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電力用半導体の多くは「エンハンスメント形」で、制御入力がないときOFFの状態にある。バイポーラトランジスタ、パワーFET、IGBTなどはノーマリーオープン(NO)である。
制御回路あるいは駆動回路に電源が入っていなければ、主回路はOFF状態であるから電流は流れない。制御回路は主回路の電源のパワー系の電源と別系統である。しかし、主回路がエンハンスメント素子であれば、通常は制御信号が確定する以前にパワー電源を短絡することはない。
逆にディプレッション形素子では、駆動電源が遮断すると、パワー系が無制御状態でアクティブになる。従って、主電源を投入する前に制御用電源が確定していなければならない。停止の際には主電源がOFFされた後、しばらくの間、制御用電源は生きていなければならない。
不慮の制御電源の瞬断に際してもフェールセーフシステムにならないから、制御電源の信頼性、立ち上げ順序に厳しい工学的課題になりやすい。
日本発の静電誘導型トランジスタ(SIT)はディプレッション形であったと聞く。パワー素子としては上記のように小規模システムでは使いずらいので主流の素子にならなかったと理解している。
エンハンスメント形素子の駆動回路でも、複数電源を含み、かつ極性反転している場合が存在する。このような場合には、主電源を含む電源が立ちあがっていく途中で主回路が無制御状態になる魔の時間帯が存在し得る。
パワー系を駆動する回路は、各電源の立ち上がりのタイミングがずれても問題を生じないように工夫する必要がある。当然、このような解析は通常の解析に比べて難しいので、回路システムの挙動を把握しやすい構成にしておく必要も生じる。
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