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ドロッパ式安定化電源は精密アナログ回路には不可欠である。スイッチング電源は効率が高いので小型化できるが、精密アナログ回路で嫌われるスパイク性ノイズが避けられず、かつ過渡応答の課題もある。それで、ドロッパ式安定化電源という選択になる。
安定化電源の後段にはかなり大容量(数100μF)のコンデンサを付加し、負荷急変時の変動を吸収するようになっている。ドロッパ式安定化電源は中間容量負荷で発振しやすい事情もある。後段に大容量コンデンサを付けることは、電源投入時の突入電流負荷をコントロールしなければならない。また、負荷回路の短絡も想定しなければならないので、出力電流制限回路も必要になる。
ふつうの安定化電源回路は、負荷からの電力の逆流を想定していないので、重いインダクタンス負荷の時にはそれなりの注意が必要である。
過渡的に半短絡状態になりうるので、主制御素子がバイポーラトランジスタの場合ASO違反になることもある。パワーFETを使えば、安全動作領域の問題はほとんど解消されるが、ハイサイド側にたいていの場合補助電源が必要になる。
個別部品で組む大容量安定化電源では、放熱の問題も付きまとう。理想的にはチップ温度の情報を得てサーマルシャットダウン回路を組みたいが、必要に応じてフィン温度を計測し安全保護を行う。
安定化電源回路は、基準電圧を入力とする単極性のパワーアンプに他ならない。
安定化電源回路設計には、さまざまな知識が必要である。電源こければ、電子回路はただの箱。コストの制約も強く、新人技術者に任されることも多いが、回路設計の多くの要素を含んでいるので十分なチェックが必要である。
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