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抵抗4本で校正されるホイートストンブリッジが代表的なもので、帰還をかけてブリッジを平衡させるか、ブリッジの不平衡電圧を増幅するかで大別できる。
いずれも抵抗変化型センサ回路でしばしば使われる。ブリッジを校正する各辺の抵抗は温度依存性、経年変化特性などにおいて十分そろっていなければならない。
金属箔ひずみゲージで考えてみよう。
ゲージ率は約2なので、1アクティブゲージで長さの変化の1/2、2アクティブで1、4アクティブで2倍の感度を有する。2アクティブ形には同一負号で変化するゲージをブリッジの対角に配置したものと、逆符号で変化する2枚のゲージを同一アームに配したものとがある。
常用計測範囲を1000με(ΔL/L=0.1%)ととし、その1/1000まで計測することを考えると、1ppm前後の抵抗測定になる。金属箔ゲージは現在では公称RG=120Ωで、流せる電流の制限があり1-2Vしか電圧をかけることができない。従って、1μV級の直流増幅器が必要になる。
また、測定系に必要な絶縁抵抗はRGの100万倍:約100MΩの絶縁が必要となる。
回路の絶縁、増幅器の性能ともに結構な性能が要求される。
1ppmクラスの抵抗が問題になるとき、一つにはブリッジの不平衡電圧はゼロ点補正によってバランスを取らないと、フルスケールの数倍のオフセットがあるまま信号処理をしなければならない。次にゼロ点補正に伴うブリッジ出力電圧の温度特性の変化も問題になる。
歪みではなく力を正確に定量化しようとすれば、ヤング率などの温度変化も問題になる。通常はブリッジを定電圧で駆動し、駆動源とブリッジの間に直列に適度な+の温度係数をもつ抵抗を挿入し、感度の温度補正を行う。
ブリッジがピエゾ抵抗効果を利用したものであれば、ブリッジの初期不平衡電圧は大きく、抵抗体は+の大きな温度係数をもち、感度の温度係数も大きい。次から次へと種々の干渉項が出てくる。その代わり、各ゲージが極めて近い温度環境に存在するので、うまい補正手段が存在する。
このような事情から、センサは信号処理回路や補正手段も含めて考えないと、その実用性、性能は評価できないのである。
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