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エミッタ接地バイポーラトランジスタの出力抵抗roは1/hoe=ΔVCE/ΔICである。
VCEとICの関係はアーリー効果により、IC=IC0(1+VCE/VA) VA:アーリー電圧 であるから、ΔIC=IC0・ΔVCE/VA IC0:VCE=0Vに外挿したコレクタ電流 である。
したがって、ro=VA/IC0 となる。アーリー電圧は通常、数10V〜100数10VであるからIC=1mAでroは100kΩ程度、10mAで10kΩ程度の数値となる。roはコレクタ電流に反比例する。
バイポーラトランジスタでは、出力抵抗roはコレクタ抵抗の5〜10%前後となる場合が多い。しかし、簡易利得計算ではトランジスタのroを無視して、普通行う。
トランジスタの初期の設計計算では数%の誤差は無視して、Ro=∞として、概略計算を行い、見通しを良くして設計を進めるのが常である。これが初期の設計段階での計算精度で有効数字1.5桁というところか。
誤差1%の精度を追い求めるなら、出力抵抗だけではなく、負荷抵抗、信号源抵抗、バイアス回路の分流効果など急激に考慮しなければならない項目が増える。
出力アドミタンスhoeに限らず、hパラメータの多くは強くコレクタ電流依存性をもつ。しかも、トランジスタのデーターシートには普通hパラメータの記載はない。
hFEは別として、アナログエンジニアはhパラメータでトランジスタ回路を設計した経験はほとんどない。多くの大学電子回路教本はhパラメータで記述してあるが、本エントリーのようにhパラメータの多くは自分で計算すべき事項であり、かつ単純計算にくらべ、hパラメータを使って本格計算しようとすると、計算量が数倍以上になる。これでは実務での見通しが付きにくい。
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