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気象予報士Kasayanのお天気放談

故郷長野に帰ってきたヨットオタクの気象予報士Kasayan。 天気予報は当たるのか?天気予報がハズレたらどうなるのか?天気予報の安全マージンは? 一般的な天気予報とは異なる視点からの解説をモットーに、日々の天気を放談?します。

2019年05月

Twitterでは、今日の記事の内容をひとことでまとめています。お時間の無い方・更新時間を知りたい方はご利用ください。https://twitter.com/kasayangw

・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報より、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??

(追記) (追記ここまで)

1、次の暑さ最新データ!


昨日、最新の異常天候早期警戒情報 (リンク)が発表されました。


6月4日頃から一週間、北海道と南西諸島を除いた広範囲で、平年を上回るかなりの高温になる確率が高まったとのこと。

となると・・・先週末に39°C以上の「異常」で「記録的」な高温になった北海道のような出来事を想像してしまう方も多いのでは?

そこで向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データをチェックしてみると・・・


確かに4日頃から、(情報には含まれていない北海道も含めて)平年を大きく上回ることが予想されています。

ただ・・・北海道で平年を12°C以上も上回ってグラフの枠からはみ出てしまった先週末に比べれば平年を4°C前後上回る程度。
さすがに「異常」な高温であっても「記録的」な高温にはならないようです。

とはいえ「異常」な高温であることは変わりありませんから、体調管理は当然、このところの高温続きで問題が起こり始めた農作物への管理にもご注意ください。

府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/



2、週末の天気・・・南は梅雨前線、北は上空寒気の影響、中間は?


さて、今日は金曜、そして5月の最終日ですから・・・
今日の空模様の前に、週末の空模様をチェックしておきたいと思います。

(図をクリックすると拡大します)

一昨日の記事に掲載した予想図とほぼ同様・・・予想のブレは今のところ小さいと思われます。

したがって週末のポイントも一昨日と同じで・・・
西日本太平洋側に停滞する梅雨前線の影響(降り方はもちろん梅雨入りの地域の有無)と、土曜日に北日本中心に通過する上空の寒気の影響(不安定な大気の影響)。
そして中間の東日本に予想されるにわか雨や雷雨?

いずれにしても、広範囲でムシムシの暑さになることは覚悟しておいたほうがよさそうです。

(追記) (追記ここまで)

2、今日の空模様・・・西日本の通り雨 のち 北陸以北の前線の雨


それでは今日の空模様


(1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


今朝は新潟県境信濃町 野尻湖畔からのブログ更新。

新緑を通り越し、緑が濃くなった木々を透かして見る空は灰色になりかけの白い空。
手持ちの気圧計は、少しずつ気圧が下がり始めていることを示しています。

最寄りの信濃町アメダスの最低気温は14.1°C(05時13分)で概ね平年並み。
そんな今朝の実況ですが・・・


昨日、乾いた晴天をもたらした高気圧「山」は東海上へ。
気圧の「谷」が、西日本を東進し始めていいます。

このため、気圧の「谷」には南から暖かく湿った空気の「川」が流入中。
西日本に不安定性の雨雲を点在させ、朝鮮半島付近に南下中の冷たい空気との境目に寒冷前線の雨雲を形成していることがわかります

衛星の水蒸気画像を見ると・・・悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷が大陸から接近中。
気圧の谷や前線が活発化して東進・・・西から下り坂に向かうことが予想されます。

昨日18時から今日06時まで12時間のレーダー画像と06時の推計気象分布

(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)






(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


それでは、今日これからの空模様・・・

気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

(図をクリックすると拡大します)

まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)は、すでに東海上へ。
天気は早くも下り坂のステージに入っていることがわかります。

そして午前中は・・・-10°C以下の寒気を伴う上空の浅い気圧の谷が東〜北日本を通過して曇り空の幕を開け・・・
-10°C以下の寒気を伴う後続の上空の気圧の谷が西日本を南東進して西日本では下り坂に。

さらに午後は-10〜20°C以下の寒気を伴う上空の気圧の谷が東〜北日本を通過。
東〜北日本中心に下り坂に向かい、大気の状態も不安定になることが予想されています。

で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・午前中は西日本中心に通り雨。
寒冷前線が日本海を東進するとともに、寒冷前線に先行するカタチで潜在的な前線帯(暖湿南西風の収束線)も日本海を東進することが予想されています

また、午後は北陸以北に寒冷前線の降水帯が活発化しながら上陸。
地上には温かく湿った南西風、上空には-20°C以下の寒気が流れ込むため大気の状態も不安定に。
比較的活発な降水帯が予想されていて・・・降水帯では落雷や突風等の激しい現象の発生も心配されます。

また、寒冷前線の接近に伴い(地形の影響を受けにくい上空約1500m)10°C以上の暖気が北海道まで北上。
次第にムシムシ感が増してくるかもしれません。

(図をクリックすると拡大します)

これは上空約1500mの気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

強い暖湿気が冷涼で乾燥した空気にぶつかる九州南部から南西諸島、そして伊豆諸島南部付近まで北上。
南北に蛇行する梅雨前線を形成し、暖湿気の通り道にあたる南西諸島の大気を不安定にすることが予想されます。

また、梅雨前線北側にも南西風に乗って暖湿気が北上。
日本海や内陸に複数の潜在的な前線帯(細い黄色の点線)を形成することがわかります。

このため、今日の日本付近・・・寒冷前線の降水帯が接近する前に、潜在的な前線による曇り空や通り雨が断続的に続き、変わりやすい空模様になると思われます。




(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日〜明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

紫色は下層雲。

詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

寒冷前線が上陸する北日本・・・局地的には強い風とともに強い降り方になるかも?

また、梅雨前線のキンク部(低圧部)が通過する沖縄付近も一時的には結構な降り方になるかも?

明日から6月・・・雨の季節を感じられる空模様になってきました。

(追記) (追記ここまで)


府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
(私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。)

タグ :
#偏西風
#蛇行
#上空の寒気
#週間気温
#暑さいつまで
#週間天気図
#次の暑さ
#週末の天気
#異常天候早期警戒情報
#相当温位

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難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報より、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??

(追記) (追記ここまで)

今日は新潟県柏崎市鯨波からのブログ更新。

イカ釣りの集魚灯が点々とする日本海・・・昨日は20時前まで薄明が続いていました。

いつものことながら、今日は小さなノートPCでのブログ更新。
簡易更新になりますのでご容赦ください。



1、次の暑さ最新データ!


さて・・・今日も向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データから。


昨日までの計算値と同様、6月に入ると右肩上がりで気温は上昇。
ただ、先週末のように平年を12°C以上も上回るような「異常で」「記録的な」高温は予想されていません。

今週月曜日、「高温に関する異常天候早期警戒情報」(リンク)が発表されましたが、今日発表される最新の情報はどのようになっているか?興味があるところです。

高温傾向が予想されていることに変わりありませんが・・・とりあえずホッ・・・ですね。

府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
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(追記) (追記ここまで)

2、今日の空模様・・・短いけれど乾いた晴天優勢に!虫食いの雨は?


それでは今日の空模様


(1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


今朝の新潟県柏崎市鯨波海岸・・・


昨日の雨の水蒸気が残っている??
やや白っぽいながらも快晴の空が広がっています。

日の出前後は陸風がそよそよ。
日が高くなるにつれ、そよそよの風も止まってしまいました。

船内気温は日の出前で17°C。
少し肌寒く感じられます(長野県の高原では氷点下になったようです)。

そんな今朝の実況ですが・・・

悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東海上に抜け、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が接近中。

天気は好天ベース。
西から高気圧の晴天域が拡大しています。

今日もこのまま晴天優勢・・・と思われますが・・・

昨日18時から今日06時まで12時間のレーダー画像と06時の推計気象分布

(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

(注記)昨日夕方、関東沿岸の気圧の谷に沿って収束線が発生。
計算値以上に降水域が発達しました。
これ・・・「予報がハズレた場合として想定できた」降水域。
(想定できたというべきかは???ですけど)






(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


それでは、今日これからの空模様・・・

気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

(図をクリックすると拡大します)

まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

実況でチェックしたように上空の気圧の谷が東海上に抜けて、上空の気圧の尾根が日本付近を東進。
天気は好天ベースで推移することになるわけですが・・・

上空の気圧の尾根の足は少々早め。
尾根の後ろでは、早くも上空の浅い気圧の谷が断続的に東進し始めることが予想されています。

で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・東シナ海に中心を持つ高気圧の中心が東〜北日本にシフト。

一日を通して広範囲で晴天域優勢で推移。
上空の気圧の尾根の後面に入った地域から湿った南風が吹き込み始め、高い所から雲が広がり始めると思われます。

強いて気になる点を挙げれば、午前中、寒気を伴う上空の気圧の谷が通過する北海道で発生する可能性がある(局地的な)不安定性の降水や激しい現象。
そして、湿った南風の流入と昇温による中部山岳地帯の局地的な降水。

可能性は低いですけど、気になる方は予報がハズレた場合の現象としてアヤシイ雲に注意してください。




(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日〜明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

今日は上層雲も掲載。
心配されるような降水域は見られませんが、高気圧の後面に入った地域から上層雲が広がってくることがわかります。

そして明日は(なんだか中途半端な?)下り坂に。


これは17時の関東甲信付近を拡大し、上空約300mの地面付近の暖湿気の様子を描き込んだもの。

これを見ると、暖かく湿った南風が吹き込む南ア付近と秩父・奥多摩方面に収束線が発生し、極めて局地的な降水域が発生することがわかります。

昨日と同様、「予報がハズレた場合」として想定しておいても良さそうです。
(山に登るなら想定しておいたほうがイイに決まっていますよね?)

ということで、今日はこれにて・・・
誤字脱字、意味不明・・・ありましたらご容赦ください。

(追記) (追記ここまで)


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府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
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(追記) (追記ここまで)

0、次の暑さ最新データ!


昨日から週間予報の解説内容に注目しながら天気予報をチェックしていたのですが・・・

暑さがひと段落して、週間予報の解説内容までひと段落してしまった気象解説が増えた中、さっそく来週の高温傾向に着目し、言葉を選んで伝え始めている解説者も数人。
(高温に関する異常天候早期警戒情報が発表されている状態)

悲惨な事件で天気枠が短縮される中、刻刻と変化する視聴者の関心事に言葉を選んでキチンと答えている姿・・・とても好感が持てました。

ということで・・・まずは来週の高温傾向について・・・
向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データからチェック。

やはり・・・昨日の計算値と同様、6月は北日本中心に右肩上がりに気温が上昇する予想。

「現時点で」グラフの枠を大きくはみ出す異常な高温になった先週末に比べれ、ば普通に平年を上回る程度と言えますけど・・・まだブレ幅が大きいので油断するわけにはいきません。

念のため予想期間の後半、高温が予想されている4日(火)、5日(木)の気圧配置と暖気の様子をチェックしておきました。

(図をクリックすると拡大します)

先週末、異常な高温をもたらした暖気と同じ強さの(地形の影響を受けにくい上空約1500m)20°C以上の暖気が、朝鮮半島を経て日本海へ。
週末に記録的な暑さになった北海道に向けて、日本海を北東進することが予想されています。

また、先週末と同様、日本付近は東海上に中心を持った高気圧に覆われる模様。
このため日本付近は暖気を運ぶ南西風が優勢に。

さらにこの気圧配置では、上空の気圧の尾根(偏西風の北側への蛇行域)が日本上空を通過することになるため、先週末と同様、上空から地上まで暑い下降気流も優勢になることが予想されます。

この点「現時点」の予想では、20°C以上の暖気は日本海で弱まる模様。
またドライヤーのような上空の気圧の尾根も上空の高気圧まで発達することはなさそうですから・・・先週末ほどの「記録的で」「異常な」暑さにはならないと思われます。
・・・繰り返しますが「現時点」の予想では・・・

梅雨寒が続きすぎるのもアレですが、暑さが続くのもナンですから・・・
平年並みで推移するよう祈りつつ、最新データを追い続けたいと思っています。

府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
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1、週末の天気・・・大気の状態不安定?土曜日がマシ??


続いて週の半ば、水曜日のお約束(出来たらベースですけど)?
週末の予定を立てるために(ブレ幅は大きいけれど)週末の空模様を早めにチェックすることにしています。

(図をクリックすると拡大します)

週末の天気のポイントは・・・

西日本太平洋側に停滞する梅雨前線の影響(降り方はもちろん梅雨入りの有無)と、土曜日に北日本中心に通過する上空の寒気の影響(不安定な大気の影響)。

中間に位置する東日本はまずまずの天気になりそうだけど、にわか雨や雷雨も?
いずれにしても、広範囲でムシムシの暑さになることは覚悟しておいたほうがよさそうです。

なお、前線の位置や不安定な大気の程度など・・・ブレ幅の要因がたくさんありますから、あくまで週間予報をチェックする際の参考資料としてお使いください。

(追記) (追記ここまで)

2、今日の空模様・・・道東を残して西から回復!乾いた暑さに?


それでは今日の空模様


(1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


今朝の長野市街地・・・

07時過ぎに雨が止んで曇り空に。
一足先に風は北寄りの風に変わっていて、志賀高原や菅平高原の標高800m以上を新潟県方面(写真左側)から流れ込んでくる層雲や層積雲の動きが肉眼でもよくわかります。

最低気温は昨日より3°Cほど低い13.9°C(06時41分)。
窓を開けていると肌寒く感じられます。

そんな今朝の実況ですが・・・


昨日から太平洋岸中心に強めの雨を降らせている雨雲の帯・・・

北日本を通過した寒冷前線は天気図上から姿を消していますけど、レーダーにはシッカリとした雨雲の帯が観測されていて、道東や三陸中心に活発な雨が残っているようです。

また、太平洋沿岸を東北東進中の梅雨前線の雨雲の帯も引き続き活発。
関東沿岸には低気圧も発生し、東海付近や南西諸島で活発な雨になっています。

衛星の水蒸気画像を見ると・・・引き続き、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が接近中。
どうやらこの上空の気圧の谷が、前線の雨雲を東海上に押し出してくれそうです。

昨日18時から今日06時まで12時間のレーダー画像と06時の推計気象分布

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(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


それでは、今日これからの空模様・・・

気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

(図をクリックすると拡大します)

まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

-10°C以下の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が西〜東日本をゆっくり通過(図には断続的と注記しましたが訂正します)。
これに伴いー10°C以下の寒気が九州北部まで南下し、上空の気圧の谷付近では地上に流れ込んだ暖湿気と相まって大気の状態が不安定になることが予想されます。

また、-20°C以下の寒気を伴う上空の気圧の谷が北日本を通過。
こちらも下り坂で大気の状態も不安定に。

もっとも、上空の気圧の谷が早々に抜け、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が接近する西日本から、急速に回復に向かうと思われます。

で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・-10°C以下の上空寒気を運ぶ偏西風強風帯に対応して前線の降水帯が東海上へ。

上空の気圧の谷の通過に対応して関東沿岸を通過する低気圧東側で、(暖湿気の流入が強まることによる)降水の活発化、強風・高波が予想されますけど、西日本は朝から、東日本では遅くとも午後には概ね回復すると思われます。

一方、北日本・・・日本海側は早めに回復することが予想されていますけど・・・
-20°C以下の寒気を伴う上空の気圧の谷に対応して(乾燥した空気に入れ替わっている)日本海で、潜在的な前線帯(南西風の収束線)の弱い降水帯が発生。
弱まりながら北日本を通過することが予想されています。

局地的・一時的だとは思いますが、アヤシイ雲行きに注意をしたほうがイイかもしれません。




(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日〜明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

紫色は下層雲。

概ねGSMモデルと同様。
北日本に上陸する潜在的な前線(収束線)の影響も(計算値通りなら)それほどでもなさそうです。

また、関東沖に残る北東風の収束線の影響も小さめ?

記録的な暑さに続いて前線の雨になりましたけど、(暑くはなるのものの)今日の雨上がりから明日にかけては、ホッとできる陽気になりそうですね?

(追記) (追記ここまで)


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(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

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(追記) (追記ここまで)

0、異常な暑さは終わるけど・・・次の暑さは??


今回の暑さ・・・熱中症で亡くなった方も出てしまいましたから、「命にかかわる暑さ」だったと言っても言い過ぎではないと思います。

もっとも、今日はどの天気予報を見ても「記録的」「異常な」暑さは「終わり」「ひと段落」といったコメントが中心。
体感でも、今朝は涼しさを感じている方が多いと思います。

で・・・心配性の方なら考えておられるはず・・・「再びこんな暑さがやってくるのか??」ということ。

例によって向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データをチェックすると・・・

確かに「異常な暑さ」はひと段落。
そして・・・嬉しいことに、向こう一週間は全国的に概ね平年並みで推移する模様。
これからムシムシの梅雨になるというのに、「平年並み」というデータが嬉しく感じられますよね?

ただ・・・6月に入って、グラフは全国的に上り坂?の「気配」。
予想のバラツキ(点線)の傾向も高温方向にバラついているような・・・・?

念のため、米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデル(初期値27日21時)を使って、(今回の暑さと同様)「大陸の砂漠地帯で加熱された暖気」が日本付近にやってくるのか?こないのか?・・・チェックしておきました。

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これは27日21時から08日21時まで、ユーラシア大陸上空約1500mの12時間毎の気温分布をアニメ化したもの。
チベット高原からタクラマカン砂漠・ゴビ砂漠(中国西域)付近では、今回の熱波?をもたらした暖気と同じ21°C以上の暖気塊(オレンジ色のエリア)が発生して停滞。
6月4日前後?には、日本付近へと東進する「気配」もうかがえます。

ただ・・・6月冒頭は日本の北に寒冷渦(同心円状の上空の低気圧:寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が停滞(昨日の記事参照)。
この寒冷渦が21°C以上の暖気塊の東進を朝鮮半島や東シナ海付近でブロック。
少なくとも6月の第一週は、今回ほどの強烈な熱波?は「なさそう」です(無いとはいえない)。

ただ・・・今回の熱波?をもたらした暖気塊より一段弱い暖気がやってくるかも??
そこで、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、「暖気がやってきそうな」6月3日、4日の空模様と、上空約1500mの暖気の様子をチェックしておきました。

(図をクリックすると拡大します)

確かに、今回のような猛暑日をもたらす20°C以上の暖気の流入は予想されていませんけど・・・

30°C以上の真夏日をもたらす可能性が高い15°C以上の暖気が(今回同様)北日本に流れ込むことが予想されています。

また気圧配置も・・・(平年の梅雨入りにあわせて)梅雨前線こそ西日本の南岸まで北上するものの・・・東〜北日本は(今回と同様)東海上に中心を持つ高気圧に覆われる予想。

もしや・・・と思って、チェックし忘れていた昨日発表の異常天候早期警戒情報 (原本にリンク)を見てみると・・・


6月上旬は、関東甲信と北海道、南西諸島を除く地域で、「異常な」高温に警戒する必要があるとのこと・・・orz

梅雨の準主役・・・涼しいオホーツク海高気圧はどこ行った!!・・・と言いたくなりますよね??

府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/

(追記) (追記ここまで)

2、今日の空模様・・・一雨降って空気が入れ替わる!?


それでは今日の空模様


(1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


今朝の長野市街地・・・


灰色の雲優勢ですが、上空の風が少々強めだから??
北アルプス風下側・・・善光寺平(長野盆地)から美ヶ原高原にかけて、UFOのような形をした高積雲が同じ場所に停滞中。
どうやら北アルプスで山岳波(山岳風下に発生する空気の上下動、波動)が発生していると思われます。

悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷が接近しているから?

暖湿気の流入も続いているらしく、最低気温は今年初めての20°C越え・・・22.0°C(05時38分)を観測しています。
そんな今朝の実況ですが・・・


実況天気図と衛星の水蒸気画像を見比べてみると・・・

日本海で大きく南に蛇行した寒気を運ぶ偏西風強風帯(濃い水色の矢印)に対応して、寒冷前線が日本海を東進中。

一方、西日本に太平洋岸で顕在化し始めた偏西風強風帯(薄赤の矢印)に対応して、梅雨前線が九州南部に東進中。

これら二つの前線に向かって、東海上の高気圧の縁を回り込むように暖湿気=雨の原料が北上。
南北方向の雨雲の帯が東進し、全国的に下り坂に向かっていることがわかります。

昨日18時から今日06時まで12時間のレーダー画像と06時の推計気象分布

(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)






(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


それでは、今日これからの空模様・・・

気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

(図をクリックすると拡大します)

まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が東海上に抜け、日本付近は下り坂のステージへ。

また、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の浅い気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が上空の気圧の尾根を追いかけていましたが、この浅い気圧の谷も東海上に抜けて晴天優勢の空模様も終了。

今日は、悪天パワーの親分といえる寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)が中心にー30°C近い冬の寒気を取り込みながらゆっくりと北東進し・・・
-10〜20°C以下の寒気を伴った上空の気圧の谷が日本海を東進することが予想されています。

加えて、太平洋岸では梅雨前線に対応する偏西風強風帯が顕在化。
夜にかけて上空の気圧の谷が断続的に東北東進することが予想されてます。

このため天気は西から下り坂・・・そして寒気の先端では大気の状態が不安定に。

このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・-10°C以下の上空寒気の先端・・・そして15°C以上の下層暖気の背中?に対応して寒冷前線のシャープな降水帯が東〜北日本を通過。

また、南岸の偏西風強風帯に対応して東シナ海から西日本の南岸にかけて梅雨前線の降水帯も活発化。
-10°C以下の寒気を伴う上空の気圧の谷が南下してくる夜には、四国沖に低気圧も発生することが予想されています。

(図をクリックすると拡大します)

これは気温に水蒸気の様子を加味した相当温位図という特殊な天気図。

東海上に抜けた乾いた高気圧が太平洋の暖湿気の北上をブロック。
さらに大陸から南下してくる寒冷乾燥空気も暖湿気の北上をブロック。
両者の間の非常に狭い空間を、暖湿気が北海道まで駆け上ることが予想されています。

このため、先にチェックしたように降水帯は非常にシャープ。
ホースをつまんだように勢いをつけて暖湿気が北上するため、前線付近に加えて暖湿気の陸上への入り口にあたる太平洋岸の山岳風上斜面中心に上昇気流が活発化し・・・短時間強雨、落雷、竜巻などの突風が発生することが心配されます。

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(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日〜明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

紫色は下層雲。

ひと雨降って、風向が変化し、空気が入れ替わる・・・という様子がハッキリ予想されています。

ただ・・・空気の境目の前線(風の収束線)の降水がかなり活発。
西〜東日本の太平洋側では短時間ではありますけど、雨の降り方に気配りをしておきたいところです。

また、前線上に発生する低気圧付近は風も強め。
明日朝には関東南岸を通過するようですけど・・・・
犬吠埼沖の事故現場・・・それまでに救助が終われば良いのですが!
(ヨットで航海したことのある海域・・・海流やその反流が複雑加えて潮流も。せめて風が弱いことを!)

(追記) (追記ここまで)


府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報より、ずっと多くの情報が得られる・・・はず??

(追記) (追記ここまで)

昨日の日本海、佐渡海峡。

油を流したようにまっ平の界面。
早朝に陸風がやんだ後、海風の吹き出しを待ちましたが・・・まったく風は吹かず。

結局、満タン方式で時間あたりの正確な燃料消費量の測定をして一日を終えることになりました。
車と違って、長距離航海には欠かせない作業ではあるんですけど・・・暑かった・・・orz

0、暑さいつまで?・・・暑さの後は??


この「記録的で」「異常な」暑さはいつまで続くの??なんて考えておられる方も多いでしょうから、今日も最初は向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データから。

どうやら「記録的で」「異常な」暑さは今日で終わり!
(ひと雨ありそうな)明日以降は空気が入れ替わって概ね平年並みで推移する可能性が高そうです。

一昨日まで、6月に入ってから再び北日本中心に高温??なんていう気配も見えていましたが、「とりあえず」6月スタートは平年並みで推移すると考えておきましょう(おきたいですよね?)。

しかし・・・なんでここまで状況が大きく変化するんでしょうか?
週間予報作成用の資料を使って、地上の空模様の骨格と言える週間の上空の気圧配置をチェックしておきました。

(図をクリックすると拡大します)

可能であれば拡大(図をクリック)してご覧いただきたいのですが・・・

左側の図は、地上の空模様の骨格といえる500hPa(上空約5500m)の気圧配置。
冷気を運ぶ偏西風と、梅雨前線に対応する偏西風の様子を描き込んでおきました。
そして右側の図は、850hPa(上空約1500m)の相当温位(温かく湿った空気の様子)。
暖湿気と冷涼乾燥空気がぶつかる場所・・・(梅雨)前線帯を描き込んでみました。

ちなみに今回の記録的で異常な猛暑の原因は、日本付近に上空の気圧の尾根(左側の図:水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が停滞し、上空からの(暑く乾いた)下降気流が優勢となり、併せて北に蛇行した偏西風の取り囲まれるように、大陸生まれの乾いた高温の暖気がゆっくりと北日本を通過したから。

で・・・今週は記録的で異常な猛暑の原因である上空の気圧の尾根が北海道の東海上に抜け・・・
日本付近の天気変化の主役が寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)に交代することが予想されています。
そして、寒冷渦は東海上に抜けた上空の気圧の尾根に東進をブロックされ日本の北で停滞。
北日本中心に大気の状態を不安定にすることが想定されます。

また、寒冷渦の南下とともに南海上には梅雨前線に対応する偏西風強風帯(ピンクの矢印)が顕在化。
この偏西風強風帯の直下では、温かく湿った空気と冷涼で比較的乾燥した空気のせめぎあいが活発化(右側のず:実線=等相当温位線が混雑)し、梅雨前線が顕在化。
空梅雨気味だった南西諸島は一転、本格的な梅雨空になることが想定されます。

で・・・「とりあえず」この梅雨前線が真夏と初夏(春の終わり?)の境界線になって、全国的に平年並みの気温に落ち着くことになるようです。

気が付けば今週で(令和の時代が始まった)5月も終わり。
九州南部の平年の梅雨入りは31日頃。
トンデモナイ暑さの後始末を梅雨前線が担ってくれるようです。

府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/

(追記) (追記ここまで)

2、今日の空模様・・・高温モード、ピークは過ぎてもまだ異常!?


それでは今日の空模様


(1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


今朝の長野市街地・・・

上空はそれなりに青いものの、(厚い空気の層を通してみる)周辺の山々の上は白っぽい青。


北アルプスもなんとか見えている状態です。

空気は乾いているものの、上空には水蒸気が入り始めているのかも?
ちなみに長野の最低気温は16.1°C(04時33分)。
日中は真夏並みの暑さでも、朝の気温がこの程度で済むのが救いです。

そんな今朝の実況ですが・・・


西〜東日本を通過中の上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)に対応して、今日も南海上から高気圧に覆われている状態。
この天気図だけを見れば、まるで太平洋高気圧に覆われているようです(それもクジラの尾型)。

ただ、こんな状態も終了間際・・・
大陸からは寒気を伴った上空の気圧の谷が(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、前面に大量の水蒸気を吸い上げながら接近中。
早くも活発な雨雲が九州北部に近づいています。

このひと雨で状況が大きく変化しそうですが・・・雨が降り出すタイミングは?
それまでは異常な暑さに水蒸気が加わって、耐えられない暑さになってしまうかも??

昨日19時から今日07時まで12時間のレーダー画像と07時の推計気象分布

(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

(注記)昨日、GSMモデルは中部山岳付近のにわか雨が予想されており、MSMモデルにはにわか雨が予想 されていませんでした。昇温や暖湿気の流入、上空の気圧の尾根の位置からすると、中部山岳付近で にわか雨又は雷雨の発生が想定される状況で、気象庁予報にもその旨記載があり、Kasayanもにわか 雨のを想定すべき状況と記載しましたが・・・小さな雨雲崩れのエコーは観測されたものの、結果は 空振り。でも、限界事例であり雷雨が発生した場合のリスクと考えれば、今回の気象庁予報は批判さ れるべきものではいと思います。






(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


それでは、今日これからの空模様・・・

気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

(図をクリックすると拡大します)

まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)がゆっくりと東海上へ。

代わって悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が西〜東日本を北東進。
さらに-10〜20°C以下の寒気を伴う後続の上空の気圧の谷が朝鮮半島方面に南下してくることが予想されています。

このため今日は西日本中心に下り坂。
明日も広範囲で下り坂が続くと思われますが・・・

このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・上空の気圧の尾根に対応して東〜北日本は引き続き高気圧の晴天エリア優勢に。
午前中は昨日までの大陸生まれの乾いた暖気に覆われ異常な高温傾向が継続し・・・高気圧の東進に伴って太平洋の湿った南西風も吹き込んで、沿岸中心に湿度も上昇。
西から曇りがちになるとしても、不快な暑さになることが心配されます。

一方、上空の気圧の谷に対応して、温かく湿った南風が吹き込む東シナ海から朝鮮半島にかけて低気圧や前線の降水帯が活発化。
日中、上空の気圧の谷が先行するため降水帯の東進は非常に遅いものの、寒気を伴う後続の上空の気圧の谷の接近に伴って低気圧や前線がさらに活発化。
今夜遅くから前線の活発な雨雲が日本付近を通過し始めることが予想されています。

そして最後に気になるのは・・・先行する上空の気圧の谷の影響と次第に流入し始める太平洋の水蒸気、そして日中の昇温による上昇気流の活発化・・・
にわか雨や雷雨の発生が心配になってきます。

ただ・・・昨日とは異なり中部山岳付近にも降水域が予想されていません。
もちろん、気象庁予報(近畿以北)にも「所により雨」とか「雷」という文字は見られません。
本当に大丈夫???




(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日〜明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

紫色は下層雲。

概ねGSMモデルと同様。
今日は東〜北日本中心の異常な暑さがポイント1、九州方面の下り坂がポイント2、少しずつ空気が湿り始めることがポイント3・・・といってよさそうですけど・・・

GSMモデルと同様、今日もにわか雨や雷雨の予想はされていません。

ただ・・・気象庁予報(近畿以北)とは裏腹に短期予報解説資料(プロ用の資料、各気象台の予報官の意思統一の資料)には、「東日本から東北南部の山沿い中心に大気の状態が不安定となるが、各層乾燥しているたため、対流は抑制される見込み。局地的な対流雲の発達に留意」との記載があります。

各気象台の予報官・・・「留意点はわかるけど、予報に書き込めるような状態ではなく、実況重視で必要に応じて注意報で対応しよう」と考えていると思われます。


これは18時の関東甲信地方の拡大図(上層雲も掲載)。

万が一、にわか雨や雷雨が発生するとしたら、暖湿気の入り口(太平洋岸)に近く、上昇気流が発達しやすい南アや奥多摩・秩父付近???
もちろん空振り覚悟ですけど、横目で雲行きを伺っていても損はないと思います。

(追記) (追記ここまで)


府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
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(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
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プロフィール

Kasayan

大昔、気象会社や東京の放送局で天気予報番組を作っていたこともありますが今は故郷長野で2回目の日本一周を夢見るただのヨット好き。山岳ガイドのタマゴたちと気象の勉強中。最近多くの時間を野尻湖畔の山小屋で過ごしています。

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