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通常パルストランスは1次側コイルを鎖交する磁束ができるだけ2次側コイルを鎖交するように設計する。密結合のパルストランスでは鎖交する磁束の比率kは1に近く、0.995を上回ることが多い。
kが0.996、主コイルのインダクタンスL1が200μHなら、理想トランスに(1-k)L1=0.8μHのインダクタンスが直列に寄生する。2次側も同様である。
コイルの巻き方によっては、1次→2次側の結合率が1に近く、2次側→1次側の結合率が低くなるケースもある。もちろん、その逆もあるが、普通は1次側をコアのすぐ上層に巻くので1次→2次の結合率が高くなる場合が多いとアナログエンジニアは考えている。
寄生インダクタンスはパルストランスのスイッチング波形に大きく影響を及ぼす。
また、通常の回路方式では寄生インダクタンスに蓄積されたエネルギーをスイッチングのたびに消費するしかない。このエネルギー消費回路がRCやRCDで構成されるスナバと呼ばれる回路である。
パルストランスは巻き数が商用周波数に比べて少なく、寄生容量も少ないが、扱う周波数が高いので寄生インダクタンスと寄生容量との共振も生じる。
寄生インダクタンスは例えば2次側を短絡し、1次側のインダクタンスを測定すればよいが、2次側コイルにも抵抗分があるので、なかなか正確には測定できない。
確実な方法は、コイルのスイッチング波形をシミュレーションし、観測された波形とほぼ同一の波形が得られる条件から寄生インダクタンスを推定する方法である。
1次と2次間の寄生容量を少なくしようとすると、結合率が低下するので、トランスの自己共振周波数を上げることは意外に困難である。一般のパルストランスではなるべく結合率を上げるように、巻き線方式や絶縁方式に工夫が行われている。
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