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Img_0001 図の回路は自励式無安定マルチバイブレータの一種である。
コアには通常、角型ヒステリシスコアを用いる。
この回路の転流は、VpとRBによりベース電流∽最大コレクタ電流によって支配される。
コレクタ電流の増加→コアの飽和→インダクタンス値の減少→トランジスタの飽和が維持できなくなり→コレクタ電圧の増加→ベース電流の減少→他方のベース電圧の上昇の経過を経て、転流に至る。
転流はRBによるベース電流の制限=最大コレクタ電流の制限によるもので、負荷に依存せず一定のコレクタ電流で転流が生じる。
Vp=nSdB/dt n:コイル巻き数 S:コア断面積 B:磁束密度 t:時間 の関係があり、半周期T/2はBが最大磁束密度をBmとして、-Bmから+Bmに変化する時間なので
T/2=∫dt=∫nSdB/Vp=2nSBm/Vp 積分区間は-Bmから+Bm
したがって、発振周波数fは f=Vp/(4nSBm)となる。
Bmは角型ヒステリシスコアを用いるので、起磁力Hすなわちトランジスタのコレクタ電流依存性は少ない。
この回路形式は発振周波数を1kHz程度で設計されることが多いが、100kHz程度までの発振周波数を得る設計も可能である。
無負荷時の電流波形はH-B曲線とほぼ等しい。
いまは古き回路形式となったが、その動作機構は少々難しいがコア特性とLと回路が組み合わさった解析例題として代表的なものであろう。
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