚と一般の感覚のズレも拡大している

最初の「大話西遊」はラブロマンス路線で実質オリキャラの紫霞仙子がヒロインだし、時空を超えたストーリーということで西遊記そのままではない
だから当時も西遊記ベースのファンタジーとして受け入れやすい所はあった
最近の炎上は西遊記の世界観そのままでやっちゃったから違和感が強くなって反発も出たのではないかと

そういうオリキャラの方向だと女の妖精系が多いかな?
あとは「大話西遊」のように転生して過去に......というパターン?

「大話西遊」はコメディの皮をかぶった作品だし気楽に見れたというのもあるね
宣伝で西遊記の王道路線を強調するとか、好みの分かれるネガティブ解釈がたくさんあるダークファンタジー系の空気でやるのとは違った

白骨の精が西遊記二次創作のカップリング相手の定番になっているのは知っているけど、それを見るたびに孫悟空に恋愛させるならオリキャラ出せばいいのになぜそれを続けるのかと思ってしまうよ
香港のドラマにだってオリキャラでラブロマンスやる作品はあった

そこは二次創作だからね......オリキャラを出すと世界観との調整や読者への説明が必要になるけど原作にいたキャラを改変すればそういう手間を省ける。特に白骨の精は過去の作品によって二次創作界隈に積み上げられたイメージも使えるから便利なんだよ。
原作のことを考えたら邪道かもしれないけど、ダークな解釈をする方向の作品ならまさに定番だ。

邪道と言われたら私も否定はできないけど、制作サイドにレッテルを貼って狂ったように批判する空気はどうかと思うわ
昔は問題なかったし、普通に楽しまれていた方向なのにと

今は昔のような緩い空気の共有は無理だよ
白骨の精ヒロインに関しては二次創作、三次創作どころか多次創作になっているのを原著ベースで批判している感もある
そして現代の環境ではジャンル外の人間が積極的に知ろうとしてくれるのも期待できない



とまぁ、こんな感じで。
以前の記事とは違った方向からの話がイロイロと出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「最近の中国で『黒神話:悟空』のストーリーやキャラの改変が大炎上したのは制作側が昔の感覚でキャラとストーリーを作ってしまった、世代間や一般層とマニア層の間に存在する経験や認識の違いが大きな原因の一つです。現在は昔の香港のドラマを見ている人の割合はかなり落ちていますし、『大話西遊』で行われていたような改変に慣れている人の方が少数派です。また古典の二次創作を積極的に読みに行く人も現在の中国のネットユーザーの割合で考えるとそれほど高くはないと思います」

「御存知の通り中国では古典名著に関しては改変する方が悪です。それは原作を尊重していない、価値観に問題があるといった批判にもつながりかねません。『黒神話』に関しては陰謀論的な改変、説明不足なストーリーが余計に炎上を拡大したようにも感じられます」

などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
中国の二次創作事情に関しては私もまだまだ知らないことばかりですし、今回の件に限らずいつも以上にツッコミ&情報提供お待ちしております。
ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では日本の作品における定番、お約束事情に関する話題が日々飛び交っているそうですが、その中にはキャラクターデザインに関するふわっとした疑問に関する話題も少なくないそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「二次元だと髪を結う、アップにしてまとめる髪形のヒロインが現実と比べて少ないのは何故?」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


二次元だと髪を結う、アップにして後ろでまとめる髪形のヒロインが現実と比べて少ない気がする。何故だろう?見た目としてもキャラの区別としても有用なはずなのに。

現代では髪型としては存在するけど何かと手間がかかるからね......

髪をアップにしてまとめた場合、装飾品をつけたりしやすいしバリエーションもたくさん出せるから一見有用に見えるし、実写ドラマでもよく使われるからスレ主の考えは理解できる
しかし描くのがめんどくさいという二次元的に極めて重要な問題があるんだよ!

髪によるキャラの区別だけなら二次元には色で分けるという伝統的な非現実的手法があるから、楽をするならそっちでいいんだろう

描くのがめんどくさいので概ねイベントでの一場面、或いはゲストキャラ用の髪形だ
アニメだと作画のスタッフが死ぬし、マンガだと漫画家が死ぬ
だからゲストキャラもいなくなったり死んだりする!

ヒロインの作画コストが高過ぎて雑になるのは本末転倒だよな

アップにしたキャラがいないわけじゃないぞ?
メジャーな所では例えば「Fate」のセイバーが代表的だ

そういえばそうか......でも印象に残らないんだよなあ

俺もどこかで見た記憶はあるしいないわけじゃないはず、でもすぐには思いつかない

印象に残らないのはキャラの少なさもだけど、二次元だと背中側のシーンが少ない、正面か斜め前からの描写が多いという事情もあるんじゃないかな
アップにした髪型って二次元的な視点で前から見てもハッキリ分からないからキャラデザによる効果が薄いんだよ

二次元によくあるキャラの後ろの構造はどうなっているのか問題は服だけでなく髪形にも関係している
おかげでイラストでもコスプレでも苦労する......

セイバーの他には「ゆるキャンしろさんかく」の志摩リンとか?
どちらにしろ二次元だとデフォルメされた髪の描写になりがちだし作画がめんどくさいというのはあるのだろう

後ろでまとめるくらいなら「セーラームーン」のようにお団子にして上の方に二つ乗せるのが二次元だな!アップにするよりツインテールにした方が印象が強くなりがち

セイバーの髪の後ろ側もしっかり描写するとかなり手間だからなあ
あと後ろでまとめているけどそこから更に髪を長く流して特徴を作ることも珍しくない

後ろでまとめる髪形って「綺麗に見せる」ための作画コストがかなり高いんだよ
それでいてストレートロングと比べたら需要としては微妙

俺は「ヴァイオレットエヴァーガーデン」みたいな髪型が大好きだけど、京アニだから期待できるものだというのも分かる

探せばいるんだけどね......私も髪型を特徴的にしているのは後ろではなく前か横のイメージあるなあ

横側の構造不明の編み込み髪はよくある

普通にいるだろと思ったが、私が最初に思い付いたのが「名探偵コナン」の妃英理だった
メインヒロイン級だと珍しいか?

「君の名は。」の宮水三葉は後ろでまとめてなかったっけ?

上で前から見た話が出ているけど、前から見た場合は上手く描かないとショートの髪形と変わらなくなるし、ショート系な印象になると二次元ではロングヘアに比べて相対的に「弱く」なってしまう

キャラが衣装を次々に着替える、着せ替えイベントの時にアップにした髪型になることも多いし二次元で使われないわけではない
しかし普段の髪形が後ろでまとめた髪型にしているキャラはそれほど多くない

手間がかかる=一人で日常的にセットするものではない=高貴なキャラという表現にもなるし、学生の少女がその髪型でいるのは理屈に合わないということにもなるのでは

なるほど
自分で朝にセットできるかも重要ということか

年上キャラの髪形という記号的な意味もあるから二次元のヒロインとしては少ないのかも?
例えば「銀魂」でも月詠の髪形なわけだし

言っては何だが後ろでアップする髪型って老けて見えやすいからねえ

否定し難い......私も実体験から上手くやらないとおばさんの髪形みたいな印象になるのは理解できてしまう......

見た目の良い髪形だしセクシーな肉体を強調することもできる良い髪形だと思うんだけどなあ......実写でもよく使われているのに

二次元で一番多いのは学生、青春時代の年頃な少年少女だから、そういう強調の方向だと使うキャラをかなり選ぶことになるぞ?

成人の髪形みたいな所はあるね
「本好きの下克上」だと成人女性はそういう髪形にするという世界観設定もあった

メイド系キャラは布かぶせたシニョンでまとめていることも多いので若いキャラについてはその辺りを探せば結構出てきそう
あとは動かさないでも良い、立ち絵は使いまわせるギャルゲーを探すのも良さそう
「Fate」も元はそっちの作品だ

これは二次元的な表現との相性があるんだろう
俺は男のキャラで言えばオールバックの髪形でカッコイイキャラを作るのが二次元だと難しい、特に前髪に頼らずにやるのは厳しいのと似たようなものだと思っている

髪を結うのは二次元だと主に和服状態の髪形
和服でうなじを露出するのは日本人にとって非常にフェチ度の高いサービスシーンになるので難しい髪形の更に後ろ側の作画でも頑張る価値がある

フェチはさておき、こっちでも髪を結うのは歴史系作品というイメージはあるからね
昔風の結った髪型がある種の記号として活用されている所はあるのだろう

さっと後ろでまとめるような髪形で出てくるキャラはいるよ
「物語シリーズ」の戦場ヶ原もそういう雑な髪形の回があった

二次元だとまとめずに縛って流す、ようはポニーテールにするんだよ!



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈におけるイメージも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「髪形に関しては各国の文化や地理環境が反映されるのも興味深いと感じています。私は昔、日本の女子学生に長髪が多いのは創作特有の非現実的な部分だと思っていたのですが、実際に日本に行って髪の長い女子学生が多かったのに刃驚きました。中国では黄砂が飛ぶので長い髪を綺麗なままで維持するのは難しいですし大人になってからならともかく、学生のうちは長い髪を維持するのは難しいです。後ろでアップにする、編み込むのも時間がかかるのでやっている学生は少ないはずです」
などといった話もありました。

私はずぼらな人間なのであまり髪を意識してはいませんが、留学していたころの北京では黄砂の時期には短くするだけでなく帽子やバンダナで髪を覆ってないと厳しかったですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
ありがたいことに以前の記事
中国オタク「逃げ上手の若君を見始めたんだけど、ラスボスとの戦力差ひどすぎない?これ勝てるの?」「歴史のネタバレをすると......」
に関連したネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

「逃げ上手の若君」の影響もあってか、近頃の中国オタク界隈では鎌倉〜室町時代に関する話題が増えているそうです。
そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本の幕府は中国の王朝とは違うのか?」
などといったことに関するやり取りを


日本の作品ではわりと頻繁に幕府が滅びるけど日本の幕府というものがいまいちわからない
幕府って王朝みたいなものでいいの?

日本の幕府と中国の王朝は違う
幕府は天皇に地位と権力を渡された武力統治組織......かなあ

そこまで大きくは変わらないのでは?
封建時代の統治組織という部分はあるわけだしな

そういえば「銀魂」でも将軍暗殺で幕府が滅びてたっけ

最近だと「逃げ若」や「戦国妖狐」で幕府滅びてるな!

鎌倉幕府と室町幕府では同じ幕府でも結構違うからなあ

明治維新も一応徳川幕府が滅びた結果なので、新選組などの幕末関係は全て幕府が滅びる話と言えなくもない。

日本の歴史上、武士の登場によって天皇や貴族は武力を持たなくなるので日本の天皇は中国の王朝と皇帝とも違う存在だ

そもそも日本の歴史上、幕府は3つしかない上にどれも統治システムが違う

二次元だと「幕府」ネタは江戸幕府がベースなことが多いよね
安定している期間が長い上にネタも多いからだろうか?

ウチの国の王朝と日本の幕府は違う
「南北朝」は日本にもあるけど、中身はかなり違う......

中世の日本社会では幕府(将軍の幕僚機構)のトップである征夷大将軍が実権を握っていたわけだし、幕府がその時代における実質的な日本政府だと見る分には間違いではないね

俺には将軍に関してもどこまで権力があったのか分からなくて混乱する
「逃げ若」の北条家って将軍ではなく執権だし、幕府の守護代が大名になって地方軍閥になる過程とか何がなんだか

日本社会の王朝というなら制度的には天皇が該当するはずだけど、権力関係が独特だ
日本の天皇はずっと続いているけど、幕府が存在する時代になってからはほぼ実権無しになる

「逃げ若」の鎌倉幕府滅亡とその後の日本の南北朝時代に関しては天皇が武士階級から権力と武力を含めて取り戻そうとしたので滅亡後の動乱が大きくなったという側面もある
そこは王朝が滅亡した時に近いのかもしれない

日本の南北朝は南朝が正統だけどそっちが滅びて残ったのは北朝の方なんだよね
そしてそれが現代にまで影響している模様

現代にまで影響してはいるけどその辺りに関しては単純ではない。江戸時代は北朝が正統扱いされていた。
しかし江戸幕府(北朝推し)を滅ぼした明治維新の際の思想の大元になった水戸藩(徳川御三家なのに)が南朝推しだったから近代日本では南朝が正しい、北朝を作って南朝と対立した足利尊氏は歴史上の大悪人といった扱いになっていた時期があり、それが近年は更に反転するなどいまだに評価が安定しない。
南北朝時代が日本では「敏感」な時代だとされ、その時代を舞台にした娯楽作品が少ない原因の一つがこれ。

日本の南北朝は実質北朝政権の時代で、南朝は北朝の権力闘争の手段として生き延びていられたような所もあるし......

こっちの王朝と比べると幕府は滅びた際の影響が少ないのは興味深い

確かに。「戦国妖狐」とかで滅びる室町幕府は末期だと有名無実の存在だったし、既に日本社会は戦国で下剋上な時代に突入していたので滅亡の影響はそこまで大きくないように見える。

足利義輝暗殺の影響は日本戦国時代のパワーバランスに影響を与えたし、足利義昭は織田信長包囲網の形成など権威による影響力は結構長く存在したから影響が無いというわけではないかと
まぁ足利義輝も足利義昭も、三好や武田、本願寺といったその時その時の勢力に都合よく利用されていたという面が強いけどね

俺の中の戦国時代の足利のイメージって「信長の野望」と「戦国ランス」だから邪魔してくる権威だけはある存在みたいになってる

日本は天皇システムの下で権力を握った家臣がどんどん変わっていくから王朝で例えるのはなんか違う
どちらかと言えば一つの王朝で皇帝が変わって時代が変わるという例えの方が近いように思う

日本は天皇が変わると元号が変わるからその考えが近いかもね

実は日本が天皇一人につき元号を一つにするようになったのは明治維新以降で、それ以前は自然災害や不吉なことがあると改元する習慣だったり......それに将軍が代替わりして元号変えたりはしていたような?
なお中国では皇帝一人に元号一つというのは明から始まった

日本の幕府はシステム的に言えば漢の献帝と董卓、その後の曹操の関係が近いと思う
天皇の権威を以て諸侯に命令する

そういう見方もできるけど、幕府と諸侯の間には互いを支える、相互に影響がありコントロールする流れもあったので中国の王朝よりもかなり曖昧なバランスになっていたようだ

幕府に関しては実質的には中国の王朝として見ても構わないと思うけど、軍事政権や僭主政治な所も見て取れるから迷うね

とりあえず鎌倉幕府、日本の南北朝、室町(足利)幕府、日本の戦国時代、江戸(徳川)幕府と認識しておけば大体問題ない、はず!

今思いついた疑問なんだけど、鎌倉幕府は源幕府とか北条幕府とは言わないの?

それを言うなら源幕府ではなく源氏幕府だと思うが

どれも言わない。鎌倉幕府で源家が将軍だったのは三代目までの30年くらいでその後は京都から藤原家や皇族を呼んでお飾りの将軍に据えて執権の北条家が統治していたから「源」「北条」のどっちで呼ぶのも正しくないということになる。
ちなみに源氏平氏などの氏族で見ると北条は平氏なのでそういう意味でも源氏幕府と呼ぶのは問題がある

将軍なのに武士じゃなかったのか......いよいよ混乱してきた

そもそも征夷大将軍が官職の一種だ
「逃げ若」の時代はずっと皇族の将軍が続いていたから武士よりも皇族が将軍になる方が「普通」だったとか

将軍と言っても武士の台頭以降は天皇、皇族が直接軍を率いることは無くなっていたのでほぼ名前だけだったけどね。だから「逃げ若」にも出ていた護良親王は作中でも言われている通りかなり珍しい存在だった
日本で皇族同士が戦争した大きな事件としては飛鳥時代の壬申の乱があるけど、このくらいの時期だと規模はともかく統治システムに関してはこっちの感覚でも理解しやすい所がある。
ちなみにマンガでは手塚治虫の「火の鳥」の太陽編がこの事件をテーマにしている。



とまぁ、こんな感じで。
一昔前はあまり見なかったような話題や知識が飛び交っていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「鎌倉時代の武士はこれまでの二次元作品などにに出ていた武士と異なる所も多いので戸惑うこともあります。私の中の武士のイメージは幕末、新選組関連の影響が強いので......」
などといった話もありました。

中国オタク界隈に鎌倉〜室町時代の知識が入って武士や幕府のイメージがどう変わっていくのかについては私も興味があるので引き続き追いかけてみたいと思います。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「一休さんに出てくる将軍って足利義満だったのか。最近知って驚いたよ」

ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈でも何かと注目を集めてはいたものの、中国国内向けのアニメ配信に関する情報が出ていなかった「逃げ上手の若君」ですが、8月も終わりになった頃に急に配信が始まったそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「中国で『逃げ上手の若君』が急に配信開始」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


「逃げ上手の若君」の配信が急に始まった
てっきり国内配信無理なんだと思ってた

同意
残虐な描写が多いし歴史ネタでアレな部分がありそうだから国内向けだと回避されたものだと......

少年マンガ系の王道、「鬼滅の刃」や「マッシュル」の次の作品が欲しいという流れならば理解できるけど日本のマイナーな歴史が舞台だから版権取らないというのもあり得る話だったからな

2か月遅れだけどまぁいいか......

7月のシーズンもうすぐ終わりだけどね!

買わないよりも買ってくれた方が良いけど、今後の話でどれだけ内容に修正削除が発生するのか不安ではある

人の首が飛びまくるシーンとかどうするのやら

そういうのは全面的にカットするか、黒くして場面転換じゃないかなあ

「鬼滅の刃」というもっと厳しい作品が配信されているわけだし、弾幕コメ付きの楽なネット環境で雑に流しておく分には見れるといったくらいにはなるのでは

外に見に行く場合はリージョン以外にも回線の速度や不安定さの問題があるし、個人的には気軽にまた見るとか内容うろ覚えで調べるために見るといった場合にbilibiliでの配信は助かるけど、やはり既に見た話の修正版をもう一回見る人はそこまで多くないのかな?

俺は媚び顔のショタが削除されないかが一番の心配だよ!
その方向に関しては修正削除の参考になりそうな前例が無い

表情だけなのだから原則としては問題無いはずだが、嫌悪感が出る人は間違いなくいるから別の口実で通報攻撃というのも考えられる

歴史系作品ではなくスポーツ系作品だから大丈夫だ!

着られて飛ぶ首で蹴鞠か?

捕まったら即斬首!って18禁動画というのはどうだろう?
素人 じゃなくて殺しのプロだけど

「逃げ若」よりも「負けヒロインが多すぎる!」の版権とってくれよ!
そっちの方が盛り上がっただろうに

言いたいことは理解できる「負けヒロイン」は今期屈指の高評価作品だし
でもラブコメはオタクの話題性はあっても伸びにくいし、恋愛モノなので国内ではリスクがあるからねえ

なら私は「しかのこのこのここしたんたん」を希望させてもらおうか

ウチの国だと「早恋」の問題があるし、子供向けどころか場合によっては青少年向けから外れてしまうのが厳しいよね
(訳注:中国には子供の恋愛は有害であるとされる「早恋」という考えがあるので子供、若い学生も視聴可能な場所にある恋愛系作品に対する批判がよく出ます。詳しくは当ブログの過去記事などもご参照ください。
中国オタク「ウチの国で少年少女は『好き』と愛を囁くことはできない......字幕で感謝や良い人認定の言葉にされてしまう」)

現代では恋愛モノは終わり方が国内の視聴者の好みに合わないと炎上、通報の流れになるからプラットフォーム側にとってのリスクが高い
かと言って評価が確定してから版権とっても新作期間中のブーストを得られない、削除修正の入った国内向け配信をもう一回見てくれる人は少ないという問題が......

ウチの国だと恋愛要素のあるアニメのリスクがこの数年で急速に上昇している
期待通りでなかったことで作品を攻撃する視聴者と完備されたネットの通報システム、作品批判で稼げる動画配信やフェミニズム関連の空気が合わさった環境がどうにもならん

「ガガガ文庫」系列だと「俺ガイル」が第一期はよくても第二期第三期と失速して今ではネガティブな評価だし、「弱キャラ友崎くん」は設定に批判殺到して微妙なのがな
ラブコメも百合も最後まで良い評価で終われない可能性というのは結構なリスクだ

話題の流れを見ていると「逃げ若」より「敗犬」(負けヒロイン)の方が規制されないと考えている人が少なくないようだけど、直接的なサービスシーンは「敗犬」の方が多いのを忘れてないか?
脱衣や水着や入浴とかこっちの基準だと全部カット修正の対象だぞ!?

7月新作だと「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」とか修正がかなり多いよな

なぜ版権を獲得しにいかないのかというなら「MyGO!!!!!」だよ!
こっちはずっと熱を維持しているし再生数だって伸びるだろうに!

今年bilibiliではアニプレックス系の作品は配信されているし7月だと「ATRI」も配信されているのに「負けヒロインが多すぎる!」が配信されないのはなんだかなあ
やはり金が無いのか

「逃げ若」に関しては「鬼滅の刃」の遅れ方を考慮すると、情報が出なかったとはいえ遅れた期間に関しては想定の範囲内ではある

現在の状況でアニメ作品の修正と審査手続きの時間を考えると2〜3か月かかるのも普通だろうからね

強引に弁護するなら7月新作に複数ある学園ラブコメから「負けヒロインが多すぎる!」という当たりを引くのは難しかっただろうし、「逃げ若」を確保にいっただけ優秀だと言えなくもないかな?
「逃げ若」も内容のリスクはあるし、告名で配信するための修正コストはかかるわけだからね



とまぁ、こんな感じで。
急に始まった配信に中国オタク界隈でもちょっとざわついているようでした。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「『逃げ若』の配信開始は私もかなり意外に思いました。私はこの作品に関しては歴史問題が絡む上に残酷な描写があって、更に同じ原作者の『暗殺教室』が規制されているので版権を買う所が無かった、或いは審査を通らなかったのだと考えていました......」
などといった話もありました。

「逃げ若」の中国向けの配信に関しては情報がほとんど出ていなかったので私も配信はなさそうだと考えていましたし、突然の配信開始には驚きました。7月新作には他にも配信されていない注目作があるので、そちらの作品も配信されると良いのですが......そこまで期待するのは厳しいですかね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「逃げ上手の若君を見始めたんだけど、ラスボスとの戦力差ひどすぎない?これ勝てるの?」「歴史のネタバレをすると......」
中国は9月から新学年なのでこの時期は中国オタク界隈も動きが鈍くなるので、今回はありがたいことに以前教えていただいたものの後回しにしていたネタで。

中国のいわゆる二次元系のジャンルや中国オタク界隈の盛り上がりにおいて、「Fate」シリーズはいろいろな意味で原典の一つとなっていることもあってか、
「Fateのような作品」
「Fateのような成功」

といった文脈で語られることも多いそうです。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「Fateのように複数の作家が関わる作品が成功できる理由」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本ではなぜFateみたいな複数の作家を使った作品が成功しているのだろうか?Fateはなぜ上手くいったんだろうか?才能以外の理由があれば知りたい......

複数の人気作者が集まっての創作って夢があるし最初は良いんだけど、作者間の調整が難しくていつの間にかグダグダになって消えていくよね
関わった作者達も別の自前の作品に注力するようになって期待していた人間はガッカリする

日本はクリエイター間の距離が良い意味で近いという印象がある。ネット上の営業的なものとはまた違った感じで。
だから合作の調整、他のクリエイターによるネタを自作に反映するとかも上手くいくのではないかと

才能の問題かもしれないけど中心に柱となる作家(Fateなら奈須きのこ)がいるのと、同レベルの作家の一群でやるのとでは違う部分が多い
もちろん同レベルと言ってもレベルが低いわけではない、こっちでもネット小説系なら長編作品で成功した作者が集まるわけだし成功の目が無いわけではないだろうけど、企画が走り出したときに分解しやすいのは明らかにこっち

最初から基礎となるストーリー、良質な世界観があったことだろうか?
「Fate」はこれが出来ているから、他の作家はフレームに沿って制作すれば良いし、たまに失敗する部分が出てもファンは耐えられる

型月は作家の個性や特異なジャンルが違うのに出てくる作品が型月の伝奇作品の範囲に入っているのもよく考えたら凄いことだよね

国内の失敗例を考えると主導した作家や企業のリーダーシップ不足というか、向いてなかったみたいなのが見受けられるし、奈須きのこと型月が現在の体制で作品展開するのに向いていたということでは......

作家連合による創作ってすぐにどっちが上か下か、どちらがたくさん仕事してリソース割いているか、誰が得して誰が損しているかみたいな話になって作品が二の次になりがちなイメージがある

こういうのって二次創作向きの作品かどうか、二次創作が盛り上がるかというのがまず重要で、世界観を大きく深くするよりも大筋として把握できるストーリーや世界観になっているのかが大事

中国の作家はシェアードワールド向いていないんだよ
誰もがトップに立ちたがるしお互いに相手を下に見るから継続した仕事を上手くやっていくのなんて無理

集団創作と言いながら、他人が書いたものをひっくり返して自分の踏み台にしようとするというか、結局は自分のための作品しか書かないというか......

その辺は中国に限らずIP持っている所がスタッフ入れ替えて作った作品でも発生する。日本の二次元業界でも珍しいわけではない。
しかしこっちの集団創作だとそういうのが目に付き過ぎるのも否定はできない。

このテーマで想定されるようなプロジェクトっていわゆる「成功した」作者を集めるから言うことを聞かせるのが難しい
他人の作った設定を上手く使うよりも他人の作った設定をぶっ壊す方向になりがち

成功した作家を集めた企画の場合、自分が中心になれない企画なら別の作品を書いた方が金銭的にも名声的にも良いということで、別の作品は書いているのに企画の方の作品はずっと放置みたいなことになったり......

国内でも複数の作家使って成功しているケースはあるぞ?
皆が日常的に見ている国産ネット小説、あれは大体が複数人による制作体制だ

言われてみればそうだな
ウチの国のネット小説は商売で勝つ、稼ぐために複数作家、スタジオ体制で量産している

ネット小説の場合は世界観を共有して別キャラ、別エピソードを作るわけではないけどね。ただ「Fate」で例えるなら「FGO」に近いやり方になっている所もあるはず。
トップになる作家がコントロールして、バトルパートや日常パートなどを得意な作家に割り振るみたいなのは珍しくない。

日本はゲームでシナリオを外注する、メインライター以外のライターにも仕事を投げることが多いので業界が慣れているというのもありそう
中国は分業体制が作品の内容でも商業的な習慣でも安定しない

しかし分業体制に慣れているはずの国産ネット小説で成功した作家が世界観共有した複数ライターの参加する作品をやろうとして爆死するのは何故なのか

シェアードワールド的な作品とかウチの国だと始まるときは威勢が良いけど中盤で崩壊していくイメージしかない

一つの看板での内部体制じゃなくて外部作家との作業になるからというのが原因の一つかな?
ビジネスとしてもクリエイターとしても面子の問題が出てくるし、利益と責任の問題も表面化しやすい
「Fate」が強いのは奈須きのこが設定、内容を全てコントロールするという上下関係があるのと、その体制に合ったライターを使っているからではないかと

「Fate」には聖杯戦争という現実世界を舞台にした英霊召喚というシンプルで応用の効くフォーマットがあるのが良かった
中国で中華ファンタジーや武侠ベースでやっても作者や読者の知識と認識、共有する世界観における国家や文化、習慣といった細かい設定が食い違って面倒なことになる

似たようなテーマを考えていて、日本の作品は規模が小さいまま終われるのが良いのではという考えになったことがある。
日本の作品はどれも規模が小さい、村レベルの戦いとかバカにされがちだけど世界観を共有した作品を作る上では「やり過ぎない」「その後の作品を縛る設定を残さない」というのは重要。
世界の危機を救うのは良いけど、世界を超越して頂点に立つのはインフレ加速するから作品としては良いことじゃない。そして中華ファンタジー系だと超越して世界を上から眺められるようになるのが求められるしどの作家も多かれ少なかれそれで成功してきたから加減が上手くない。

理解できる話だ。西洋のファンタジー系世界観の作品、TRPGベースの世界観による作品群を見てもそういった部分はある
アメコミのように定期的にリランチするやり方もあるけど、設定重視の中国の読者には好まれないだろうから難しいかな

極端な言い方をすれば型月系作品は原作奈須きのこで他のライターは全部二次創作だし、そういう関係の方が企画としては安定するのだろう。あと設定に矛盾が出てもめた場合、奈須きのこが出張ってきて処理を行うのもファンを混乱させないという意味で非常に有効。
ウチの国の過去の企画を考えると、誰が作品を創作したかの争いが起こったり勝手に「公式設定」を投げ込んだりとファンの信頼を失うようなことが様々な作品で様々な形で発生している

私が思いつく成功の理由は、奈須きのこが下にかなり好きにやらせている、本人が口を閉じているわけじゃないけど関連作品に対する過度の干渉はしない(ように見える)、良い意味で商売よりも作品でファンからの評価を狙っている所だね
それから武内崇が権利や組む相手をかなり厳選して奈須きのこ主導で進められるような環境にしているのも成功の理由として欠かせない
才能がある作家はいるけど、その作家の才能を信じて奉仕するクリエイターとしてのスキルや嗅覚もある優秀なビジネスパートナーは滅多にいない......

きのこと社長に関しては、社長がきのこに勝手に描いたイラスト送りつけたり、ストーリーの修正に関して発破をかけたりと距離が近く動きが速いのも特徴だろう
ああいうクリエイター同士の距離感やスピードはこっちの成功したクリエイターを集めた企画では無理だ
作家ではなくスタジオや企業が前に出る形でも怪しい

私もイロイロと考えてみたが、やはり中心に完結した大成功作品があるのが強いという結論になった

それは同意したくなる話だ
ネット小説は引き伸ばして稼ぐ構造になっているし、最初からシェアードワールド的に始めた場合はメインストーリーがきちんとしていないから迷走しがちになる
アメコミだってクロスオーバーやる前に個々のヒーローとヴィランの話をやっているわけで

ストーリーでなくても、大枠となる時間軸と大きなイベントが確定していればいけると思う。
上の方で出ていたTRPG的な世界観の作品はそういう形でまとまっていたりする

内容以外の部分だと作品の権利を奈須きのこと武内崇がしっかり握ってコントロールしているのは大きい
複数の作家が関わる場合は権利関係もぐだぐだなことが多いからね

日本はラノベ、ネット小説は一人の作家が書いていることが多いけど、ゲームシナリオは複数の作家が分業していることも多い
これはエロゲー時代から続く業界の習慣なのでFateに限らず長編作品やりやすそうに見える

内容に関してはある程度雑に扱える複数の世界、平行宇宙を内包する世界観になっているかも重要だろう
ある作家が書いた内容が別の作家が書いた内容と矛盾するとか、別の作家の構想を掣肘するようなことが起こり難い
世界観は複雑にすればいいとは限らない

自分の認識していなかった部分の話もあって興味深い話題だ
個人的に思いつくのはやはり「Fate」のテンプレが非常に使い勝手が良いということだね
能力を好き勝手に解釈した歴史上の偉人のサーヴァントを出して聖杯戦争、聖杯戦争中のサーヴァントの生死は問題ない、最後はお別れ!というのは物語におけるキャラの使いまわしとしても商売としても便利過ぎる



とまぁ、こんな感じで。
近頃の中国オタク界隈の認識も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「これはクリエイターに限った話ではありませんが、中国では複数の人間が集まって行う仕事は最初は友好的でも利益が出た後の分配、作業の配分でもめる事になりがちですね。それからクリエイターであっても現場の作業より上の方で管理や指示を出す地位になりたがります。日本は契約したらその期間は割り切って仕事をする、現場の作業を楽しんで続けているような人が多いのも作品を作る上でやりやすいように見えます......」
などといった話もありました。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

9/2修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

中国に広まっちゃった日本のオタク文化や、中国のオタクな若者達に関する質問、更には当ブログへのネタ提供にツッコミなど大歓迎でございます。

コメントに書くのは何だというのでしたら、baiyuanlongyang「at」gmail.com (「at」を@にかえてください)の方にメールを送ってくださいませ。
このブログのまとめ+αな本 「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 が出ています。
ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
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北京留学日中交流

日本からだと存在そのものを疑われる事も有った北京の漫画喫茶B3は現地の制度変更や地価高騰の影響で伝説の彼方の存在となってしまいましたが、中の老板は相変わらず活発に動いてらっしゃいます。このブログもここのコンテンツの一つということになっている・・・のかしらん?

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