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カレントミラー回路はアナログ集積回路中で良く使用される。その代表的な回路形式はWidler形(2石式、基準側はダイオード接続、他方はエミッタ接地)である。
この回路は2石のトランジスタが揃っていることを前提に、基準側の電流を吸い込み電流(npnの場合)に変換する。ベース電流は無視され、2個のトランジスタのVCEは異なるのでアーリー効果の影響を直接受ける。ミラー側の動作電圧範囲はVCE(SAT)程度と低い。
温度特性はほぼ補償されているので、アーリー電圧の測定に都合が良い。温度が多少変動しても案外正確な測定ができる。
もっと精密なカレントミラー回路はWilson形(Q1、Q2のエミッタはGND、Q2はダイオード接続、Q3のベースはQ2のベース、Q3のベースはQ1のコレクタ、Q3のエミッタはQ1、2のベースに接続)である。Q3のベース接地回路の存在により、吸い込み電流の電圧依存性は1-2桁改善される。動作電圧はWidler形よりVBE1個分だけ高い。
他にも、種々の形式があり、マルチカレントシンクに適した回路構成など多様である。
アナログ集積回路設計の機会が少ないアナログエンジニアにとっても、個別トランジスタ回路設計の参考になる回路手法である。
カレントミラー回路は、回路ユニット中で多くの定電流源を大きなコストアップなく実効的に高い抵抗が使えることを意味する。そして、トランジスタ特性に起因する温度影響などの補償に関するより深い視点を与える。
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