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電子回路の頑健性の指標として「素子感度」という概念がある。電子部品のある特性が1%変わった時着目する特性がx%変化するとき素子感度がxであると考える。
抵抗の場合、実質的に大きな引き算を行っているときには素子感度は1以上になりやすい。
しかし、センサブリッジのような回路では、ブリッジの不平衡電圧が励起電圧に比べ相対的に小さいので、各辺を構成する抵抗の素子感度は高い。
このような場合、各辺の抵抗を同種、同一ロットのもので構成すると、種々の偏差要因が相殺されることを期待できる。
対称構造は機械的要素においても重要である。
工学においては、必然性のある頑健な形/構造は通常美しい形となる。これが洗練された工学美であり、単なる受けを狙ったデザインの感性とは異なるだろう。
素子感度は回路設計の1指標にすぎない。
素子感度を考える際には、その部品のばらつきの大きさや特徴を把握しておく必要がある。また、計測手段をあらかじめ考えておかないと実証も困難である。
素子感度は便利な概念であるが、この概念を使い設計するには部品に対する2次特性への理解を深めなければならないのである。
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