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抵抗は100ppm/°Cクラスの温度特性のものが容易に入手できる。100°C変化で1%の誤差だ。しかも、温度特性はほぼ線形である。数ppm/°Cクラスのものもある。許容誤差も非常に少ない(0.01%)のものも存在する。
しかし、コンデンサとなると話は違う。コンデンサでは、電子部品として製作可能な容量範囲、許容誤差、温度特性、耐電圧の上限などがリンクして異なってくる。
大容量では電気2重層コンデンサがファラッド単位の容量が得られ、アルミ電解コンデンサでは0.1F〜1μF位が普通の製作範囲であり、耐電圧も数100Vまでカバーする。
1μF〜1nF容量では、セラミックコンデンサ、シルバードマイカ、種々のフィルムコンデンサなど選択肢は広い。
しかし、良好な温度特性を期待するとなると、低誘電率系の非積層セラミックコンデンサの一部とシルバードマイカコンデンサなど品種は限られる。他の種類のコンデンサは多く、容量値の温度係数が大きく概して非線形である。
最近では使用例が少なくなっているが、高誘電率系の一部のものでは、+20%、-80%などという仕様の積層セラコンも存在した。
アナログエンジニアは産業用機器の電子回路を多く手掛けていたので、温度幅100°Cの設計温度を多く扱っている。温度範囲が広いと、コンデンサの容量値の温度変化に頑健な回路設計を行うが、それでも、コンデンサの容量値の温度安定性には神経を使う。
コンデンサを先に決め、抵抗値はそのあとに決める。これは精密アナログの常道である。
コンデンサの温度依存性は他の多くの項目:ESR、許容誤差、信頼性などにも影響する。
その第一歩がコンデンサの種類と、温度特性に対する配慮であると私は考えている。
こんなこと、大学教科書にはほとんど記載されていなようだ。
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