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トランジスタの電流増幅率hFEの大小は、トランジスタ回路・アナログICの設計に影響するひとつの大きな要因である。
設計目的に応じて適切な値の範囲の品種のものを選ぶ必要があるが、高hFEのものは高耐圧や高速スイッチング用途には半導体物理上得にくい。
過去、アナログエンジニアは同一形名の種々のhFEランクの物を数ロットにわたり追跡したことがある。
当時の結論は、全体としてhFEの分布は歪んだ正規分布の形をしており、低hFEランクの物は高hFE側が多い三角分布、中間のものはほぼ一様分布、高hFEの物は低hFE側が多い三角分布であった。すなわち、選別によるランク分けの後が明瞭に残っている分布であった。
最近では、hFEランクは殆ど半導体プロセスによって造り分けされている感がある。同一ロット品のhFEランクの分布がデーターシートランクの中ほどに集中している品種が多い印象を受ける。
hFEの温度依存性は-20〜+80°Cで2倍ほど変化し測定電流にも依存するので、あまりhFEランクに頼った設計は好ましくないと考える。データシートのグラフにはhFEの電流依存性や温度変化の情報が記載されているので、それを参考に、hFEの変動に強い回路をコストが許すなら造ることが肝要であろう。
入手性を考えるなら、現在でもhFEランクの両端の選択はなるべく避けるのも一方法である。
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017 ←アヤメの蕾にとまっているいる塩辛トンボ。夏と梅雨が混在している感あり。
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