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個別部品で組む精密アナログ回路は多くの場合、外来ノイズに対し被害者側となる。例えば、オペアンプ回路では、電源およびGNDラインの高周波変動に対して十分な配慮が必要だ。PSRR(電源除去比)は利得帯域幅積に近い高周波になると著しく低くなる。
電源変動もGNDの変動もほぼ同様に悪影響を及ぼす。
電源バイパスコンデンサからは、バイパス交流がGNDラインを通るから有限のGNDラインのインピーダンスを介して変動要因となる。
デジタル回路ではべたアースを良く使うが、アナログでは結構、危ないやり方と思う。べたアースでは意外にGNDパターンが1ターンのループを作り、そのループがアンテナになってしまうことがあるからだ。
アナログエンジニアは基本的にべたアースは嫌いである。アナログ回路は信号レベルが前段ほど低い。一方デジタルは同一レベルの信号を扱う。
机上で考えやすいのは1点接地であるが、重要なGNDが多いときには現実的ではない。
私の戦略は信号レベルの低い部分を給電点から遠く離した梯子形布線を中心に考える。
信号レベルの高いアナログ部は逆に給電点に近い部分に配置する。これにより、後段の電流変動が初段回路に影響しにくくなる。
パスコンを効果的に働かせるには電源インピーダンスを上げる必要もある。コストはかかるが数100μH程度のインダクタを挿入することもある。
パスコンの電流のリターンパスを考えた時、現実的には梯子形GNDパターンとスター布線が効果的になる。
もっと高周波に対してはこの手はあまり有効ではない。貫通コンデンサを使うことすらあり得るのだ。
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